エッセイ のろけましておめでとう
今私はカフェにいます。値上がりしたから、コーヒー一杯だけ頼みました。
夕飯は済ませています。主人特製のステーキです。金曜の夜だからですかって? いいえ、わが家では主人が主に夕飯を準備してくれます。素敵な主人でしょう。ありがとうございます。
そうだ、今日のエッセイは主人のことを書きましょうか。素晴らしい主人なので、ほぼのろけ話になりますけれども。どうぞお付き合いくださいませ。
主人との出会いは駅でした。私が異動で初めての現場で働く時です。作業服を着た坊主頭のあかぬけないおじさんがやって来ました。ニコニコしてむふふと笑います。現場の事務所へと案内してくれました。はい、こちらが未来に主人になる人です。
その時はビビビとかキュンとか何も思いませんでした。一目惚れではなかったです。
しかしながら、この一見あかぬけないおじさんは素晴らしい人でした。
いつもニコニコ愚痴もこぼさず嫌なことなどありはしないかのように人の嫌がることも率先して行い、北にしょんぼり涙を流す人がいれば行っておどけて笑かせて、南に困って苦しんでいる人がいればこうすると大丈夫ですよと仕事のアレコレをアドバイスしてくれました。人の愚痴にはうんうん聞き流すようでいて、大事な所はちゃんとフォローとフィードバックして、人の輪の雰囲気にホッコリ笑顔を添えて、あれれいつの間に居ないと思えばあちこちで人より多く働いている。大変な働き者でした。
これらのことは誰でもできるようで、なかなかできないことですよね。言うだけなら簡単ですが、実際に行うことは難しいですよね。それらをさらっとふにゃふにゃっとやっていた。
そして何よりいつもニコニコしてうふふとわらっていました。
はい、ここでクイズです。最初に惚れたのはどちらでしょうか?
答えは、……どちらでも良いじゃあないですか。どちらにしても、今、こうして二人仲良く暮らせている。こんなに幸せなことはありません。少なくとも、私は今幸せです。
いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。ステーキとか。