【看護師のボヤキ】溶連菌感染症

小児科の開業医に勤務し始めて3年目
インフルエンザ大流行の陰に隠れて溶連菌感染症が増えています
正式にはA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と言いますが、長い!ので通常は溶連菌感染症と呼称しています

そんな訳で症状と治療法、対処法についてまとめてみました

【潜伏期間】2日から5日
【感染経路】飛沫感染(咳やくしゃみによる)、接触感染
【好発年齢】0歳から5歳だが大人も感染します
【症状】
①のど、扁桃腺の炎症と発赤
溶連菌感染症はのどや扁桃腺がかなり腫れます
白くぷつぷつした膿が出ることもあります
また口の奥に出血斑と呼ばれる赤いぼつぼつができます
②発熱
38度から39度の高熱が出ますが、3歳未満ではあまり熱が上がらないようです
③いちご舌
舌の表面にいちごのようなぶつぶつができます
④強い痒みを伴う発赤
赤い点状の発赤が手足や体にできます
これは1週間程度で皮がむけ始めて、3週間ほどで新しい皮膚ができます
掻きむしることで広がってしまう「とびひ」の原因でもあります

他には頭痛、首筋にあるリンパ節が腫れる症状もあります
溶連菌感染症では鼻水や咳は出ません
腹痛や吐き気で受診したら溶連菌だったというケースもあります

【治療法】
溶連菌は細菌なので治療としては抗生物質の内服を処方されます
5日から10日分処方されると思います
ここで気をつけてほしいのが「抗生物質は全部飲み切る」ことです

薬が効いてきて熱が下がったからといって勝手に止めてはいけません
なぜなら溶連菌はリウマチ熱や腎炎を引き起こすので、確実に叩いておく必要があるのです
溶連菌感染症の患者さんには後日、尿検査をお願いしています
私の勤務先では診断から3週間後ですが、1ヶ月を目安に検査をするよう推奨されてます
その間にむくみが酷い、おしっこが黒っぽいといった症状が出てきたらすぐに受診してください

【その他】
①溶連菌感染症は診断日とその翌日は出席停止と学校保健法で定められています
出席の場合は診断書提出を必要とされる場合があるので、その際は受診して医師に書いてもらってください
②家庭内感染しやすく、また繰り返しやすいので治ったといっても注意は必要です
③のどの炎症が酷いので、食事や水分が摂りにくくなります
喉越しの良いもの、柔らかくて消化しやすいものを食べさせてください


2024/3/5アメブロ記事より転載

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