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僕たちの「安売り」にはワケがある

◆ はじめに

こんにちは、ユースフルの大垣凜太郎です。

私が所属するユースフル株式会社が運営する「ユースフル ビジネス」は、他社の研修サービスと比較すると相対的には安い価格設定をしています。競合企業は「受講者1人当たり1万円」等という価格設定をすることで大規模研修で大きな売上をあげている一方、ユースフルは「1時間当たり25万円」で一律料金です。

これは自社サービスの「安売り」に見えますが、この認識は大きな間違いです。ユースフル ビジネスでやろうとしていることは「安売り」ではありません。「常識破壊」です。価格破壊をすることで「研修業界の常識」を壊すことに価値があります。この論理を、メガネブランド「JINS」を運営しているジンズホールディングのケースを紹介しながら説明したいと思います。

◆ だからJINSはスゴい

JINSの成功

ジンズホールディングは、メガネ業界の「消費者無視の構造」に一石を投じたことで業績を伸ばし始めた会社です。具体的には、メガネが1本2万円~3万円以上するのが当たり前だったマーケットに対して「メガネを着替える」をコンセプトに1万円未満で提供したのです。

JINSのようなメガネが登場するまでは、メガネは1回買ったら4~5年かけ続けるのが常識で、流行やファッション性はあまり重要視されませんでした。しかし、JINSの登場によりTPOや気分に合わせてメガネをかけ替えるという「新たな常識」が生まれ始めたのです。

JINSの失敗

しかし、その成功体験がジンズホールディングの失敗につながっていきます。JINSの強みが「安さ」だと誤認したのかもしれません。そんなわけで、上場後に日本全国にくまなく出店した後に業績が伸び悩み始めました。安売りする以外にやることがないからです。

そのあとは「安さ」という強みを生かす施策が展開されます。もっとも、「安さ」が強味ならば一番の施策は「値下げ」になります。これを行うことで売上本数は一定担保できました。しかし、利益は減りました。これは市場から評価されにくい財務体質になったことを意味します。こうして、株価が落ち込んでいってしまったのです。

JINSの強み

しかし、これでJINSは終わりませんでした。ジンズホールディングは、JINSの強みが何かを再検討し、その結果、JINSが提供した価値が「安いメガネ」ではなく「新たな常識」だったことを改めて認識したのです。

そこからJINSは自社のブランドを「メガネをかけるすべての人に、よく見える×よく魅せるメガネを、史上最低・最適価格で、新機能・新デザインを継続的に提供するもの」というふうに定義し直しました。安売りは手段にすぎないということを明確に打ちだしたのです。

JINSの常識破壊

そこから、JINSは怒涛のように常識破壊の提案をはじめました。まず、値段は従来通り1万円以内にとどめた上で高品質なレンズを提供するという基本的な価値は変えません。その上で、業界の常識であったオプション注文(度数が強いレンズのときに価格アップetc.)を一切無料にしたのです。

さらに、JINSはもっと大胆な常識破壊を提案します。「眼のよい人にもメガネを!」です。春先に花粉を防げるメガネ。目の乾燥を防ぐドライアイ対策メガネ。パソコンのブルーライトから目を守るメガネ・・・。これらの提案は「安売り」という発想からは決して生まれることはなかったはずです。

◆ ユースフル ビジネスの想い

翻って、「ユースフル ビジネス」について考えます。ユースフル ビジネスは、安い。500人の研修を受注しても「1時間25万円」なので2時間研修だと50万円しか儲かりません。一見すると「安売り」にしか見えません。本当にコレでよいのでしょうか?

JINSのケースを知っていれば、この価格設定でやりたいことが「安売り」ではないことは理解できるはずです。やりたいことは研修業界の常識を破壊することであって、安売りではありません。価格設定は手段であって目的ではないのです。

さらに言えば、やりたいことは「常識破壊」なので、研修企業がよくやる「オプション料」はとっていません。だから、オリジナルのカリキュラム提案は無料です。社内広報だって無料オプションだし、受講後アンケートだって最近は無料オプションにしています。

全部「常識破壊」が狙いなのです。お人好しでやっているのではありません。1つ1つのプロセスにおいて、研修業界の常識を破壊するために何ができるのかを考えた結果としてそうなっているのであって、成行でそうしているのではないのです。

◆ おわりに

ユースフル ビジネスが法人研修サービスという業界で独自のポジションを形成するためには、顧客に新たな価値を提案する必要があります。このとき、後発企業は「安売り」で市場に参入することが多いが、それで成功したからといって決して自社の良さを「安さ」だと誤認してはなりません。

JINSは、価格が「常識破壊」の手段にすぎないということを教えてくれます。ユースフルも、JINSのように、研修業界でこれまで当たり前だった常識に風穴を開けられる存在でありたいと思います。


最後に

僕が働いているユースフルについては以下記事をご参照ください!社会人教育に興味のある人はぜひ!

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