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ザジVol.2に寄せて

点滅社さんから刊行されている「漫画選集ザジVol.2」に私が描いた「靴下を裏がえせ!」という漫画が掲載されています。

めちゃくちゃ認知度の低い私がお誘いいただけたのはもう縁としか言えないのですが、ありがたいことです。


少しだけ漫画のことについて話そうと思う。

1年前に刊行されたザジVol.1のあとがきには「切実さ」を大事にしているということが書かれていた。「切実さ」と聞いて思い浮かぶのは初期衝動。バンドのファーストアルバムのようなイメージだ。今の私の漫画にそういったものがあるだろうか?正直自信がなかった。バンドで言ったら一度解散して再結成したような状態なのだ。

それでも断る理由なんてなく、二つ返事で引き受けた。
そもそも自分に描くものがコントロールできるわけでもないし、できるだけ今の自分に即して描くというだけだ。

そうして完成した16ページの漫画は、意外にも今の自分の中年なりの切実さが出ているのではないかと思う。

他の作品もそれぞれに面白く(良い作品が多いので自分のが並ぶと悔しくも感じる)、かなり読み応えがると思う。読んでいただけたらとても嬉しい。


ミュージシャンや漫画家が一度ヒットを出して、その後それを越えられない、というイメージは若い頃からなんとなく染み付いていて、作る側としても、みる側としても、おそろしいことだと感じていた。だけど自分が中年になってみると、若い頃好きだったミュージシャンは今でもがんばっているし、自分もなんだかんだで創作を続けている。そこにも切実さがあると思う。

ちょうどネームを描いている時、ZAZEN BOYSの12年ぶりのニューアルバム「らんど」がリリースされた。とてもカッコよくて面白いアルバムだ。このアルバムを何度もリピート再生しながらネームを一気に描き上げた。

まだまだ面白いものを作っていきたい。

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