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結婚式ムービーを After Effects で作る
はじめに
2023年11月に結婚式をしました!
その時に上映した自作プロフィールムービーがとても好評だったので、作るにあたって苦労・工夫したことをこの note にまとめます
本当はムービー自体を参照できると良いのですが、流石に公開するものでもないので…
代わりに動画作成ソフト (Adobe After Effects) を一から勉強しながらムービー作成するために何を参考にしたか、などを備忘録として書き起こしておくことにしました
そもそもプロフィールムービーって?
プロフィールムービーは、結婚式の披露宴の中で新郎新婦の生い立ちや出会いを紹介する動画です
典型的には新郎新婦のお色直しのための中座の間に上映され、長さは5-6分程度のものが多いです
構成としては
新郎の生い立ち
新婦の生い立ち
二人の出会い〜結婚まで
という三部構成にして、新郎新婦それぞれのゲストとの思い出を振り返ったり感謝を伝えたりしながら、双方のゲストに新郎新婦のことを知ってもらうような内容にします
![](https://assets.st-note.com/img/1709977321097-GGMLtk8TLs.jpg?width=1200)
動画作成のスケジュール
動画作成の技術もアイデアもゼロだった状態から結婚式当日まで、どのように進んでいったかを時系列で書きます
実際に参考にしたyoutube動画などは後の項にまとめます
(そちらを見たい方はこの項を飛ばして読んでください、
長くなってしまったので…)
5ヶ月前〜 (動画構成の案出し)
どんな動画にしたいかを暇な時になんとなく案出し
私が研究職ということで学会発表風とかいいんじゃない?という案とかも出ました
結局、二人がマッチングアプリで出会ったことをネタにして、アプリ内で相手のプロフィールを見る感じで双方を紹介する動画にすることにしました
4ヶ月前〜 (動画作成ソフトに入門)
Adobe Creative Cloud (CC) をひとまず契約して触ってみることにしました
Adobe CC は After Effects (AE) などのソフトウェアを一式含むクラウド型のサービスです
料金は安くないですが、自分の場合は学割を適用できたため月2000円くらいで利用できました
(解約時に気づきましたが実は学割は1年契約なので、途中解約の場合は違約金で残り期間の料金の半額が請求されます。それでも圧倒的に安い)
ちなみに最初は本当に何もわからなかったので、
AEではなく Adobe Premier Pro でムービー作成をしてみようと思っていました
触ってみながら調べるうちに、写真ベースでアニメーションをつけていく動画であれば AE の方が向いていそうと思い、そっちにシフトしました
(Premier Pro は動画素材をつなげてシネマティックな動画を作る用途に向いているようです)
AEをインストールしてから二週間くらいは、公式のチュートリアルを試して操作を覚えました
また、AEの形式で配布されているムービーテンプレートを検索して、中身をみながらどんなエフェクトが使われているのかを見たりしました
(後に書きますがそのテンプレートの中身の解説が後から見つかり、かなり助かりました)
3ヶ月前〜 (要素を作りながらエフェクトの勉強)
テキストや写真の挿入などを自分なりに模索しながら、ムービーのベースとなるマッチングアプリっぽい画面を作っていきました
また、youtube動画でエフェクトの作り方を学んで、スマホを操作している風のエフェクトを入れてみました
(余談:デザインの原理的には先にもっと大枠を作成していくべきなのだと思いますが、そもそも AE でどんな視覚表現ができるのかを理解しないと何も進められないと感じたので、勉強を兼ねて少し細かいところから作っていました。ただ、こんなやり方で完成するのか…という不安は強かったです)
この時にはまだムービー内で使う写真素材も音楽も決まっていなかったので、後で調整できるように差し替えしやすさを意識して編集しました
2.5ヶ月前〜 (全体の構成やBGMを決める)
ここまでで新郎紹介パートがなんとなくできてきた感じだったので、要素をうまく使い回して新婦紹介パートもざっと大枠を作りました
アニメーションの回数や時間などの微調整にも時間がかかると思ったので、後回しにしていたBGMの決定をこの段階でようやく行いました
音楽を決めると、今度は第三部の二人紹介パートの尺やクライマックスのタイミングが決まってくるので、それに合わせて動画全体の大枠を作りました
(ここで一気に映像作品として出来上がりが見えてきた感があり、だいぶ安心しました)
途中で、写真に写っている人をPhotoshopで消すというのも初めてやってみました
Adobe CC だとそうした他のソフトも一括でできるのは便利ですね
2ヶ月前〜 (仕上げ・Blu-rayに焼く)
完成に向けて細かいところを作り込みながら、ふとDVDへの焼き方を知らないことに気がつきます(今更)
てっきりDVDをPCに入れたら焼けるのかと思っていましたが、Adobe CCではそのハードルがやや高そうなことがわかりました(後述)
結局、画質の良さなども考慮して写真屋さんに頼んでBlu-rayにしてもらうことにしました
最後は音楽とアニメーションのタイミングや文字の大きさなどの微調整で仕上げですが、この辺はこだわりすぎると終わらなくなるので程々に…笑
1ヶ月前 (完成・納品)
挙式の1ヶ月前を目安に式場に納品することになっていました
無事完成させられてよかったです
![](https://assets.st-note.com/img/1709977780012-DbiA6s19Ez.png?width=1200)
参考にした動画など
Adobe AE のチュートリアルで操作方法を学んだあとは youtube でひたすら使えそうな機能を勉強して、そのままムービーに入れ込んだりしていました
ここでは見た動画の中で特に参考になったものを紹介します
構成の考え方や実装、エフェクトの作り方について
AEの最初の使い方から簡単なエフェクトの作り方まで、そのまま応用できる基礎を学べます。とてもおすすめ
有償テンプレートの作者が、その作り方を解説しています
(上記スケジュールの中で出てきたAEのテンプレートはこれ)
AEでのかっこいいエフェクトや高機能な使い方など、発展的な内容を紹介しています
実際に見た動画
おすすめ
エフェクトの基本を学ぶのに超おすすめ。自分のムービーではここで紹介されているエフェクトをそのまま使いました
関連してデザインを考える時にこれも良いです:
モーショングラフィックス『要素の分解』を覚えて再現方法を探ろう!
インスタグラム風結婚式プロフィールムービーの作り方&自作方法
アプリをモチーフにしたムービーの構成を考えるのに役立ちました
基本的なスライドショーを作ったあと、プロっぽい仕様に変えていくのにアイデアを色々拝借しました
背景として写真を薄く表示するとか、スライド (写真+コメント) を見せながら少しずつ動かすとか
関連してこれも:
空間に写真をたくさん配置する立体3Dスライドショーの作り方
便利な機能
全自動テキストボックスの作り方【After Effects チュートリアル】
アプリ風画面を作るためにテキストボックスをたくさん作る必要があったので、かなり重宝しました
【スマホAiデータ配布】iPhone操作画面アニメーション動画の作り方!アプリ・サービス説明にも!
スマホっぽい画面をムービー内で作るのにこの素材・やり方をそのまま使いました
トランジション
フィルムの光で動画の切り替え演出の作り方【AfterEffects チュートリアル】
超おしゃれ、かつ自分のムービーではBGMの原曲MVのオマージュにもなったので妻がとても喜んでくれました
ページをめくるトランジション / After Effects CC2019 使い方講座 [ライブ動画]
簡単にこんなことできるんだーと感心しました
この機能のおかげで動画の後半が短時間かつ高品質に作れました
テキストアニメーション
テキストのアニメーションも結構いろんな工夫をしたんですが、何を真似て作ったのかソースを忘れてしまいました…
DVD に焼く場合
いざDVDに焼こうとした時にこれも一から調べることになって骨が折れたのでメモとしてまとめます
おすすめ: カメラ屋さんに依頼する。だいたい2-3千円程度
例えば: https://www.kitamura-print.com/data_conversion/movie_dvd/
DVDなら低画質、Blu-rayなら高画質
Blu-rayの場合、再生機器でのテストは念を入れた方が良いかも
動画ファイルのオーサリングが必要なので自分で焼く場合には注意が必要
AEでは基本的にDVDオーサリングができないようです(以前はできた): https://motionfile.jp/edit/pr/624/
オーサリングのソフトは高いです。Blu-rayだと特に…
おわりに
Adobe After Effects を使って結婚式披露宴のプロフィールムービーを作る過程と、参考にした動画を紹介しました!
これはモノづくりあるあるだと思いますが、初めて作る類のものは細かいことを勉強するのに必死でなかなか全体像が見えず、終わりまでの道のりが全くわからないので不安になることが多いと思います
今回のムービー作成の中でも、締め切りがある中でその焦りや不安とうまくやっていくのが一番大変でした…
「まぁ最悪間に合わなければ外注するだけだし良いか!」と言い聞かせながら、何よりも楽しんで作ることが一番大事だなと思いました!
動画作成をしたい方の参考になれば嬉しいです!