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アイ・ケイ・ケイホールディングスの決算内容を3分で解説!

今回はアイ・ケイ・ケイホールディングの決算内容について見ていきましょう。ブライダル業界で上位に位置するこの会社、コロナ禍からの回復具合はどうでしょうか?

1.PLの状況

まず最初にPLの状況について見ていきましょう。

売上高は前年比+65.3%の190億円となりました。営業利益は過去2年間赤字が続きましたが、今回ようやく黒字転換に成功し18億円でした。
また当期純利益も赤字から黒字転換し13億円となり、結果としては大幅な増収増益という内容となりました。

出所:決算説明資料

このブライダル業界はコロナ禍の影響がかなり大きかった業界です。
売上高の推移を見ると一目瞭然ですが、コロナ禍前の2019年の売上高は200億円を超えていました。

それがコロナ禍が始まった2020年は△56.7%の大幅減収となって、一気に100億円を下回る売上高となりました。

そこから徐々に回復傾向を見せて、今回の決算ではあともう少しでコロナ禍前の200億円に迫る190億円まで売上高が回復しました。

出所:決算説明資料

営業利益も同様の傾向を見ており、2020年と2021年は赤字が続く苦しい状況でした。

それも売上高の回復に伴い、今回の決算では一気に黒字に回復してあと一歩でコロナ禍前に追いつく所までに至りました。

経常利益ベースで見ると、既にコロナ禍前の水準まで回復しています。

出所:決算説明資料

また事業内容としては「婚礼事業」「介護事業」「食品事業」などがありますが、「婚礼事業」が売上高全体の97%程度を占めていますので、この「婚礼事業」についてもう少し内容を見てみましょう。

婚礼事業の売上高は前年比+68.6%の184億円と大幅な増収となりました。
今年になって本格的にコロナ禍からの回復が始まり、施行組数も前年の3,381組から+50.5%増加し5,088組となりコロナ禍前を上回りました。

出所:決算説明資料

また施行単価も前年比較すると大幅に増加しました。
ただコロナ禍前と比較するとまだそこまでの回復は見せていませんが、状況としては改善しています。

店舗展開の状況としては国内19店舗、海外4店舗の合計23店舗の出店状況となります。

新規店舗としては2023年4月に茨城県水戸市に1店舗をオープンする予定です。これで関東は2店舗目です。

出所:決算説明資料

海外4店舗は全てインドネシアのジャカルタでの出店となります。
海外展開戦略の第一歩として2017年にインドネシアに進出して現在4店舗まで来ています。

今後の海外展開はインドネシア国内での拡大を進めるのか、若しくは他国への進出も進めていくのか、この辺りは注目すべき点かと考えます。

また国内ブライダル市場の動向としては、良い兆候と悪い兆候の両面があります。

まず悪い面からですが、既に周知のことではありますが昨今の「少子化・未婚化・晩婚化」の流れです。
この流れで考えると必然的に市場のパイ自体が減少します。

出所:決算説明資料

一方で良い兆候としては、コロナ禍からの回復継続が期待され2023年も引き続き増加傾向が予測される点です。

やはりコロナ禍の影響で本来であれば挙式を挙げたかった人達は潜在的に存在しており、その需要が今後見こ込まれると考えられます。

出所:決算説明資料

また結婚式の招待客1人に掛ける費用が増加傾向にあります。
これは2000年から2020年にかけて1.9倍とほぼ倍増しています。

この要因としては、晩婚化が進んだことで経済的にゆとりがある状況で初婚を迎えるため、挙式に掛ける費用が増加したことが一因と考えられます。

出所:決算説明資料

あとブライダル市場は「市場規模は1兆円程度」と限られていますが、上位企業による寡占が進んでいないため今後シェアを拡大する余地が残されている点があります。

上位5社でも市場全体の13%程度しか占めおらず、まだまだチャンスは残されている状況です。

出所:決算説明資料

2.BSの状況

次はBSの状況について見ていきましょう。

総資産全体としては前年末から+26億円増加しました。

出所:決算説明資料

流動資産で+27億円増加しましたが、この内現預金の増加が+23億円とほぼ大半を占めています。
この点に関しては後のCFの状況で触れていきます。

固定資産は△1億円とあまり動きがありませんでした。
有形固定資産で7億円の投資がありましたが、それ以上に減価償却費で10億円の計上がありましたので、純額では減少した結果となりました。

負債の合計としては+10億円増加しましたが、買掛金で+2億円、未払法人税等で+7億円の増加がありました。

出所:決算短信

買掛金の増加は売上高増加に伴って全体のオペテーションが増加したことによるものと考えられます。

未払法人税等は前年の赤字から一気に黒字転換したので、その分大幅に増加しました。

一方で長期借入金は返済スケジュールに沿って返済が進められたましが、新規の借入も発生しましたので、純額としては△5億円減少しました。

純資産に関しては+15億円増加していますが、これは当期純利益の+13億円が主な要因です。
前年が赤字だったため、今回の決算では配当は実施されませんでしたが、今回の決算で利益が出たのでその分の配当は2023年で実施されます。

出所:決算説明資料

また2023年の業績見通しも今回より更に増益となる見通しなので、その分株主への配当は増配を予定しています。

3.CFの状況

最後のCFの状況について見ていきましょう。

CF全体としては前年末から+23億円増加しました。内訳としては営業CFで+34億円、投資CFで△7億円、財務CFで△4億円という内容です。

出所:決算説明資料

営業CFは税前利益の+20億円と減価償却費の+10億円が主な内容です。
前年は税前で赤字だったので、今回のように税前利益でしっかりと稼げるとCFとしては望ましい形となってきます。

投資CFに関しては、有形固定資産の取得で△7億円の支出がありましたが、それ以外では特に大きな動きはありませんでした。

財務CFに関しては、借入金の返済スケジュールに沿った支出が△7億円ありましたが、新規借入で+2億円調達しています。

また緊急時の備えとして取引金融機関と総額101億円の当座貸越契約を締結しています。
ただその枠から既に21億円の借入を実行済みなので、実質借りることのできる金額は80億円となります。

出所:有価証券報告書

現状のCFの状況から考えると緊急時の備えとしては問題ない金額ではないかと考えます。

今回の決算内容3分解説は以上となります。
次はどの会社の決算を見ようかな?

マサキタカオ



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