ドゲンジャーズ誕生秘話④
撮影を間近に控えたある日、私に1本の電話がかかってきました。
笹井「大賀社長すみません。ドゲンジャーズの放送はKBCさんでいきます。他の局はいい枠が出なくて、ギリギリのタイミングですが。」
私「えっ、そうなん?どうしたと?」
※この時はほぼ他の局に決まりかけていました
笹井「やはり、ギリギリで編成からNGで早朝5時半の枠しか出ませんでした。この時間にやっても誰も見ないので。」
私「そりゃ、そーだよね。で、いつの放送枠になりそうなん?」
笹井「日曜日、朝10時です!」
私「…マジで言ってる?KBCさんってことは…スーパー戦隊の後!?ライダー、戦隊、ドゲンジャーズの順番で放送って事!?」
笹井「そうです!いろいろヤバイです!」
私「しかし、良くこんな枠出たね。というか、予算は…」
笹井「そうなんです。流石に10分という訳にもいかず、25分になってしまい…」
私「で、どれくらいかかると?」
笹井「当初予算の1.5倍はかかるかと。」
※実際はもっとかかりました
私「マジか…また取締役会にかけないと。他の制作実行委員会のメンバーは大丈夫?」
笹井「これからお願いしていきます。絶対に何とかします!当てます!命賭けます!」
私「わかった。そこまで腹括ってるなら。ここまできて後には引けんし、なんとかするわ!」
という事で追加出資を決めます。
そしてまた某銀行の方が来られ、
銀行員「流石に当初予定から大幅に投資額が増えていますし、これ以上は申し上げにくいんですが…」
私「そうですよね。申し訳ありません。必ず何とかしますので。」
すでにこの時点で億は軽く超えており、社内でもこのプロジェクトを良く思っていない反対派が動いており、私はなるべく丁寧に説明をしながら進めていました。
ただ、まだ出来てもいない作品を納得してもらうのは難しく辛い状況でした。
私も笹井さんも明るく振る舞ってましたが、正直お互い相当追い込まれてたと思います。
ただ、絶対良い作品を出して見返してやるという気持ちは強く、諦めるつもりはありませんでした。
撮影も準備が進んでるしやるしかない!やるなら暗くなってもしょうがない!楽しくやろう!
そしてそんな矢先、深夜にまた1本の電話が鳴るのでした…。
ドゲンジャーズ誕生秘話⑤に続く