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組織の派閥争いをなくすために
はじめに
順調に成長する事業というのは、認知が一定水準に到達したときに自分達の想像を超える成長を遂げていく。これが僕の持論だ。そして、成長が加速したときには採用も加速していく。この段階で、組織に何らかの変化が訪れる。
このとき、僕個人として大切にしたいのは「武闘派」を中心に組織を構成することだ。ルールに基づく原則処理に長けて成功もせず失敗もしない「宦官」よりも、企業業績を高めるために若干のルール違反を気にせず果敢に攻め立てる「武闘派」が勝負できる環境を整える必要がある。
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宦官:慣れた仕組みの中で動く
サービスの仕組みがある程度できてくると、皆が仕事に慣れてくる。さらに、得てしてサービスの仕組みやツールは経営幹部や活躍している社員がつくることが多い。これに「おかしいくないですか?」と言うのは気が引ける。そんなわけで、次第に「慣れている仕組みの中で動く」が基本になる。
「慣れている仕組み」の中では〈速さ〉や〈正確さ〉しか自己表現できる項目がなくなってくる。そうすると、自ずと原則処理の遂行能力が高い人が「仕事がデキる人」として評価される。そういう人が評価する側に回ると、自分と似ている人を評価して「慣れている仕組み」がどんどん加速する。
こうして、オペレーションはできるが失敗も成功もしない「宦官」が増え始める。そして、優秀な人ほどヒマになるのでルールをどんどん細かくして内向きの論理で仕事をするようになる。この「宦官」にとって最も厄介な存在が「武闘派」だ。
武闘派:慣れた仕組みから逸脱する
武闘派は「業績が先、ルールは後」という発想で動く。したがって「慣れている仕組み」についても、業績が上がる見込みがあれば、変える。無駄だと思えば、やめる。口癖は「おかしくないですか?」だ。仮に口に出さないとしても、心の中で「はぁ?」と言っていたりするものだ。
ちなみに、武闘派と似ているようで違うのは「評論家」だ。「自分が先、周りは後」という発想で、いろいろ批評したり指示を出すわりに、手が動かない。これは単にベクトルが自分に向いているだけで、シンプルに役立たずだ。これに対して、武闘派は「チームのためにやるべきことをやる」と考えて行動する。
話を元に戻すと、宦官にとって武闘派は面倒だ。「慣れている仕組み」を変えようとするし、新しいコトをやりたがるからだ。いわゆる派閥というのは、多くの場合「宦官 VS 武闘派」という構図の中で出来上がる。なお、評論家は失敗するのが嫌いなので、宦官の味方をすることが多い。武闘派の味方をするときも、遠くのほうで見守っているにとどまる。
武闘派と宦官
では、どちらが大切かというと、実はどちらも大切だ。宦官というから聞こえは悪いが、高いレベルで原則処理ができる人を評価すべきなのは当たり前のことだ。問題は、宦官の発想だけでは業績が伸び悩むし新しいコトが全く起きなくなる、ということだ。
もっと言うと、誰しもが「宦官」であり「武闘派」としての性質をもっている。問題は、仕事をしているとどんどん「宦官」になっていくことだ。だから、常に「おかしくないですか?」という声をあげやすいようにする必要があるし、その感覚を養うために勉強しなければならない。
しかしながら「おかしくないですか?」と言うのは難しい。特に、デキる上司がいたり、まだ実績をあげていない段階でそういうことを言うのは、気が引けるものだ。でも、心の中では「マジかよ」とか「はぁ?」という武闘派としての想いを抱え込んでいる。
「やっちゃっていいっすか」の意義
ところで、この武闘派の感覚を前向きな表現にすると「やっちゃっていいっすか?」になる。「おかしくないですか?」よりも「やっちゃっていいっすっか?」のほうがはるかに言いやすい。この感覚を育むためには、普段から「やっちゃいけなさそうなコト」をやっておいてその時に備えるに限る。
そして、いざ誰かが「やっちゃっていいっすか」を発動したときに「やっちゃぇ!」と後押しして、成功したら「やりやがったな!」と全員で賞賛し、失敗したら「やっちゃったな!」と責任をとり、チーム全体でカバ-すればよい。
そうして、1人1人の「武闘派」としての精神を育んでいけば、組織の規模が大きくなっても硬直せずに済むだろう。むしろ、「宦官100%」で頑張りたい人は積極的に退出するであろうし、それは企業文化を守る上では、歓迎すべきことなのではないかと思う。
おわりに
仕組みがある程度整ってくると、放っておくと全員が「宦官化」する。ユースフルも例外ではない。しかし、組織が成長するためには「武闘派」が必要だ。武闘派を組織の多数派にするためには、1人1人の「やっちゃっていいっすか?」を大切にする必要がある。
そして、「やっちゃっていいっすか?」と思わず言いたくなる環境にするためには、誰かが「やっちゃう」必要がある。普段から、どうでもいい些細なことで「やっちゃう」を愉快にやり続けることで、仕事でも当然「やっちゃっていいですよね」という雰囲気が醸成されていくものだと思う。
成長するベンチャー企業では2~3年で試される瞬間がくる。そのときに「え、やらないんすか?」と現場からの突き上げが激しくて厄介な組織になっていたら、きっとその事業は成長し続けるだろうと僕は思う。
最後に
僕が働いているユースフルについては以下記事をご参照ください!社会人教育に興味のある人はぜひ!
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