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第5回短歌月九ネプリ テーマ「音」三首選

明日まで発行中のもので、第5回となった#短歌月九ネプリ。今回のテーマは「音」で、池田明日香さんが主演されています。

僕は「微かに揺れる」という三首で参加しています。お時間があれば読んでみて下さい。もっとお時間があれば感想ください。

以下。出力情報です。

セブンイレブン: 65470769
その他のコンビニ:B6MWHPAMBX
6月6日23:59まで
B4白黒1枚20円

では、ここから自作以外の三首選をよかったと思った順に。

呼び鈴を押すと来るけど押さないでしばらく口はミルキーの味/西村曜

こういうことってある。誰かの家に行くときに、ガムを噛んだり、飴を舐めたり。この人はミルキーを舐めてたみたい。この人が会いにきた相手は「呼び鈴を押すと来る」。そういう信頼や約束が2人の間にはある。押そうかな、押さないかな。押してしまえば、もうミルキーの味なんて忘れてしまう二人という時間の中に入る。まだ押さない。口の中に残るミルキーの味は、この主体の時間であって、一人の時間を、一人という存在を強く意識させてくれる。
ダントツでこの歌が良かったです。

空室はぜんぶ◯人カラオケとおもえばたのしいカラオケボックス/西村曜

変な思考をする主体だなあと思う。◯はゼロのことだろうが、わざとかどうか、◯がゼロではなく空欄にも見えて、ちょっとした各部屋にいる目に見えない存在にすら思いを馳せそうになる。主体はきっと一人カラオケに来たんだけれど、まだ慣れてない。自分を正当化するために変な思考をしてみるんだろうな。

もう二度と会えないだろう子が虹のために放った水の軌道を/池田明日香「わたしは世界の効果音」

主体の世界に対する諦めを感じる歌。上の句の子にかかる部分は完全な主観で、ほんとうはまた会ってもいいじゃないかと思う。でも、虹の刹那な印象との重なりがあっていいなと。虹のために「水の軌道を」放つというのも面白かった。たしかにわざと作り出そうとするとき、僕らは水を放つのではなく、なんとなくその軌道を放っている気がする。

以上。

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