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OHHKI "IMPRESSION"を語る2

今回は"IMPRESSION"のサウンドについて迫ろうと思う。まずは制作についてから。前々名義の時は曲の構成が出来てから録音という流れだったが、前名義からはアルバムを録音しながら同時に作り上げるという流れになっている。
今回もそれと同じく、よしアルバムを作ろう、と決心して機材をセッティングし録音しながら、構成を考える。まさにセッションのようなものだ。
今回は約3週間で27曲ほど録音した。
大方アルバムの録音が終わると次はミックス作業に入る。余計な音を削ったり、壊してもう一度違う形に仕上げたり。今回気をつけたのはなるべく曲を大事にしないことだ。大事にしすぎると無難なアレンジになって面白く無くなってしまう。思えばOhhkiの1stは大事にしすぎたと思う。大胆に壊す、破壊と再生だ。シヴァだ。
ミックス作業が一番大変、サウンドの肝となるので気を使う。
夏休みなど挟みながら約一月はかかった。
ミックスが終わればあとはマスタリングだ。つまり最後の仕上げだ。
デモ音源として提出するのに問題なく聴けるくらいに自力でマスタリングする。
これは割とルーティン的な作業もあるのでミックスほど気を使わない。ミックスが大事だ。
そうしてまずは完成。

今回"IMPRESSION(印象)"とタイトルにあるようにアルバム制作前に印象派の絵について考えていた。昔から特にモネやゴッホ(ポスト印象派と言われるが)の絵が気になっていて(絵画についてはミーハーなのだ)。それらの筆跡というのか、なんか知らんけど、ふぁーってしていたり、ぐにょうってしていたり、夢の中みたいな、今で言うグリッターかましたような絵の表現してるやないですかあ。それが好きでねえ。なんやそういうもんを音で表現できたらおもろいんちゃうかなって思ったわけですよ〜。
ついで僕も気になったらそれについて調べていくのが好きですからねえ〜印象派のアーティストの一生とかね、調べるとまたおもろいんですわ。モネの成り上がりとかすごいよね。YAZAWA⚡️って感じする。
調べたら一部を除いて大概みんな裕福な家庭生まれなんですわ。裕福な家っちゅうのは大体その家の仕事を継いでいくのが通例やけども、継がずに絵に人生捧げて、アカデミズム(写実的や伝統を重んじる)に逆らってそこから新しい絵画の表現方法を求めて貧困厭わず突き進むっちゅうね。なんかパンクやないですか。かっこいいやないの。好きですよ。

ちなみに貧しい家庭生まれで絵画を選んだ人ほど実直に進んで最終的にはアカデミズムやサロン常連の作家に落ち着いていたみいで、そういうのも大事ですけど、実家太いと心に余裕が生まれるということでしょうか、余裕があると面白いことや新しいことができる、みたいなとこあるんですね。でもモネは割と貧しい家出身だったらしいです。

という流れで、ぐにゃっとかふぁーていう筆跡をディレイとかリヴァーヴで表していたりする。ゴッホの”聖月夜”とか、もうやばいです。グニャングにゃんです。点描はビットの粗さです。サーとかローファイな音で。4trのカセット・テープMTR
のミキサーを通してDAWへいく。古いCASIOのキーボードやYAMAHAのPSSシリーズだったり、エレキギターだったり、ベースもエレキギターだったり、ドラムマシンも、なんならキーボードのリズムだったりするわけです。エフェクトも実機でかけ録りです。後戻りは許しません。カセット・テープMTRのゲインをあげて歪ませたり。あえて安いマイクを使っていたり。
ローファイについてはまた改めて書こうと思う。

印象派は戸外での制作に拘っていたが、壮大なテーマとか強いメッセージというよりも、刻々と移り変わる風景を、美しいと思うものを作家自身の目と心で感じて表現している。そういったところに同感もする。
”ただ光があって、風が吹いている”
というアルバムの謳い文句もそこからきている。今ならそこに”闇”もプラスしときたい。忘れていた。光だけではだめなのだ、闇もなければならぬのだ。

さーて次回の大木さんはOHHKI"IMPRESSION"を語る3です。







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