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友達に誘われて行ったドームでWEST.沼に転がり落ちた話

人って中学生ぐらいの時に出会ったもののことを、一生好きだと思う。具体的に好きな作品とか人とかはもちろん変わってくけど、なにを好ましいと思うか、なにで胸が熱くなるかっていうのは、だいたいそれくらいの時期に覚えたことがずっと真ん中にある気がする。

私の場合、それはバンド音楽だ。

14歳の時に初めて小さなライブハウスに行って、身体に響く音に衝撃を受けた。人に揉まれながらも背伸びして、めいっぱい手を掲げて、全身に大好きな音楽を浴びるのが本当に楽しかった。余計なことを考えず、ただ音楽が楽しいと思えるのが心地よかった。

2024年8月31日、初めてWEST.の東京ドーム公演に行った日、私は確かにあの日のことを思い出してた。


経緯

そもそもアイドルにも詳しくない中で、2020年突然Snow Man沼に落ちて4年目の私は、WEST.兄さんに対してはまだ関西の楽しいお兄さんチームという印象だけしかなかった。

友達に是非ドームに来てほしいとチケットを譲られた時も、正直「楽しめるかな?」という不安があるくらい、彼らのことを知らなかった。

そんな私に友達はカラオケでDVD鑑賞会をしようと提案してくれた。そこで、どういう経緯で集まった7人で、こんな定番曲があってこんな人気曲があって〜と丁寧な解説をしてもらう。とりあえず頭に入れつつもまだ「面白いお兄さんたちだな!」としか思ってなかった、ので、その日最後に見せてもらった特典のメトロックの映像で、私は突然ぶっ飛ぶことになるのである(である)

メモにはアンジョーヤリーナとあるけど、記憶あってるかな?
ユニフォームみたいな揃いの衣装を着て、ギターを弾いてるメンバーがいて。6人より少し後ろの楽器陣と同じ立ち位置で、青空と、たくさんの観客を嬉しそうに眺めながら、ギターを弾いてる人がいてさ。私の大好きなレスポールの低い音が、カラオケ店の良い音響設備からドンと鳴って「待って良い音すぎる?!?????!??」と、なったのが私の神山先生との出会いでした(?)

WEST.にギター弾ける人がいるなんて聞いていませんが、、と帰り道ぐるぐると思い返す。そういえばフェスに出てるのは知ってた。でもやっぱりフェスってバンド音楽の祭典だと思ってたから、アイドルが出てるの「なんで?」と正直思ってた。でも見せてもらった映像がとっても良くて。もしかしてフェスが似合うアイドルって存在するのかも? と思っていたのが今年の6月頃の話。

夏が来て

8/31当日、私はめちゃくちゃ夏バテしてた。本当に暑くて、今年は異常だったと思うけど、おかげでずっと体調が微妙だった。長い間体調を崩すと人間はメンタルまでやられるもんで、なんにもせずに夏が終わる…みたいな恐怖でかなり気持ちが塞いでた。

私の初ドーム、初アイドルのライブの日、こんな感じで来ちゃうんだ…というもんやりとした朝だった。

そんな感じで入ったもののやはりライブが大好きな人間なもので、観客のざわざわとか、音響の良さとかで段々とわくわくが募り、開演前のアワード企画に驚いて、ええじゃないかカラオケで笑ってる間になんとなく鬱々とした気持ちは飛んでく。ペンライトは(にわかですし…)という遠慮から白色を灯してた。

そんなこんなで暗転、10周年にまつわるメンバーインタビューからライブが始まる。彼らの十年を、ほぼ知らない(この間DVD見ながら追体験させてもらっただけの)私も、さすがに胸が掴まれるような映像で、観客のボルテージが上がるのも肌で感じつつ、思わず見入っていた、ら、
爆音、
メンバーのシルエット、
そして『証拠』の歌いだし、
音楽が鳴り出す。
あっという間に鳥肌。
なんだこれは?!

それはド派手な演出ではなくて、モニターも顔を映してない状態で、ドームのひろーーいメインステージの真ん中に7人が体ひとつで(その姿は刀を持たない武士にすら見えた)、光を一身に受けて立ってた。なーんにも知らない私が、「このオープニングはすごい〈覚悟〉だ」と思ったし、圧倒的な生のパワーに一気に引き込まれたのを鮮明に覚えてる。

東京ドームって、やっぱめっちゃ広いなぁ〜と思ったのも入った瞬間だけで、曲が進むごとにさまざまなステージングで色んな角度から見せてくれるので、ちゃんと自分から見えているなまの映像として受け止められるようになってく。小さなライブハウスしか経験のない私には(勿論存在は知っていたものの)ムービングステージやサブステージ、花道もろもろすべてが新鮮だったり。

そして控えめな気持ちで灯してた白色のペンライトを衝動的に緑にする。

ギターに一目惚れしたために、神山さんのパフォーマンスにまだあまり注目してなかった私は「あれっ?この方もしかしなくてもダンスもめちゃくちゃ上手いな??」となる。生パフォーマンスでこれに気づくの贅沢すぎるでしょ今冷静に考えると。

何曲目かで、白いギターが出てきて、「普通にライブでもギター弾くんだ!!!!!!!!!!!」と内心ガッツポーズをする。メトロックの映像と違うギターだな〜これもめっちゃ良い音だ、レスポール好きなのかな〜ストラップも派手でおしゃれだなさすが関西人〜と思ってたらステージがなんか上がってるんですよ。高いんですよ。無線ギターあんな高いところで弾いてる人みたことないですが?音響とか大丈夫なんだな、などとしょうもない思考が巡った話は置いといて。

この曲でひとりだけギター持ってセンターで、ニコニコしながら楽器演奏してるかみやまさんと、それを当然のように囲み歌う6人の表情に「このチームは絶対にいいチームだ」と確信したのをはっきり覚えてる。バンドとしてじゃなく、一人だけがギター持ってやることを、周りが快く受け止めるって結構凄いことだと思うんですよね? ギターに限らず。私の見方がそういうふうに凝り固まってたのも分かってハッとしたし、なによりそれでも7人がちゃんとめちゃくちゃ同じ方向見ててかっこよくて。(これなんていう曲だかセトリ見ても思い出せなくて誰か教えてください)

その少し後でアコースティックコーナー始まったときは、いや全員楽器できるんか!!!????となったし(マラカスやカホンなどのリズム隊も精度高くてたまげた)、かみやまさんなんかアコギ持ってる他に後ろにも立ててて、何本ギター持ってきてます?????となった(3本?)これでアコギも上手いなんて………いやアコギのほうが失敗がバレやすいので難しいじゃないですかぁ……。

ただでさえ楽器を現場に持って来るのって手間だし、全部当日までにメンテして直前までチューニングして……って考えたら、本業(ダンスや歌)に加えて準備すること多すぎないか?!これはギター好きすぎる変態の人がやることやんか……っていう。私はね、変態の人(こだわりが強いともいう)が大好きなんですよ……

ドームに行くって言ったら家族が貸してくれた防振双眼鏡、使う機会無いって〜って言ってたのにもうギター弾く手元見たくてたまらなくて、慌てて鞄から出す。めちゃくちゃよく見えた。ありがとう。ギター持ち変える時のストラップにシールドくぐらす仕草ってなんであんなに色っぽく感じるんですかね?

桐山さんのバースデーをお祝いするくだり、本当に爆笑した…。みんな彼のことが大好きなんだなと思ったし、あったかかった。バースデー公演に誘ってくれた友人には大感謝ですよ。
バースデーソングの伴奏のアコギ、イントロがめちゃくちゃかっこよくて、もはや嫉妬の気持ちさえ湧いてくる。天は二物を与えてる。


曲順がわからなくなってますが。
次に印象深かったのは『Beautiful』でした。白い清涼感のあるアイドルらしい衣装に、柔らかな流れるような振付、水の演出、すべてがとてもきれいだった。この日以降忘れられなくてYouTubeで最初に調べた曲がこれ。歌詞の中にタイトルが出てくるので、この曲だろうとすぐわかったし、よく見たら再生回数も段違いの曲。納得です。

『絶体絶命』や『FATE』のアツい演出も凄かったけど、アイドルだ〜という曲も似合うのだと知れてとても嬉しかった。『YSSB』はさすがにSnow Manしか知らない私でも噂に聞く曲でしたが、歓声がヤバすぎて本当に愛されてる曲なんだなあと熱くなりました

ユニット曲もさすが10周年、2曲ずつなんて贅沢すぎる。しかし真夏にクリスマスソングを聴くことになるとは思わず、「なぜ??」と思った直後、メンカラがクリスマスカラーってことかーーいと爆笑する。この曲も歓声がすごくて、かみしげってすごい人気なんだなぁという学び。
クリスマスプレゼントから出てきた濱田さんのコメントがめちゃくちゃ面白くて盛り上がっていた記憶(薄れゆく記憶…)

こんなにギターが弾けて、ダンスができて、アクロバットもできる、赤髪カラサンの凄い人を好きになってしまったかもしれないと思っていたのに、カメラに抜かれるショットはいつも全開のニコニコ笑顔で、目がきゅっとなる笑い方になんか母性がくすぐられてておかしいなと思っていたら、周囲のファンから「かわいい〜」という声が上がるので、「やっぱりかわいいの感情であってる?」と混乱し始めたのもこのへんから。

実はとんでもなくよい席で、トロッコや祭り屋台?が通る道のちょうどよい高さだったので(スタンド席の9列目くらい)、何回か本当にどなたかのファンサが耳をかすったかもしれないと思うほどだったんだけど。終盤かみやまさんがひとりで屋台に乗ってこちらに来たとき、モニター越しじゃなく目の前で、キラキラした表情で客席に手をふっているのを見たら、あ、やっぱり全然こわいお兄さんじゃない、こっちが本質なんだなと確信した。
目の前通る時にちょうど反対側へ身体を向けられてしまったので目線こそこちら(大枠)へいただけなかったものの、あの数分の多幸感は今も忘れられない。

ダブルアンコールまでやりきって、締めくくられたドームツアーの最後に、メンバーからもファンからも幸せな雰囲気が溢れていて、私もその端っこにいさせてもらえてありがたかったなあと思う気持ちでとても幸せになったし。始まる前までネガティブな気持ちだったのをすっかり忘れるほど「良かったなぁ」と思えた1日だったのでした。


人は人生で三度『証拠』に出会う

ライブから数日後、まず私はかみやまさんのギターオフショットに負けて、インスタをフォローするところから始めました。白いギターは、赤い髪におそろしく似合っていて、ストラップ短めに持った姿勢の良いお写真に、なんて上品に弾かれるんだとため息をつく。

そういえばフェスの映像いくつかYouTubeにあったなぁ、どこかにギター弾いてる映像ないんかなぁと思ったのが一歩目。そこで見たのがメトロックの『超きっと大丈夫』だったと思う。重岡さんのアツいアツい語りが、フェスの観客に届いていく様子がものすっっごく良くて、私の好きな世界がここにある!と気がついてしまった。

全身で音を浴びて、めいっぱい腕伸ばして、体揺らして、フェスが似合うアイドルっているんだ………………と、雷落ちた。

そこからフェスの映像全部見て、「アイドルが好きな自分」よりももっと前からいた「バンド音楽が好きな自分」が呼び起こされて、揺さぶられるのが分かって、なにこれなんだこれと言っている間に今度はWESTubeのバラエティ動画にドハマリする。

関西のノリ新鮮でしぬほど面白いし、滑ったあとの落とし方がうますぎる。誰かがちゃんと拾ってくれる。テロップにも何度も笑かされたか。

あんなに夏の間塞いでた心が、爆笑で少しずつ晴れてくのが自分でもわかって。笑いってめちゃくちゃ薬だなと思う。きっとWEST兄さんのことが好きな人たちは、みんなそうやって元気にしてもらった経験があるんだろうなぁと思ったら、「おもろいお兄さんたち」の認識が「優しくてポジティブなお兄さんたち」にシフトチェンジする。

『まぁいっか!』のMVが可愛くて、歌詞の良さにあとから気づいて、ふと気がついたら発売日だったのでCDを買いに行った9月。通常だけ買ったらカップリングがえらいたくさんあって、初回も買うかね、いやベストアルバムを?と検討している10月。


フェス映像でもひときわパワーのあった『証拠』という曲は、WE AREでも聴いていたし、その前にグループ名お披露目配信でも聴いてた。聴くたびにすごく力強い曲だなあと思っていたけど、ライブ一曲目で衝撃を受けてから、そして7人の人となりが分かってからまた聴き方が変わったと思う。どうしてWESTの曲は生き方そのものを後押ししてくれるような響き方をするんだろう。

14歳の時に身体と心が覚えた心地よさは、ライブでペンライトを振ることじゃなくて拳を突き上げて体を揺らすことで、フェスでWEST.を見る人達だけ、そうやって音楽を聴くことが許されるのだと思ったら「フェスでWEST.を観たい!!」という感情に支配された。

ペンライトで、自担をメンバーカラーの海に溺れさせたいという感情は、もちろん今は確かにあるんだけど、もっと深いところで、私は人生にこれを求めてたのかもしれない……という感覚にすらなる。

音楽とアイドルと笑いと

アイドルって不思議な職業だと思う。バンド音楽をライブで聴いているとき、私達はそこにある音楽を聴いているのであって、歌い手や弾き手の顔を見ているのではない。演奏者が見えてなくても音楽がそこにあれば良いから、観客は踊りだすしジャンルによってはヘドバンするしモッシュする。

だけどアイドルは見られている。楽器じゃなくて、脆くて刹那的な身体そのものから生み出される「パフォーマンス」を求められてる。限りなく自分自身の人生に近しいものを商品として売っている。

俳優さんや声優さんは役柄という商品を、己と切り離す瞬間がある。ダンサーさんは客観的な技術を商品にしている。

アイドルという職業のひとたちは、かっこよくある時も本気だし、可愛くあるときも本気。話を面白くさせることも本気。演技も、楽器も、歌も、全部「本業ではないので〜」という態度を見せない。

WESTubeをあらかた全部見終えて、「この人達すごすぎる」と思った気持ちを、言語化するとこういう感じになると思う。

夏が終わって、いよいよ本当に涼しくなって、秋が来るみたいです。どうしても夏フェスでWEST兄さんをみたいから、来年の夏にバテないための1年計画の筋トレ、始めました。

さあ2024年度、折り返し。

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