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何者でもない状態

何者でもない人でも、何者かであることに憧れるあまり、目が曇っていることにも気づかずに暮らしているものです。

決して、何者かになりたい欲求を否定的に言っているのではありません。

個人的な欲求には責任を持って向き合うべきです。

そして、そんな人こそ、力不足を感じたら、全てを諦めるように、何者でもない状態に沈んでみるのです。

すると、見ていた世界が違う色をしていることに気がつきます。

全てが整っているように感じ始めます。

自分の持ち物の中に自分を見るような親しみを覚えます。

水の音とお湯の音が違うことを発見したりします。

まだまだ知らないことだらけと、心が躍りだすのです。

世界には、明らかに少し違った次元を生きる人々が存在します。

「何者かであること」と「何者でもないこと」を自由に行き来する人々です。

バランスを保ち、深い人間性を持った人々に違いありません。

そのような人々から他者が学ぶべき多くのものがあるのも自然なことです。

バランスの取れた豊かな人生を生きることは、誰にでも与えられた権利であると主張します。










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