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高島屋・初代 飯田新七 積善の家に余慶あり
老舗百貨店として有名な高島屋チェーン。
最初は江戸時代の小さく貧しい古着屋でした。
初代・飯田新七は越前の敦賀出身。京都の呉服商に奉公した後、米穀商の高島屋飯田家に婿養子に入り、分家し古着・木綿商を開業します。
その経営理念に「自他の利益をはかるべし」などを掲げ、客も店側も得をする商売を目指し必死に働きました。
新七が2代目にまかせて隠居する際、その隠居所は「積善の家に余慶あり」という故事から「余慶堂」と名付けられたといいます。
その故事の意味は「善行を積み重ねている家には、必ず幸せがやってくる」ということ。客の喜びを我が喜びとした新七らしい名前でした。
その高島屋2代目は、こう言っていたそうです。
「我が店で取り扱う商品は、堅牢確実なるものを売らんと決心し、染に織に十分の吟味を加え、もって客を欺かず、薄利に甘んじ、客を利し、あわせて我も利し、いわゆる自利利他は古来の家風なり」
客をだますことなく、薄利で満足し、客に得をさせ、それでいて自分も利益を得るということ。つまり「自利利他」が高島屋の家風なのだ、と。
商売とはいえ、自利利他が余慶を呼ぶ善行なのでしょう。
心がけたいものです。