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アイルランド/ダブリンで極貧職探しと絶望の面接

アイルランドでは語学学校の生徒でも仕事をすることが出来るため、カナダほどお金の準備をせず、そして出発前にまた母に返してもらうこともないお金を貸したため、到着後、割と早くに貧乏だった。当時はリーマンショック後の影響で不景気真っ只中、現地のいろんな求人サイトに応募するが基本返信は無いと思った方がよかった。

絶望の貧乏職探し

語学学校で昼休みになると、近所の小さなコンビニっぽいところへ行き、75セントの激甘ドーナツを1個買い、昼食にしていた。
学校が終わると職探し開始。学校の先生に職探しの時は”カフェなど飲食店で働く用”と”その他(ホテルや掃除など)用”の2種類の履歴書を作っておけ。と言われていたのでその通りに作った。

アジア人差別は当たり前

リフィー川沿いの日本食レストランやその裏の通り、グラフトンストリートを往復し、テンプルバー、クライストチャーチ周辺を回った。「help wanted」を見つければ飛び込みで店に入り、マネージャーに印刷した履歴書を渡す、の繰り返し。もちろんhelp wantedが出ていなくても配った。今は知らないが、その当時7割の店は履歴書を渡そうとすると「中国人か?」と聞かれ、「日本人です」というと履歴書を受け取ってくれた。因みに試しに1回だけ「はい、中国人です」と答えると鬼の形相で「帰れ」と言われた。他、国籍を聞かれず私の”アジア人の顔”を見ると追い払われたことも多々あった。現地の人に何で国籍を聞かれるのか聞いてみたところ、彼らは「私たちの仕事を奪っている」みたいなことを言っていた。
当時不景気真っ只中、「仕事はアイルランド人優先」のルールがローカルで出来ており、絶望の中職探しを毎日続けた。

又、毎日職探しのために3-4時間歩いていたので10キロくらい痩せ、日本に帰ってきたときはガリガリになった私を見て姉が驚愕していた。家に帰れば1ユーロのパスタと同居してたブラジル人達が教会から貰ったトマト缶で具なしトマトパスタ又は激安スーパーLidlで安いベーコンとにんにく入りパスタを作って食べ、夜はインターネットで職探しをした。因みにイギリス系スーパー「TESCO」の激うま安いクッキー(↑写真参考 当時50セント)と値下げ品の食べ物をよく漁っていた。

スーパーで勝ち取った値下げ品


Lidlの2ユーロくらいのベーコン

大手ホテルチェーンから面接のメールが来た

インターネットでも毎日新着求人を見つけてはメールをして応募していたある日、アメリカ系の大手ホテルチェーンから面接のメールがきた。1週間後の面接までに先生と面接対策を沢山した。「これを聞かれたらこう返す」というのをいくつか用意し、やれるだけの準備をして面接に挑んだ。

想像をはるかに上回る面接

大きな部屋の面接会場に集められた応募者はアイルランド人を含めてほぼヨーロッパの国籍の人だった。アジア人は私ともう一人くらい。計50人位の応募者がいた。そして面接官ぽいスーツを着た人たちが10人位いた。面接官の一人がこう言った。

「今から面接を始めます。面接と言ってもインタビューではありません。これより10人1組になって面接官から大きな紙1枚とペンを受け取ってください。あなたたちはグループで”未来のホテル”について話し合って30分後みんなの前でプレゼンをしてもらいます。大きな紙に未来のホテルの全体像を書いてそれをもとにプレゼンをしてください」

「、、、、え?」顔が真っ青になった。

地獄の30分間と発表会

話し合いが始まるとバインダーを手に持った面接官が私たちの会話を聞き、メモをしている。アイルランド人をはじめ、ヨーロッパの人たちはほぼ全員機関銃のようにしゃべり続けて大きな紙に未来のホテルを完成させていく。積極性や協調性やいろんなことを見るために面接官は見ているんだろうが、当然私はその人たちを遮って積極的に喋る勇気がなかったのだ。ただただ「うん、うん」とうなずくだけだった。無理、絶対無理。これは受からない。正直何度も帰ろうかと思ったが我慢した。

発表会では一人一言ずつホテルの特徴を言って終わりなのだが、最後に私が「Thats it.」とだけ言って地獄の発表は終わった。

結果

結果、当然落ちた。少女のころにやくざに怒鳴られて(別記事参照)肝は据わっていると自負していたが心が折れた面接だった。英語ができる、喋れる以前にディベート出来るかできないかの問題でもあった。

その後

その後も精力的に職探しはつづけた。何件か面接にも行き受かったこともあった。面接中にデリヘルのようなところの面接と気づき逃げてきたこともあった。

また、日本食レストランで仕事をゲットしたものの、同僚のアイルランド人に騙されたりしてくやしい思いもした。
違うホテルの面接ではアイルランドのおじいちゃんに面接されて優しかったことなど機会があればもっと違う面接や仕事のことを書きたいと思う。
ところで英語で仕事をするようになった現在でも、今回書いたホテルのグループ面接で受かる気は全然しない。


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