嫉妬と感謝 恋と愛
嫉妬とは恋の挙動に似ていて、感謝とは愛の挙動に似ている。
嫉妬とはないものねだりだ。相手にあるけど、自分にないもので起こる感情。
感謝とはあるものに目をむけているときだ。相手にかかわらず、自分にあるものに起こる感情。
恋とはないものねだりだ。今手に入らない人の心や理想の状況を手にしたい感情。
愛とはあるものに目をむけているときだ。今目の前の人や今の状況を大切に思う感情。
だから、嫉妬や恋は苦しいけれど起爆剤になるのかもしれない。
だから、感謝や愛はあたたかいし力が湧いてくるのかもしれない。
嫉妬と恋の違いは
嫉妬とは相手への嫌悪感をともなう、ないものねだりである。
恋とは相手への好意をともなう、ないものねだりである。
感謝と愛の違いは、
感謝とは自分や大切な人のもとに、良いことがあることをうれしく思うことである。
愛とは大切な人のもとに、良いことがあるように願うことである。
とすると、嫉妬しながら感謝をするのは至難のわざであるのだろうか、恋をしながら愛するのは至難のわざであるのだろうか、いや、そうでもない。
何故われわれは、嫉妬と感謝の間で右往左往し、恋と愛の間で揺れ動くのであろうか。
わからない。
人間とは、心とは、得体のしれないものである。
ただ、ないものがあるから、あるものに気づきやすくなる点は重要だと思う。
何気なくあるものは、あるということが当たり前になって、あることさえも忘れやすい。
そして、われわれ人間はどこか欠けているものだ。
補い合えるようになることが、理想かもしれない。
だとすると本当は、ないものも、あるものも、大切に抱きしめてあげてよい部分である。
そうしたら、
いつか嫉妬も感謝になるかもしれない。
いつか恋も愛になるように。
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