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#短歌月九ネプリ『月九』第4回 三首選

 僕、近江瞬を含めて9人の歌人で月1回発行する短歌ネプリ「月九」の第4回があす5月7日まで配信されています。今回のテーマは「作」で、僕が設定者のため主演という扱いです。サブタイトルは平成から令和への改元時期だったので「カイゲーン大作戦」としました。

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5月7日23:59まで。B4白黒1枚20円です
#短歌月九ネプリ

以下、三首選します。(※もちろん自分は除く)

言葉にはできないと言う詩人へと手渡すあぶらねんど一式
                      /西村曜

 詩人の仕事は世界を言葉で表現することであるが、この詩人は「言葉にはできない」と言葉にすることしかできていない有り様である。その詩人に対し、主体はあるものを手渡す。それが「あぶらねんど一式」。世界を言葉にする詩人が、その「言葉にはできない」ものをどのような造形で表現するのか。面白い指摘だ。歌の作りとしては下の句の「あぶらねんど一式」で勝ち。ひらがな表記も絶妙と思う。

メイドイン読めない国のおもちゃだけ飛ばされてゆくこの暴風雨
                /御殿山みなみ「nicestorm」

 正直正確な読みができないし、させてくれない。「メイドイン読めない国のおもちゃ」はいわゆる有名国じゃないし、おそらくは先進国でもない国のことをさす概念的なものだろうが、どうしてそれだけが飛ばされていくのかは不明だ。暴風雨はきっと何かの比喩だろう。例えば無理やり実景として読むなら、子どもがおもちゃに飽きて暴れていて、嫌いなおもちゃから遠くへ飛ばしていく。残ったのはメイドインジャパンをはじめ、やはり先進諸国のもので、それらの国は子どもの嗜好すら正確に支配しているのだ。ということにも読めるが、言葉の選択と並びを純粋に楽しみたい。

実は半分くらいしかわからないまま聞くほむほむが楽しそう
                  /平出奔「作る派」

 歌人を詠み込みながら、自分の作歌について語る三首連作で良い悪いや巧拙を語る前に、純粋に読んでいて楽しい一連だった。肩の力が抜けている感じでそれがさらに共感を呼びやすくしている。「こういうことってあるよね」の連続。上記の歌も「確かにほむほむって楽しそうだよね」って思う。他の二首も分かるわかる。

以上。


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