見出し画像

マグカップに浮かぶ白い満月

唐突にホットミルクが飲みたくなった。

心身ともに疲れているのに、こころがざわついて眠れなくて、布団の中で寝返りを打ったとき、ホットミルクを飲んだ直後に広がるあたたかさと安堵感が不意によみがえった。

どれだけこころがざわざわしていても、ホットミルクを飲むと、誰かが優しく抱きしめてくれたかのような安心感に包まれて、不思議と眠れるようになったな、なんて思い出したりして。

両手で包み込むマグカップの中、小さく波打つミルクは、まるで夜空に浮かぶ白い満月のよう。
眠れない夜に淡い光を灯してくれる、優しい救世主。

———でも、あいにく冷蔵庫に牛乳はストックしていない。
ざわざわした気持ちを抱えたまま、どうにか眠りにつくしかないのだ。

ああ、ホットミルクが飲みたい。
優しさとまろやかさと安心感に包まれて眠りたい。

いいなと思ったら応援しよう!