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ニワカファンが受けたDaft Punk解散の衝撃

2021年2月22日深夜、パンデミックによって混迷を極める世の中に漸く光が差しかけた頃、衝撃的なニュースがひっそりと発信された。

Daft Punk解散

音楽について特に造詣が深いわけでもなく、それほど熱心なファンであったわけでもない私が今更彼らの音楽性について語れることは何も無い。そういうのは多分もっと凄い人たちがしっかりやってくれているだろう。

だから私は、彼らの曲を振り返りながら何でもない記事を書くことで、悲しい気持ちを紛らわすのみである。

彼らの曲で一番有名なのは何だろうか。日本国内であれば「One More Time」などは多くの人が聴いたことがある筈だ。

One More Time

「松本零士」のキーワードで「Too Long」や「Digital Love」をご存知の方もいらっしゃるかも知れない。

Too Long
Digital Love

或いは映画「TRON:LEGACY」で彼らの姿を知ったという方も居るだろう。

Derezzed

映画と言えば「アイアンマン2」の挿入曲として「Robot Rock」が使われたこともあった。トニーの自宅でアイアンマンとウォーマシンが殴り合う場面だ。

Robot Rock

ニコニコ動画が全盛の頃には「Technologic」をベースに使ったミックスが流行った時期もあり、それがキッカケでファンになったという人も居るだろう。

Technologic

彼らのミュージックビデオは毎回凝っていて面白いが、特に評価が高い(多分)「Around the world」の映像だけは観たことがあるという人も居るだろう。サカナクションの山口一郎も名前を挙げていた気がする。Pharrell Williamsのファンであれば「Get Lucky」は知っているだろうし、Pentatonixのファンならこれまでに挙げた大半の曲は頭の片隅に残っているだろう。

というように日本人でも知らない人は少ないのではないかと言うほど多くの人が影響を受けており、今回の発表による影響力は計り知れない。

混迷の時代を照らす光がまた一つ、消えようとしている。

私が受けた衝撃

2010年代後半、私が敬愛していたアーティストが相次いで亡くなった。

2016
Keith Emerson(Emerson, Lake & Palmer)
Greg Lake(Emerson, Lake & Palmer)
2017
Chester Bennington(Linkin Park)
2018
Avicii

他…

Daft Pankについては訃報ではない(と思いたい)のだが、しかしこれらに匹敵するほどの衝撃であった。特にこの情勢下である。「もしや」と思わずにはいられない。

どんな事情であれゆっくりと充電なりオイル交換なりのメンテナンスをして、何事も無く過ごして欲しいなと思うのみである。テクノやトランスというジャンルへと私の耳を誘ってくれて、灰色だった学生時代を金銀鮮やかに彩る素敵なピラミッドであった。

おわりに

去年の今頃から、当時1歳だった我が子は「Get Lucky」と「Lose Yourself to Dance」が好きだった。2人のロボットたちが演奏しているのを真似しながらミュージックビデオを観ていた。

そんな我が子は2歳になり、2月の頭くらいから「One More Time」を聴きたがるようになった。「マンモーチェききたい」とねだってくるので、最初は何を要求しているのか全然わからず、「ロボットがうたうやつ」とか「ダフトパンクのマンモーチェ」とかの説明を聞いて何とか正解に辿り着いた。それからというもの、一緒に入浴する際は毎晩のように「Daft Punk」を聴いていた。

今の我が子には「解散」とか「引退」の意味は理解できないだろうし、説明すること自体が困難である。二人のことはロボットだと思うし、「Electroma」より抜粋された冒頭の映像を観てもロボットが爆発したんだなと思っただけだろう。ウルトラマンを観ているのと感覚的には同じであろうと思われる。

しかしオジサンになった私は、自爆スイッチを押すまで向かい合って俯く二人や、爆発した後に歩き続ける姿、そして何より「1993-2021」の画面では涙を堪えるのがやっとであった。

もう新しい音を教えてくれることはないが、これまでの彼らの音楽は文明が滅びても残るかも知れない。それを支えに、この暗澹たる現実を切り拓いて行くより他ないのだ。

なんて言っていたらケロっと復活しそうなコンビなのが、また素敵なところだ。

ありがとう、お疲れ様でした。

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