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教育事業の2つのベクトル

◆ はじめに

ユースフルはDX教育事業を軸に展開している。このとき、教育事業において利益を創出するロジックには「オポチュニティ(機会)型」と「クオリティ(質)型」の2つがある。両者は発想が根本的に異なる。もっとも、両論併記でやれるかどうかがキモになる。そういう話をしてみたい。

◆ 利益の源泉|2つのパターン

利益の源泉①|オポチュニティ型教育

まず、オポチュニティ型教育がある。これは、生成AIをはじめとするマクロトレンドを誰より早く(もしくは適切なタイミングで)捉えてコンテンツを届ける教育スタイルだ。そこで意図される事業上の競争優位は「先行者優位」や「規模の経済」になる。

オポチュニティ型教育は、トップラインを引き上げていくことが一義的な関心になる。そのためには、機動的にコンテンツに関する意思決定を行い、素早くコンテンツを市場に届け、いち早く成長することで市場の中で支配的な地位を確保することが最優先事項となる。

一方で、うまくいかないとなれば即座に見切りをつけて迅速に撤退することも求められる。大切なことは支配的地位を確保することであって、新規事業をやることではない。ここでも、数字に基づく機動的な意思決定がオポチュニティ型教育のカギを握ることになる。

オポチュニティ型教育は、まさしく様々な「機会」に着目しているので、間口は必然的に広くなる。したがって、内部にさまざまなコンテンツを抱え込み、支払的地位を確保できたものだけを残すというスタイルを好む。

利益の源泉②|クオリティ型教育

次に、クオリティ型教育がある。どんなマクロトレンドもやがて落ち着く。そうすると、対象コンテンツのスキルは成熟し、支配的地位を有する教育プレイヤーが存在していることを前提に戦うことになる。

この成熟した領域においてはクオリティ型教育が求められる。具体的には「①領域を絞り込み②競合他社と差別化した独自のコンセプトを創り③長い時間をかけて顧客価値を錬磨する」という絶え間ないプロセスをじっくり仕込むことになる。

オポチュニティ型教育が間口を「ヨコ」に広げるのに対して、クオリティ型教育は「タテ」に深掘りをして専業化することで勝負する。専業化して深いコンテンツを保有することで、他社が容易に模倣できない価値を実現することで利益を創出する。

この場合、意思決定者のスタイルは「ハンズオン」になることが多い。自ら顧客と相対する中でインサイトを得て、自らコンテンツを創り、当該領域において「誰より詳しい」ということが意思決定をする上での前提条件になる。

◆ 「オポチュニティ」と「クオリティ」

翻って、ユースフルの教育事業について考えてみたい。ユースフルは、IT教育という成熟したマーケットに後発で参入した企業だ。当然、事業スタイルは「クオリティ型」になる。だから、YouTubeというプラットフォームに領域を絞り込み、動画×本という新たなコンセプトを提示することで小さな成功をおさめた。

そのうえで、次にやっていることは生成AIという「オポチュニティ」に着目したアクションだ。具体的には、生成AIというマクロトレンドにいち早く乗ることで、Copilot領域で支配的地位を確立することを狙っている。ここではスピードと果敢なコンテンツ投資が重要になる。

一方で、生成AIという「オポチュニティ」もやがて成熟していく。そのタイミングで求められることは、これまで当たり前だった「Word」や「PowerPoint」といった成熟した教育コンテンツに、いかに生成AIで「クオリティ」を付加価値として上乗せできるかだろう。

このとき、Copilotは従来から存在するアプリケーション全て派生するからこそ、全方位的にコンテンツを保有していることが「クオリティ型教育」を展開する上で死活的に重要になる。その意味で、現在の「コンテンツを揃える」という動きはCopilot市場が成熟してきたときに必ず活きる。

もっとも、Microsoft社は必ず新たな「オポチュニティ」を生み出すだろう。そのオポチュニティが「キラキラ」しているのであれば、果敢に攻める意思決定が必要になる。だがしかし、それもまた成熟化し、クオリティ型教育に組み込み・・・という好循環がユースフルの教育事業の「キモ」になるはずだ。

◆ おわりに

教育事業には「オポチュニティ型」と「クオリティ型」がある。どちらが優れているかという議論ではなく、それぞれ頭の使い方が全く異なるのだ。大切なことは、それぞれの教育事業の型で求められる人材の質は異なるし、攻め方も異なるということだ。

これを混同するとどのような問題が起こるかについてはまた別の機会に譲りたいと思うが、いずれにしても、ユースフルの「いま」を理解する上では、2つの利益の源泉があるのだという捉え方ができていれば方向性を見誤ることはないだろう。


最後に

僕が働いているユースフルについては以下記事をご参照ください!社会人教育に興味のある人はぜひ!

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