『○○が~~な理由』の信憑性

最近、ネットサーフィン(死語?笑)をしていると、
現代ビ○○ス、東○経済、○レジデント、ダイヤ○ンドなどの意識高い系ビジネスマン向けの記事によく出逢う。

記事のタイトルが、『○○が~~な理由』となっているケースもめっきり増えた。急増である。もう、ほとんど全部そうなんじゃないか、というレベルでこればかりである。

そして、どれも駄文である。
信用に値しない。

というのも、
「○○が~~な理由」という日本語が成立するためには、
「○○が~~である」という事実が、一定程度社会に浸透している必要があるのに、これらの記事ではその前提が無視されているのがほとんどなのである。

「○○が~~であること」は知っているけど、その背景や理由は案外皆知らない。という状況で初めて成立する日本語である。

なのに。

たとえば、「トラン○大統領が毎朝カレーを食べる理由」のようなタイトルが跋扈しているのである。

知るか!!!!

いや、誰も知らんわ!!!!

その事実があまり有名でないならば、まず最初に「○○は~~である」と述べたうえで「その理由は✕✕」と説明する必要があり、「○○が~~な理由」と端的に言うのはおかしい。

「昔話がみんな『あるところ』から始まる理由」
と言えば、ほぼ全ての日本人に共通認識のあることであるので、「ほう、そのこころは?」と言える。

が、

「桃太郎が鬼を殺さなかった理由」
と言われて納得できるだろうか。

いや、殺してなかったの??!!
え、その理由とか言われても!!え?!
まず殺してなかったの!!??

となるに決まっている。(これは架空です)

もし周知ではない事実を適示するならば、
「実は桃太郎は鬼を殺さなかった」という大きな話から始める必要がある。理由はその後だ。

「中国人が実は日本を愛している理由」とか、

いや、知らんわ!!!!

「コロナ後の世界では日本が最強になる理由」とか、

いや、知らんわ!!!!
テキトーぶっこいてんじゃねーよ!!!

上に挙げたタイトルはどれも架空だが、それに近いニュアンスのものはよく見かける。

もはや、周知の事実ではないどころか、未来予知である。
未来を断定的に予言し、さらに「そうなるのはなぜか」といあタイトルにしている。無責任にも程がある。

しかも、ネットで見られるこの類いの記事に、科学的な考察はほとんどない。大体、「専門家」の私見だけで書かれていることが多い。

しかし、まさにこのコロナ禍で私たちが胸に刻むべき教訓があるだろう。

専門家だろうと、知らんものは知らん。

ということである。2020年当初の頃など、新型コロナは風邪でしかないとも言われていたし、逆に何十万人も死ぬと言われていた。空気感染はしない、と言われていたのに、実際にはしているらしいことが明らかになってきている。
そうである「らしい」ことが、明らかに「なってきて」いる、のだ。

その道の専門家といえど、未知のことを断言することは非常に難しい。ウイルスのような自然現象という、実物検証が可能な事象でさえ、難しい。

それなのに、この先の日本がどうなるなどと言えるわけがない。

13億人全員にインタビューしたわけでもないのに、ましてや、統計学的手法を使って中国全土の多様な地域から有意な数の標本を抽出したわけでもないのに、「中国人がこうである」などと言えるわけがない。

しかし、最近のインターネットを闊歩する記事たちは、「東○経済」のような立派な会社の名前を冠にして、堂々と信用ならないことを言ってのけるのである。

全ての記事がそうだとは言わない。
ごく稀に、出典を明記したうえで公的なデータを示し、科学的に検証された信憑性の高いものもある。

しかし、概ねこの手のタイトルが付けられる記事は、いわゆるPV稼ぎとしか思えない、中身のうすーーーいものが異様に多い。

悪質なものだと、「~~な理由」と名付けておきながら、「~~な理由」は一切書かれていない。そんなまさしく詐欺な記事に出逢ったのも、一度や二度ではない。

こんなnoteをこんなところまで読み進められる方に、「ほーそうなのか」と素直に信じるリテラシーの方はおられないと思うが、日本人にはぜひともそんな記事は信用せず、一次情報を探すということを身に付けていただきたいものである。


というか、あの手の記事は大体30代以上、年収500万円以上のまあまあ稼げるビジネスマンたちをターゲットにしていると聞くが……

日本のビジネスマンのリテラシーはその程度ということなのだろうか……

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