日記をつけたことがある。
一日目。いい感じの内容と分量。
二日目。いい感じの内容に、気持ちがのってゆく、文字を小さくして、ぎりぎり納めようとする。なんとか入りきる。
三日目。いい感じの内容に、気持ちがのって、ついに、次の日のページを侵食。
四日目。もう、ノートの日付枠は、意味をなさない。好き放題書く。ノート決壊、文字が流れ出る。もうだれにも止められない。
五日目。日付をいれるのも忘れてひたすら書く。
六日目。ひたすら書く。書けるところにどんどん書く。
七日目。もはやこれは日記ではない。脳内を文字に起こして書きなぐった紙だ。日記帳の続きはチラシの裏に書かれていて。その続きは手帳のすみに。喫茶店の紙に。そして、もはや収拾がつかなくなって、はたと気づく。
日記が、書きたかった……。
紙の波打ち際で、立ち尽くす青春だった。
いいなと思ったら応援しよう!
