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エッセイ:63日目 - 父の宿命、そして動物園の猛獣
1月26日。
うぅ…頭が痛い。
体は鉛のように重く、視界もぼやける。
それもそのはず、昨日は久々の飲み会で、ついつい飲みすぎてしまい、朝帰り。
家に着いたのは、午前4時を回っていた。
それから、わずか2時間ほどの睡眠で、
今日は、子どもたちと動物園に行く約束をしていたのだ。
「パパ、早く! 動物園、行こうよ!」
朝から、子どもたちは元気いっぱい。
そんな子どもたちの姿を見て、
「よし、頑張ろう!」
と、気合を入れ直した。
しかし、動物園に着く頃には、
僕の体力は、すでに限界に達していた。
子どもたちは、
檻の中にいる動物たちを見て、
目を輝かせている。
ライオン、ゾウ、キリン…。
様々な動物たちに、
子どもたちは、興味津々だ。
「パパ、あれ見て!」
「パパ、こっち来て!」
と、僕を引っ張り回す。
僕は、フラフラになりながら、
子どもたちの後をついていく。
「パパ、疲れてる?」
娘が、心配そうに聞いてきた。
「ううん、大丈夫だよ。」
そう答えるのが精一杯だった。
本当は、もう限界だった。
家に帰って、
ベッドに倒れ込みたい。
でも、そうもいかない。
子どもたちは、
まだまだ元気いっぱい。
動物園を満喫している。
僕は、そんな子どもたちの姿を見て、
「これが、父の宿命か…」
と、呟いた。
父親は、
どんなに疲れていても、
子どもたちのために、
頑張らなければならない。
それが、父の宿命なのだ。
僕は、深呼吸をして、
再び、子どもたちとの時間を楽しむことに集中した。
ライオンの雄叫び。
ゾウの大きな鼻。
キリンの長い首。
子どもたちと一緒に、
動物たちの姿を目に焼き付けた。
そして、
子どもたちの笑顔を、
胸に刻んだ。
楽しい時間は、
あっという間に過ぎた。
家に帰る頃には、
僕は、ヘトヘトになっていた。
でも、心は、
満たされていた。
子どもたちと過ごした時間は、
僕にとって、最高の癒しだった。
そして、
父の宿命を、
改めて実感した一日だった。
明日は、ゆっくり休もう。
そう心に決めた。
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