オマージュ(C):スミレちゃんと剛君
こちらの応募作品
ショートショート:あ、あの、……
「…… ……」
「……おう! どした、そんなところにいて! びっくりしたよ~」
「…… …… ……」
「ん? どうした?」
「……あ、あの、……」
「ん?」
「……あの、……」
「……?」
「あの、……あのぉ……」
「うん」
「……えーと、つまり……」
「……?」
「…… …… ……」
「……」
「…… …… …… …… ……」
「……?」
「ぁ……。」
「?」
「ぁ……。さっき……は……、あの……」
「……!」
「…… ……ありがとう……、ございました……」
「……んっ!!!」
「……」
「どういたしまして!!」
「!」
「うれしいよ」
「……よかった……です……」
「よかったよかった!」
「……」
「じゃ、これからよろしくな!」
「……はい」
「~♪」
「……♪」
おわり
コメント
ハナウタナベ
この文章からなんか色々想像してしまいました。園芸部とかの超内気女子のスミレちゃん(仮名)と、柔道部熱血主将の剛君(仮名)とか。
スミレちゃんは剛君のこと「身体も声も大きくてなんかこわい」と思ってきたんだけど、男子たちがふざけて突き飛ばしあってた時に花壇の花の上に倒れそうになったのを、剛君がひょいと引っ張って花および倒れかけた男子を助けてくれるという。それをハラハラしながら見てたスミレちゃんに気付いて「(俺の友達がふざけてて花を危険にさらして)ごめんな!いつも世話してる花壇だもんな。」と言ってくれた時からスミレちゃんは剛君を見るとどうしようもなく動悸がするみたいなんだけどなんせ内気!!頑張って!!!
おはようよねちゃん
ハナウタナベ様
いい物語ですね!!
スミレちゃんと剛くん、応援したくなりました(^o^)/
こちらのコメント作品のオマージュを、作りました。
ハナウタナベさん曲
C『【朗読花歌】あなたが好き/作詞:cofumi』
スミレちゃんと剛君
花壇の一件以来。
スミレちゃんはどうしても気になるのでした。
柔道部の剛君。
廊下ですれ違う時なんか、
「よお!」
なんて言われても。(困ります)
花壇の草花は。
今日も元気そう。
キンギョソウのお花に声をかけます。「おはよう」
「おう! おはよう!」
「!」
あ。あ。どうしよう。
剛君はしゃがみこんで、花を眺めています。
「ふ~ん」
「……?」
ちょいちょいと石を並べはじめた剛君。
「……? ……あ!」
「な? これで雨降っても大丈夫さ」
花壇には、石ころが真っ直ぐに敷き詰められていました。
「なにしてるんすか? 先輩?」
「ああ。ちょっとな。石並べ」
「なあに? この石?」
だれも、剛君の石並べの意味は分かりませんでした。
けれど、スミレちゃんには、分かりました。
2日後。
五時限目に雨が降りだしました。
外では傘がカラフルに開きます。
スミレちゃんは、やはり花壇にいました。
草花が大好きだったからです。
雨は空から屋根へ、屋根の先からはボタボタ落ちてきて、剛君の敷いた石に当たっていました。
「やあやあ! 思った通りだ!」
剛君がやってきました。
「石並べ、上手く行ったなあ!」
屋根から落ちてくる水滴は、同じところの地面にあたります。石がないと、水滴がそこを深く掘ってしまうのです。石のお陰で、花は安心してそこに生えていることができたのです。
「雨垂れ石を穿つ。小さな力でも、コツコツと積み重ねれば、大きな石も穴があいてしまう。ってことなんだよな」
「……はい……」
「……あの……」
「おう、いつもお花きれいに育ててくれて、ありがとうな」
「……あの……」
スミレちゃんは、小さな瓶を差し出しました。
剛君が不思議そうに受け取ると、
それは、小さな白い石の入った瓶のようでした。
「? ありがとうな!」
「……はい……」
「? おう、またな!」
家に帰って、剛君が瓶をよくみると、
ホワイトチョコのコーティングをされた、
小石のチョコレートでした。
瓶のシールには、『化石と鉱物の博物館』と書かれています。
「うーん、うまい!」
剛君はポリポリ食べながら、お返しは、月の欠片クッキーかな? と、考えていたのでした。
おわり
【 うたスト 】 歌からストーリー︓歌を聴いて物語を作ろう︕
への、応募作品でした。