ラブレター【2重人格ごっこ】(毎日ショートショートnote)
またラブレターもらった。
愛はテーブルの上にポンと放った。
何度目?と理は面白そうにラブレターを取り上げる。
他人のもの、勝手に触らないで。
そう言われて理は少しムッとする。
愛こそわたしのボールとラケット勝手に持ち出さないでよ。
いいじゃない、少しくらい。
理は愛をチラッと見る。
ラブレターをテーブルの置いて広げて読んでいる。
切れ長の瞳に赤い唇。
女王様のようだ。
愛はテーブルに頬杖つきながら
理を眺めた。
筋肉質の良く焼けた肌。
インターハイにまで出場したソフトテニスの才能。
強く俊敏な足。
羨ましい。
ところでこのラブレター、本来誰が受け取るべきかな。
それは愛でしょう。
うーん。
愛はあの人のこと嫌い?
嫌いじゃないけど好きでもない。
彼は愛の女の子らしいところが好きになったのね。
理だって同じじゃない。
わたしは運動馬鹿なだけよ。
才色兼備。
文武両道。
わたし達はそう呼ばれている。
友達がこちらに手を振って笑った。
おはよう、愛理!!