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”何者でもない”30歳OLのInstagramアカウントが、漫画になるまで。

こんにちは!「おひとりさま。」(https://www.instagram.com/ohitorigram/)
という、ひとり時間を楽しむメディアを運営している、まろです。

私は今30歳。某メディアで会社員として働きながら、個人でこのアカウントを運営しています。(フリーランスと思われがちですが、ばりばり会社員です笑)

実はこの度、このアカウントが原案の漫画『おひとりさまホテル』コミックス第一巻が、1月7日(土)から販売されました!!

しかも、あの「いつかティファニーで朝食を」「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」「SKECHEY」を手掛けた漫画家のマキヒロチ先生に描いていただいてるんです!!!

いや、信じられます?本当に。信じられないですよね。なんかもう、私はずっと夢を見ているような感じなのです…。

夢にまで見た、いや夢でも見れなかったことが現実に起きたいま、思い返すとそこそこ色んなことがあったかも?と思い、良い機会なのでこれまでを振り返ろうと思って、こうして筆をとっております。

こんな風な出だしだと、苦労話を偉そうに語っちゃう感じ?笑 と思われそうですが、

今から書くのは、武勇伝ではありません。


何者でもないOLが、ほんのちょっと行動してみたら、こんなことが起こりましたという、ただそれだけのことです。

また、意外と私がどんな思いで、おひとりさま。のアカウントを立ち上げ、運用・活動しているのかもあまりお話していなかったので、そんなお話もできればと思っています!

第一章  このままだと、腐る。


2016年。入りたかった会社から内定をもらい、社会人としての滑り出しは順調!だったはずが…配属先は、名前も聞いたことがなかった部署。

当時、同期全員が一同に集められて、人事から名前を呼ばれて、それぞれ配属先を告げられて、「はい!」って立ち上がるみたいな流れだったのですが。

愕然として、立つことすらできませんでした。


え、それどこの部署…?え?って。もうパニック。プライドがすごく高かったので平然を装ってましたが笑、本当にショックだった。

まさか、希望の部署に行けないなんて!みたいな。予想外でした。(なぜそんな自信満々w)

でも、その翌日くらいには、こうなったらもう、見返してやろう!!と思ったんです。

新卒という名前に甘えないぞ!という気持ちでバリバリ働きました。自分でいうのもなんですが、仕事はそこそこできていた方だと思います。

でも・・・めちゃくちゃ暇だった。

頭動かしてやる仕事というより、淡々と作業をこなしていく感じだったので、すごく退屈で。ふと、時間がありすぎて笑、優雅にひとりランチをかましているときに思ったんです。

やばい。このままだと、腐るぞ。


脳みその動きが鈍くなっているのを感じていたしw、これはまずいぞと。すごく危機感を覚えました。

でも、自分に何ができるんだろう?

よく考えると、自分の好きなものや、ことを人に伝えるのは好きだな。そうだ、大好きなInstagramで、なにか為になることを発信しよう。テーマ、何にしようかな…

そうだ、おひとりさまだ。


割とこう、かっこつけていうと、降ってきた感じで笑、ビビっときました。

当時、ポジティブな”おひとりさま特集”が女性誌・旅行雑誌などでも増えていて、私もひとりでどこか行くのが好きで。

でも、おひとりさまに特化したメディアってなくて、ひとりでどっか行きたいな~と思ったとき、探すの難しいなあと思ってたんです。だから、ひとりだからこそ行きたいスポットを発信する拠点にしようと思いました。


中高の親友に手がけてもらったロゴ。
ひとり時間を楽しみたい人を、後押しするロゴにしたい
とリクエストしたところ、とても素敵なデザインに


それに、

この、ひとり時間ならではの魅力を、多くの人に知ってもらいたいなと。


誰かと過ごす時間ももちろん楽しいし、大切だけど、ひとりだからこそ自分の欲望に素直になれたり、そうして自分にじっくり向き合えたり、空間や食事を堪能できたり、新しい人や場所に出会えたり…。

そんなことを考えていたら、みるみるやる気が出てきて、気が付いたらアカウントを開設していました。

第二章 満を持してアカウント開設→即撃沈


時代のニーズにも合っているし、これは来たぞ! と、実は自信満々だったんです。1か月でフォロワー1000人くらい余裕っしょ。と当時本気で思っていました。笑(いつも謎の自信)

それが、1か月、2か月、半年経っても…全然増えない!!

半年でフォロワー数は100人いくか、いかないかみたいな。


想像とかけ離れていたうえに、友人からもネタにされたりして。なんか変なことしてるよね、ウケる!みたいな。

やわでプライドも高いから、結構これがきたんですよね。笑  あー私何やってんだろうと。むなしくなっちゃって。

もう、やめよっかな~て、本当にやめる手前まできていて。応援してくれてる友人にもそんなことをLINEしてた気がします。

でも、なぜかやめられなかった。


ひとり時間に特化したコンセプトは素晴らしいと自負してて、だから、やめるには、何かもったいなあという気がしたんです。

ただ、確実に”何か”は間違っている。それを見つけようと思いました。

第三章 ”たった一つのアドバイス”で起死回生


周りにSNSを真剣にやっている人がいなかったので、ググってみたら、「個人コンサル」のサービスを見つけて。(今はもうそのサービスなくなってしまったようですが)

そこに、個人・企業のInstagramのアドバイスをしている、いわゆるインフルエンサーの方がいたので、私もお金を払ってアドバイスを受けたんです。

その方から、このようなコメントをいただきました。

「コンセプトはすごくいいと思います。しかし、魅せ方が間違っています

Instagramは視覚情報がほとんどなので、まずはパッといいなと思ってもらえる写真を意識して撮りましょう。

ただ、素敵な写真を撮っている方はたくさんいるので、コンセプトが一目でわかるように文字を入れた方がいいと思います」

…!!魅せ方なんて、全然意識してなかった!!

あろうことか、Instagramで投稿していたにもかかわらず、私はコンセプトにうぬぼれて、まったく写真に意識がいっていなかったのです。笑

そんな当時の投稿がこちら↓

2017年~2018年上旬にかけての投稿

ひとり時間におすすめなお店やスポットをあげていたつもりだったのですが、恐ろしいくらいの自己満日記にしか見えない!!笑

まず、写真が確かにひどすぎると思ったので、その場所に行く前に、他の人がどんなふうに写真を撮っているか?理想とする写真の構図などを真似することから始めました。

それと、これを見ただけでは「おひとりさま」に特化したメディアだってことは分からないなと。

とはいえ、文字を入れろといわれると、なぜかダサい入れ方しか思いつかなくて、めちゃくちゃ抵抗があったのですが笑、大好きなHanakoやOZ magazineの雑誌のように、おしゃれに文字を入れる方法があるのでは?と思い、研究しました。

そうして、魅せ方をガラリと変えた結果…


"バズった"浅草のひとりホテルステイの投稿


”文字入れ”を試して、5つ目の投稿で"バズった"んです。

これで、たしか300人近く一気に増えて、初めて手ごたえを感じました。(忘れもしない、2018年W杯日本戦直後ですw)

そこからは、割と順調でした。じわりじわりとフォロワーさんが伸びていき、気が付けば1000人、そして1万人と、ようやく当初の目標を達成するくらいの、フォロワー数にはなりました。

第四章 ホテル暮らしOL、はじめました。

そんな風におひとりさま。を運営するうちに、みるみると"ひとりホテルステイ"にハマりました。

ひとりホテルステイにハマるきっかけにもなった「HAMACHO HOTEL」

私は誰かと泊まるときは、その人との時間を大事にしたいと思うので、ホテルをじっくり見る暇がないくらい、おしゃべりに夢中になってしまうのですが、

ひとりだと、ディテールを含め空間をめいっぱい堪能できるのがいいなあと思ったんです。

夕陽が差し込んでくるこの時間、めちゃ綺麗だなとか、あの照明かわいいなとか。

ふとした時に飛び込んでくる光景に、いちいちグッときて、ホテルって最高〜!って噛み締めるのが好きで。


漫画にも出てくる「K5ホテル」のお米モチーフの照明。
これを眺めているだけで時間が溶けます

しかも、ホテルが街のメディアになっているパターンも多くて、街歩きもひとりだといろんな発見があったり、地元の人ともふらっと交流できたりして。

そして、どんどんのめり込んでいくうちに、

「帰りたくないな…」って思うようになったんです。


でもほら、このセリフって、普通は比喩じゃないですか。笑 それくらい、好きになっちゃってみたいな。

そうじゃなくて、私はまさかの本気でした。

旅行の帰り道、「ああ現実に戻るのかあ…」の、あの感覚って必要ないな!人生の大半を占める、その"現実"を充実させるべきだ!と。

「だったら、毎日旅をしよう!」と始めたのが、ホテル暮らしでした。

連泊時のハンガーラック。こんなところが
洒落てるのも、ホテルのインテリアならでは。

そのおかげで、現実と夢の境目が、良い意味で薄れていって、日常に幸せを感じられるようになりました。

リモート仕事でいらいらしても、ふと顔を上げればお部屋の素敵な空間が広がっている!

仕事終わりにすぐ街に出て、美味しいご飯が食べられる。お腹いっぱいで満たされたまま、余韻に浸りながら、また素敵なお部屋で寛げる。

一石何朝?!最高やん!!

となり、ホテル愛は、さらに強まりました。

こうして、平日もホテルステイをすることで、ホテルで過ごす時間が増え、ひとりホテルステイのコンテンツが、ある種"軸"になっていったのです。

第五章 "おひとりステイプラン"誕生


そうなったときに、お宿中心に、いわゆるPR案件のお話が時々ですが、くるようになりました。わあ、インフルエンサーっぽいなあと、ちょっぴり浮かれましたが

ほとんど受けませんでした。


というのも、私は嘘をつくのがとても苦手なので、行ってみて良くなかったら、良かった!!とは書けない、絶対にバレる自信があったからですw

(どれくらい、嘘をつけないかというと、私立の小学校の面接で、「お父様は休日に、何をされていますか?」の質問に「競馬をやっています」と、一番避けた方がいい回答をまっすぐにしまうくらいには正直者です…笑)

そのリスクを背負うのもあれだし、お金を払って、その分満足できたのかという”コスパ”を知るのも大事だなと思っていて、現在に至るまで、PR案件はあまり受けていません。

でも、企業からインフルエンサーにくる案件って、PR案件が主流で。もっと他に、違う形で企業とタッグを組んで何かできないだろうか…と思いついたのが

「おひとりステイプラン」でした。


京都でのおひとりプラン


私自身はひとりホテルステイを楽しむのが”普通”となっていたのですが、まだやったことがない人には、結構ハードルが高いことに気づいて。

ひとりで食事をとれる場所を探すのが難しい(人目や量的にいけるかがきになる等)と感じていたり、夜など時間を持て余して、寂しくなってしまうのではと心配していたり。

「そもそも、ひとりで泊まるのって、お宿的にOKなの?」という不安もあって!実際旅館などひとりNGのところも結構ありますからね…。

だからこそ、ひとりで泊まってみたいと思う人が、安心して泊まれる”おひとりさま向けのプラン”を作りたいと思ったんです。

自ら営業をかけ、賛同して下さるホテルさんと実現することができました。

ひとりで泊まりたいけど、夜ご飯食べる場所を探すのが困る(けど美味しいものを食べたい)という課題を、インルームのディナーや、ホテルでのコース料理をつけて解決したり、

京都のおひとりステイプランのインルームディナー

ひとりで時間を持て余しそう…という課題を、ホテル周辺をひとりで散策できるおひとりマップや、夜お部屋で楽しめるスイーツや晩酌セットをつけて、解決したり。

おひとり軽井沢プランにつけた、周辺を散策する「おひとりマップ」

ありがたいことに、これがかなり好評で、平日(ひとりだと予定合わせず、有給でサクッといける)や閑散期(人がいないから、ひとりでのんびりできる)の集客につながるメリットもあって、今までで計6つのホテル様と実施させていただきました。

私がきっかけになったとは思っていないですが…、その後コラボしていなくても、色んなホテルやお宿で”おひとりさま向けプラン”が販売されているのを見て、とてもうれしくて!!

ひとり時間の提案は、受け入れてくれる事業主がいてこそ!と思っているので、最終的には私がプランをやる必要がないくらい、当たり前になるといいな~と思っています。(とはいえ、まだまだ色々プランやりたいので、ぜひお声がけください!笑)

<NEWS> なんと、現在、漫画「おひとりさまホテル」に出てくる白井屋ホテルさんと、漫画の世界観が体感できるコラボプランを販売しているので、ぜひご覧くださいね~!!
https://reserve.489ban.net/client/shiroiya/0/detail/675225

左画像  Ⓒまろ マキヒロチ/新潮社

第六章 おひとりさま。が漫画化!?

こんな感じで、アカウントを楽しく運用していたのですが、物語を通して、ひとり時間の楽しさをもっと多くの人に伝えたい!という新たな夢が生まれまして。

やっぱり、私がひとり時間を満喫している様子を発信するだけだと、あくまでも”私”だから、多くの人が共感するのは難しいだろうなと、少し限界を感じていたのです。

とくに、私は非常にこだわりが強いので、趣味嗜好が凝り固まっていて…笑

物語があって、色んなキャラクターがいて、各人にそれぞれが共感できた方が、絶対いいなって。

でも、何ができるんだろう?自分で脚本作るか?いや無理だな~と思って、いい方法が見つからないまま、時間だけが過ぎていきました。

そんなある日、職場で漫画の話になって。そこで私が、とことん有名漫画を読んでいないことが話題になり笑、マンガ好きの同僚が、「まろさんに絶対合う漫画を、持ってきます!」と言い始めたのです。

それが、「いつかティファニーで朝食を」でした。

「もう絶対、この先生とまろさんは価値観似てるから、ぜひ!!!」ってかなりの圧でw 本当か?と内心疑いながら読み進めたのですが、

これがとっても面白くて、楽しくて。

外で、朝ごはんを優雅に堪能する時間がひとつ軸となっていて、仲良しの女性4人組のストーリーが展開していくのですが、こんな風に新しいライフスタイルを、漫画で表現することができるのか!と衝撃を覚えました。

と同時に、「おひとりさまで過ごす時間も、いつか漫画など作品を通して、知ってもらえたらいいなあ…」とさらに強く思うようになりました。

でも、さっき言ったように、始め方がさっぱり分からない。笑

またもや、ただ時間が過ぎていきそうな気配がした、まさにその時。

信じられないことに、「いつかティファニーで朝食を」を描いた、漫画家のマキヒロチ先生からTwitterでDMが届きました。


こんなことって、あります?

DMが来ただけでびっくり&うれしかったのに、

おひとりさま×ホテルの漫画でコラボだと!?

え、嘘でしょ…とあまりの衝撃に、スマホを落としそうになったのを、今でも覚えています。笑


こんなに「えええ」「あああ」「!!!」と打ったことは、後にも先にもないでしょう。

しかも、「とても大事にされているコンテンツだと思うので、ご無理のない範囲で」と気を遣ってくださって泣

もちろん、即レスで、ぜひ!!とお答えし、その後編集者の方を含めて、打ち合わせさせていただき、

漫画「おひとりさまホテル」の原案として、参加させていただくことになりました。


打ち合わせで色々お伺いしたところ、先生もホテルが大好きで、おひとりで泊まることも好きで、その中で、おひとりさま。のInstagramアカウントを偶然発見いただいたそうです。

よく「誰かがちゃんと見てくれている」といいますが、こんなことって本当にあるんですね。ていうかもうこの流れって、運命ってやつですよね。

ひとりホテルステイの世界観を、大好きな漫画家の先生に描いていただけるなんて、、

夢にも見ていなかったので、現実となったいまも、信じられない気持ちでいっぱいです。

さいごに


いかがでしたでしょうか?

今思い返すと、新卒であの部署に配属されていなければ、このアカウントを開設する暇もなかったと思うと、全てはそこから始まっていたのかな、と思います。

でも別に、アカウントを開設するのは、何のリスクもないし、本当に誰でも出来ることで、昔も今も、特別なことは何ひとつしていません。

ひとつあるとすれば、

やりたい!で終わらせずに、やってみよう。


と、ちょっと動いてやってみただけです。

めちゃくちゃカッコつけた言い方になってる気がしますが、本当に何かすごい苦労をして、ここまで辿り着いたという実感はなく、とにかく、シンプルにやりたいと思ったものに出会えて、行動に移しただけだなと思っています。

でもきっと、行動に移す人って少なくて、だからこそチャンスが回ってきやすい気がしています!

だから皆さんもぜひ、やってみたいけどな〜と思うことがあったら、今すぐやってみてください!

少しでも、このnoteが、そんな方たちの後押しになることができたら、嬉しいです。

そして…ひとりでも多くの人に、ひとり時間の楽しさがもっと伝わるといいな~と心から思っています。いずれは、国内だけでなく、海外の方にも知ってほしいです。

まずは皆さん、その世界観がたっぷり描かれている、漫画「おひとりさまホテル」を、ぜひ読んでください!

最後になりましたが、ここまで続けられたのも、応援してくださる皆様のおかげです。

フォロワーさんが全然いなかった時代から支えてくださってる方がたくさんいて、その方々のおかげでいまがあります。

こればかりは、ひとりでは絶対にできませんでした!!!

ひとつひとつの温かいメッセージに励まされることばかりで、いつも本当にありがとうございます。漫画の素敵な感想も、とてもうれしいです。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします!


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