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【PTA 役員日記】改革の流れを作るぞ
クラスで1人無理やり誰かをPTA役員にさせる制度を「いじめ」だと感じた。
いじめを見て見ぬふりするのは、間接的にいじめているのと同じだ!
と憤怒した私は、3度目のPTA役員に手を挙げた。
4月から9ヶ月。
広報部の副部長となった私は、「いじめをなくしたい!」という一途な思いでとにかく頑張った。
すごい時間と労力がかかったけど、頑張った。
これで来年度から改革されるかは分からない。
でも、とにかく、あちこちに顔を出し、執行部の方や教頭に訴えかけた。
「前例踏襲」で始まった春
4月にPTA役員が各クラスから1人ずつ選出され、翌週の役員全員集合会で各部の部長、副部長が決まり、前任から引継ぎを受ける。
そして5月中旬にまた会合。
ここで各部第一回目の話し合いが行われる。
各部10名強。
全員集合はこれが最初で最後になることが多い。
ここで1年の計画と方針をある程度固めなくてはならない。
役員決定から約1ヵ月しか経っていない。
新学年になって慌ただしいし、GWもはさんでいる。
1時間で色々決めなきゃいけない。
ということで、
「前年どおりでいいですよね?」
「では役割分担を決めましょう」
となる。
自己紹介とざっくりした役割分担を決めるだけで、1時間は終わる。
あとはLINEでやりとりしながら、深く考える暇もなく、前年と同じように1年が過ぎていく。
部長さんの子ども自慢願望が詰まった広報紙
今年度の部長さんはやる気だ。
ただ、それは「学校のため」というより
「我が子をたくさん広報に載せて目立たせたい!自慢したい!」
という方向でのやる気が大半。
というわけで、お子さんがいる学年の特集記事がすごいボリュームを占めた。不満に思う人もいたようだけど、それより部長という面倒な仕事を引き受けてくれたことの方が大きく、誰も文句は言わなかった。
そんな中、学校内での子ども達の取り組みを特集しよう!という部長さんの提案で、特別活動中の子どもたちの取材に行った。
写真は各自のスマホで撮影して、先生や生徒たちに手分けして話を聞く。
最終的には部長さんがまとめてくれる予定だ。
私はせっせと写真を撮り、取材内容まとめ、グループラインで共有した。
どんなふうにまとめてくれるたかな?
と原稿提出日に軽く聞いてみると「娘に書いてもらったんですぅ~」とニコニコ。
ん?娘?
と思いながら原稿を見ると、写真こそ撮影したものが使われているが、取材内容は全く反映されていない原稿だった。
小学生の娘さんが知っている範囲で書かれた子どもの文章…。
え~!?先生方に色々話聞いたのに?!
取材の準備とかまとめとか合わせたら、3時間はかけたよ?!
子どもに書かせるなら、あの時間いらなかったじゃん!!
すごく衝撃を受けたが、言えなかった。
先生方へ申し訳ないとか、仕事や育児の時間を調整して取材に来てくれた役員さんへの配慮とか、色々思うことはあったけど…。
ちなみに娘さんが書いた原稿は、先生方にチェックされ、赤字だらけで返却された。赤字には、私が取材したときに教えてくれていたことが多分に練りこまれていた。
先生、お忙しい中二度手間をおかけしてしまってすみません…。
PTAが写真を撮ることを嫌がられる時代
この取材のとき、各自スマホで活動の様子を撮影した。
それが、先生方にはすごく嫌がられた。
はっきりと言われたわけでもないけど、迷惑がられてる空気がビンビンに伝わってきた。
PTAといえば、「みんながやりたくない仕事をやってくれている」と保護者や先生方に有難がってもらえるもの、と思っていたが、このときは全然違った。
昨今の時勢を受け、先生方もスマホの利用は禁止されているそう。
そんな中、保護者がやってきて写真を撮るのだから、反感をかったようだ。
これ、誰得でやってるの?!
無理やりPTA役員にさせられてる人もいて。
「取材するから来れる人来てください!」と号令がかかったから、
よく分からないけどなんとか都合つけてやってきて。
「今はスマホの性能がいいから、スマホで撮影した写真で十分ですよ」
と最初のガイダンスで印刷業者に説明受けたから、スマホで撮影して。
そんで、先生方に煙たがられる。
マジでなんなの?
という気持ちでいっぱいになった。
「今のままじゃ、ダメだよね」仲間を発見した!
その後、各ページに掲載する写真選びをどうするか、ということで何度か集まった。
そもそも、写真選びにわざわざ集まる必要ある?
と思ったが、学校で撮影した子どもや先生が写っている写真は、学校内でしか閲覧できない、というニュールールができてしまったため、仕方ない。
だったら、こういう記事なくせばよくない!?
という気持ちでいっぱいだが、
部長さんはそもそもそういう記事を作りたいために大役を引き受けているわけだし、
今更企画や担当を変更するのは現実的じゃないし、仕方ない。
ただ、この写真選びのタイパは激悪だ。
①「広報部員に選ばせる写真」を先生が抜き出す。
②広報部員が選ぶ。
③広報部が選んだ写真の中に、「掲載NG」の子がいないか、クラスに偏りがないか、などを担任や教頭が再度チェックする。
④NG写真があったら、その差替えになる写真を再度先生がピックアップ。
1つの記事の写真を数枚選ぶのに、のべ3時間はかかっていると思う。
モヤモヤしながら、まぁこれも受け入れないと仕方ないのかな…と何度か集まる中で、資料として別の学校の広報をたくさん見せてもらえる機会があった。
その中に、PTA役員の仕事はどんなことをするのか、ということにフォーカスしたものがあった。
それを見て「こういうの、うちも作りたい!!」「今、何も知らなされない状態で役員集めしてるの、問題だよね!」と声を挙げた人がいた。
うちの小学校は、強制的に役員をやらされる割に、役員になって何をするのか、どれくらい集まるのか、いつ集まるのか、何も知らされていない。
だから、私も前々からそういうの作りたい!と思っていた。
自分がPTA活動方向ページを担当して、具体的にまとめられればいいな、とは思っていたが、部長さんが自分のお子さん学年ページを盛大にとっていたため、かなり紙面が限られそうだった。
そんなとき、聞こえてきたこの声。
「私も作りたいと思ってたんです!!」
と声をかけ、色々話した。
その方は、PTAにも思うところがたくさんあるみたいで、すごく同調できた。
しかも、人柄も良く、デザインや文章作りに長けている方。
私たちもパンフを作ろう!!という話になった。
取材を私がして、その方に取材内容を伝える。
それをもとに、パンフレットを作ってもらう。
そして、それをアプリで配信してもらう。
細々と一人でやるつもりだったけど、心強い味方ができ、雲の隙間から日差しが射しこんだようだった。
パンフ作り実現に向けての調整
「パンフ作ろうぜ!」と話した場に教頭もいたので、話をふってみると、反対する雰囲気はなさそうだ。
ただ、執行部の許可ととらなければ…とのことだった。
ここまでが1学期。パンフ作り仲間が見つかったのは、夏休み直前だった。
執行部かぁ…あんまり会う機会がないなぁ…。
と思っていたところ、2学期になって近所の友達の友達が執行部をやっている、ということを知る。
友達にPTAについてのモヤモヤを愚痴っていると、「直接話してみれば?」と連絡先を教えてくれた!
そして、間もなく近所のカフェで執行部の方との会談が実現した。
こんな機会はもうない!超貴重!
と資料を作って挑むことにした。
私のこれまでの思い。本を何冊も読み、いくつもの動画を見た。そして、日本各地で役員をやっている友達にPTAについて聞き聞いたことを盛り込んだ。
熱くなり、10枚にも及んでしまったので、超省略版も作った。
合計11枚の大作になってしまった。
もはやこれを読ませるのは何かしらハラスメントでは…というボリュームだが、読まれなくても熱意は伝わるだろう、とそのまま持って行った。
執行部の方との会談は3時間以上に及んだ。
さすが執行部を引き受けるような方だった。
お人柄が素晴らしく、執行部を批判するとも受け取れるような失礼な話もしてしまったかもしれないが、熱心に耳を傾けてくださり、執行部の事情なども教えてくれた。
パンフ作りについても聞いてみたところ、快諾してくださったので、当日中に教頭にも報告。
正式にパンフ作りが動き出した。
PTA主催活動に全部行った(取材)
パンフ作りは「PTA役員が何をしているか」を知らせるため。
私も知らないので、全部行って、各部の皆さんに話を聞くしかない。
PTAの活動は2学期に集中している。
特に10月、11月。
かなりの頻度で小学校に向かった。
行事があると、主催する部の集合時間を聞き、皆さんと一緒に準備した。
作業を手伝いながら、どんなふうに活動しているか聞く。
実際文字にすると1、2行程度のことでも、行ってみないと分からない。
そして、取材がなかったら行かなかったであろう行事でも、行ってみるとけっこう楽しいな~ということを知った。
会議室で活動報告を聞くだけの集まりなんかは、なくなればいいと思うけど、各部が主催している行事はすごく有意義で、もっとみんな参加すればいいのに!と思った。
こういう行事の内容を知らせることこそがPTAの広報なのでは?
学校行事の写真掲載なんかは、学校の仕事なのでは?
と思うけど、だからといって取材もけっこう大変だったので、次世代に向けてあまり強く主張することもできないな…と思う。
できる人が、できる範囲で、そんなきれいな紙面でなくてもいいから、こういうの伝えられたらなぁ。
取材完了!アンケートを実施
広報紙作りは2月までかかるが、それ以外のPTA活動は2学期にほとんど完了する。
12月に、役員を経験した皆さんにアンケートを実施した。
Googleフォームで作って、各部のLINEグループにURLを貼ってもらう。
その結果を、広報紙やパンフに反映させる。
批判的なものばかりだったらどうしよう、とドキドキしていたが、ふたを開けて見ると、9割の方が「やってよかった」「負担は少なかった」と答えてくれていた。
教頭も動き出してくれた!
学校へ行くたび、教頭にもPTA改革が必要では?という話をしてきた。
いまの教頭はかなり柔軟で、フットワークも軽い。
気楽な雰囲気を出しているが、その裏でものすごい配慮がある方だ。
「あの先生、実はすごく優秀なんだよ」と情報通の友人が耳打ちしてくれたことがあったが、なるほどスゴイ人だと思うことが多々あった。
PTAについて私たちが熱弁しすぎたせいで、給食を食べ逃してしまったのでは…と思うような日もあったけど、ウザがらずに耳を傾けてくれていた。
先日お会いしたときは「PTAについて、最近かなり勉強しましたよ!」と話してくれた。
さらに、私のリサーチでは知ることができない各学校の現状なども調べて教えてくれた。
早速新しい試みも考えてくださっているようで、本当に頼もしい。
いろんな考えの人がいる
パンフ作りを一緒にしてくれる人や、執行部の人、教頭先生。
色々話を聞いてもらえて、少し動きもできて、本当にありがたいし嬉しい。
でも、もちろん私の考えが正解ではないし、良かれと思ってやっていることも、誰かにとっては棘になるのかもしれない。
広報紙については、「PTA活動報告中心にやるべきでは?」と一緒にパンフ作りしてる人は言ってるし、私もそう思う。
でも、それを部長さんに伝えたら「そんなの読んで楽しいの?」と否定的だった。
昨年度は、わりと活動報告に多くを割いた紙面だったが、それを指さしながら「例えばこの記事。固くない?!字ばっかりで読む気がしない!私なら入りたくない!って思っちゃう」と一括。
個人的には本当に素晴らしい紙面だと思っていた。
かなり時間をかけて練られた文章だと分かるし、相当力がないと作れない紙面だとも思った。
しかも、それを作ったのは色々お世話になって、会えば立ち話をするママ友だったので、正直ムッとした。
一方で、確かに「読む力」がなければ理解できない、という負の面もあるんだな、ということも分かった。
それが「教養の有無」ということなのかもしれないけど、別にそれを良いと思えないことが悪でもない。
どう感じるかは、個人の自由だ。(まぁ、それをどう人に伝えるかは考えたほうがいいな…という勉強になったけど…)
仲良くなれるけど、嫌な面も見えてしまう
こういう地域の役員をやると、とにかく知り合いやお友達が増える。
そして、色々な事情を知れる。
役員にならないと、すれ違ってもご近所の人とすら認識していないような人と、仲良くなれるのは、すごいメリットだと思う。
ご近所や学校の事情を知れるのも特権で、ある意味見えてくるものが広がる。
一方で、ランチに行くだけの関係なら、知らなくて良かっただろう、嫌な一面も見えてしまう。
仕事に対する姿勢だとか、反応の仕方。
何が正解というわけではなく、好みの問題だと思うけど。
「は?正気?」
と思う場面がけっこうたくさんあった。
前は気楽で適度な距離感の友達だったけど、ちょっと嫌いになっちゃったな…というパターンもいくつかあった。
相手の気持ち考えられないの?とか
あんまり賢くないのかな?とか。
こちらからランチに誘う気がなくなる程度には好きじゃなくなった。
たぶん、相手も同じだろう。
あともうひと踏ん張り
とりあえず、この流れを遮られないために、パンフ作り計画やアンケート結果の中間報告を、主要なPTA役員や学校管理職がいる前でやらせてもらった。
まだやることは残っているが、今年度やりたかったこと、やるべきことのアウトラインはできた。
あともうひと踏ん張りだ。