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イイ奴しか採らない
◆ はじめに
販売促進の活動がうまくいくと新規受注が増えて売上が伸びる。そうするとサービスの需要が大きくなって現在の人数ではサービスの供給制約が起こる可能性がある。そうすると「採用」が会社全体として重要性が増していく。
もっとも、ユースフルは「即戦力採用」をしない。成長する企業は一定のスキルを持つ即戦力人材を採る傾向が強いが、やらない。以下では、Plan・Do・See社(以下「PDSと呼ぶ)のケースを参照しながら、ユースフルの採用方針について解説したい。
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◆ PDS社について
PDSは、レストラン・ホテル・ウェディングを手掛ける企業だ。有名なところでは、たとえば日本料亭の「河文」のようなレストランを手掛けたり、ホテルでは「ORIENTATAL HOTEL」が挙げられる。ホスピタリティ業界の平均を大きく上回る利益を創出する企業として有名だ。
PDSの事業立地であるホスピタリティ業界は「ピープルビジネス」の性格が強い。したがって、人材の採用と育成が事業運営上の最重要課題となる。同一業界の他企業は即戦力人材の採用にこだわるが、PDFは新卒採用を主軸にしている。
◆ PDSの採用戦略
イイ奴しか採らない
PDSが即戦力の中途採用ではなく新卒採用にこだわるのは、PDSの採用の評価軸が専門性やスキルではないからだ。PDSは、SPI等の基礎知識やスキルを評価する定型的なテストツールは使わない。それよりも、実際に対話して「イイ奴」を見出すことに採用リソースを投下する。
「イイ奴」は実際に会って話をしてみなければ分からない。「ホテルやレストランが好き」「ヒトの気持ちが分かる」「素直に聞く」といったPDSにとってのイイ奴の特徴は、誰もが想像するような「一般的な面接」をしても見えてこない。
それよりも対話、もっといえば「カウンセリング」に近い形で本人の理解に努めるプロセスの中でしか「イイ奴」は特定できない。裏を返せば、このプロセスで「面接対策」でどうにか誤魔化してくる「イヤな奴」を排除しているということもできるだろう。
採用できないなら供給を制約
このようなプロセスで採用を進めると基準に適う「イイ奴」が見つからないこともある。したがって、PDSは採用に目標人数を設定していない。イイ奴がいれば採用するし、いなければ無理に頭数を揃えることはしない。
この「イイ奴しか採らない」がオペレーションにも反映される。具体的には、10人のスタッフで100席の規模の店を運営する場合、1人が退職したら9人で店を回すことになる。この場合、PDSは「数合わせの採用」はしない。むしろ、イイ奴が見つかるまで、客席を90席に減らす。
多くの企業では、採用人数が人事部の必達目標となる。しかし、その実態は即戦力人材を採用して数を合わせて「あとは現場でうまいようにやってください」ということも多い。PDSは、このような採用スタイルに真っ向勝負を仕掛けて成功していると言える。
◆ ユースフルの採用
ユースフルの採用は、PDSと似ているところがある。研修業界にどっぷり漬かってきた即戦力人材を最優先で採用することはしない。むしろ、ユースフルの現在のカルチャーは「イイ奴の採用」にこだわったからこそ成立している。この原理原則からズレた採用はやるべきではない。
そもそも、ユースフルが所属する教育業界はピープルビジネスそのもので、PDSのように「イイ奴」にこだわって採用するのでなければ成長は頭打ちになるだろう。その意味で、採用プロセスに携わるメンバーには「イヤな奴」の防波堤になる役割を果たすことが今後求められる。
また、採用プロセスに関わるメンバーは、イイ奴を惹きつける個人としての、そして会社としての魅力づけをすることが求められていくはずだ。といっても、難しいことは何もない。普段からイイ奴であろう、イイ事をしようと、みんなにとっての当たり前スタンダードを継続すればよいだけだ。
◆ おわりに
法人研修での新規受注が進むにつれて、人事施策としての採用が最重要課題になる未来が近づいてきている。このとき、会社として「数合わせの採用」に走ると、ユースフルの競争上の優位の源泉としての「カルチャー」が壊れる可能性が高い。
そんなときに、PDSの採用スタイルはユースフルにとって参考になるところが多い。イイ奴しか、とらない。イイ奴を探せなければ、事業は成長しない。そういう制約条件を設けることが、中長期のユースフルの未来を見えにくいところで下支えすることになるはずだ。
最後に
僕が働いているユースフルについては以下記事をご参照ください!社会人教育に興味のある人はぜひ!
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