【第5週】雲ノ上仙人の人生相談~雲の上から答えるぞい~ season２

『さまよえる現代に生きる全ての方へ』

悩まずとも、よいよい。
そなたの悩み、わしにぶつけてみるのじゃ。
何でもわしが答えるぞい。

＜人里離れた山奥の雲海の上に４００年住むと言われる、通称”雲ノ上仙人”さまが迷える現代人に導きを与えるべく再訪！あなたのどんなお悩みにも答えます！＞

【今週のお悩み】
現在、バーボンを2リットル飲んでいる者です。近年、傾向としてキチンと謝らない政治家が増えたと感じます。「誠に遺憾の意」とか「発言を撤回します」あるいは「ここに謝罪を申し上げたい」などは厳密には謝っていないと思います。表現で濁すのではなく、まずは「ごめんなさい」という率直な表明が必要なのではないかと。社会全体として他人の間違い過ちを許さない傾向にあり、言質を取られたくない心理が働くのだとは理解しますし、政治職の場合は殊更、訴訟も多く防御線を張るのが必要なのも解りますが、まず過ちを認めて謝る事をしない事には事後に改善点を整理して自身のリテラシーを示す事も叶わないのではないでしょうか。ところで私は今、飲んでいるお店で灰皿と間違えて醤油を入れる小皿にタバコを押し付けて消してしまったのですが、これはキチンと謝った方がいいですよね？それとも飲んで忘れて記憶上なかった事にしてしまって良いでしょうか？（京都・90代）

【仙人の回答】
お主、相当飲んで酔っておるのう。酔ってるのに妙に整った文章を書いたり、難しい漢字を使ってくる輩は大概、周囲に気味悪がられてる奴が多いわい。しかしまあ、２リットルとは中々の酒豪じゃな。とはいえ、ワシには到底敵わぬがな、わっはっは。なにせワシは冥府にある変な色のリキュール類が湧く泉、通称カルアミル湖の水を２・５リットル、飲んだ事があるくらいじゃからな。どうじゃ。参ったか。わっはっは。それでじゃな、今回の相談内容なのじゃが、人間誰しも過ちを認めるのはなによりも難しい事と心得るべきじゃな。言葉だけの謝罪ではなく心底からの謝罪は時に己をも苛むほどに辛い事もあるものじゃ。逃げたくなる心が生じるのも一方では真理じゃろう。どちらを選んでもお酒の味は変わらんわい。ならば何をか況んや、徳利に映る己の顔を眺めてみるとよいじゃろう。自ずと何かを思う事じゃろう。………うむ？ふと思ったのじゃが、そういえば徳利は陶器製が多いのじゃからどう反射させても顔は映らんのう。言って損したわい。

＜来週も仙人があなたのお悩みに答えます！あなたの心の雲に光あれ！＞