稽留流産のこと。(心、体、お金、仕事)
約1年間のゆる妊活の後、第二子を授かりました。
仕事の面や第一子との年の差の面でもばっちりのタイミングで来てくれたのでとてもうれしかったです。
ですが、結果的に約2ヶ月というとっても短い期間でのお別れとなってしまいました。
”気持ちの整理のため、記録する”のはもちろんなんですが、診断された後
「稽留流産 復活」「流産手術 体験談」「流産 手術後 仕事」ととにかくいろんなワードで検索しました。
でもやっぱり悲しい出来事の体験談って少ないですね。
家族や友人にも悲しくて暗い内容で相談しずらかったり、誰かに話すだけで思い出して涙が出てきてしまう…こんなこと発信しようなんて思う人は少なくて当然です。
そんな中noteにたどり着き、何名かの稽留流産の経験談、流産手術の体験談を読ませていただきました。
読んだことで悲しくて悲しくてどうしようもなくなった記事も正直ありました。(理由は後に記載しています)
でもそれ以前にこんなに悲しい出来事を乗り越えて、気持ちの整理をして「誰かのために発信しよう」と思えた人がいたことへの希望。
苦しんだからこそ少しでも同じように苦しんでいる人の傷や不安を軽くできたらと行動に起こしてくれた人がいたから私の不安も軽くなりました。
誰もが向き合いたくない、悲しい出来事にしっかり向き合い、私が経験したすべて(心のこと、体のこと、お金のこと、仕事のこと)を記事にすることで誰かの不安が軽くなればと思い記事に残すことにしました。これが私の乗り越え方だから。
赤ちゃんがいなくなってしまって納得できた人なんてひとりもいないと思います。今はタイミングが違ったんだとかいろんな原因をこじつけてなんとか自分の頭を納得させようとしただけ。心は納得してないよ。でも自分なりの乗り越え方、納得の仕方を見つけて自分の人生を、自分の命を大切に生きていくしかないんだよ。
私がかつてそうだったようにこの記事を読んでどうしようもなく悲しく、悔しくなる方もおられると思います。
無理に読む必要はありません。どうか自分の心をいちばんに。
かなり長くなると思うのですが以下の流れで記事を作成しています。
■については時系列で、その時の私の心、体、出来事を当時の日記を参考に。
〇についてはかかった費用や保険の給付金について記録的に。
全て読む必要はありません。ご自身が読みたいところを選んで読んでいただければ幸いです。
■妊娠発覚~流産発覚
8/14(推定5週)
生理が1週間遅れたので検査薬を試すと、陽性!
予定日計算ツールで計算して来年の春うまれとわかると
・第一子と5学年差
・春生まれ
・派遣の契約更新が7月なのでそれまでに産休に入る
ふんわりと描いていた理想が上記3点だったので
「タイミング完璧!!我が子天才!!」と既に親バカモードに突入。
8/31(推定7週)
息子(第一子)の時は早く受診しすぎて心拍が確認できず不安な期間があったので心拍確認できるであろう推定7週を目途に初受診。
久しぶりの経腟エコー…こわいけどドキドキしながらエコーモニターを見るとピコピコピコと動く可愛い心臓が確認できた。
ですが、胎嚢のサイズを測ると4週頃のサイズ。医師が言うには「排卵日のズレなどで早い段階だと予定日が確定しないこともある。また2,3週後にきてその日に予定日を確定させましょう。」とのこと。
息子の時はそんなことなかったし、不安になり検索すると「予定日が前後するのは生理不順の人に多い。」とあり昔からきっちり規則通り来るので少し違和感を感じていた。
検索していると「胎嚢が小さいと流産する可能性が高いですか?」という見出しのQ&Aサイトの質問が見えたけど、なんとなく違和感を感じながらその質問をみることはできなかった。
9/14(推定9週)
つわりはとっても軽いけど息子の時も唯一ひどい便秘に悩まされてた。
汚い話で申し訳ないのですが、この日はお腹が痛くて出したいのに硬くて出ない便とトイレで長い時間闘った。
何度も強くいきんでしまい、お腹の赤ちゃん大丈夫かな…と不安になりまた検索魔に。「妊娠初期ではいきんでも赤ちゃんに影響はありません」という文字を見て安心。
9/20(推定10週)
前回受診日の3週間後になったので受診。
終わったら区役所に母子手帳もらいに行けるように平日に有休を取得し、
息子の定期受診先も近くだったので自分の健診はすぐ終わるだろうと近い時間で予約をしていた。
息子をキッズルームに預け、内診。エコーで赤ちゃんを見る。
前回より大きくなっていて安心~と思ったのも束の間、医師が念入りにエコーを何度も往復させる。
素人の私の目で見ても心臓が動いていないこと、赤ちゃんが動いていないことがわかる。
申し訳なさそうに「赤ちゃん確認できるけど心臓が動いていないね」と医師が告げる。
「そうですね」しか言えない私。これ以上言葉を発したら涙が出てしまう。
妊婦の4.5人に1人の確率でこれがあるってことはわかっていた。
でもそれにまさか自分が当てはまることにになるとは1ミリも想像していなかった。
1人子供を産んで1人目の妊娠中は切迫早産だったのもあり、妊娠出産に関する記事をいっぱい検索して読んで、コウノドリも透明なゆりかごも読んで知識だけはいっぱいつけて予習は完璧なはずなのにこの後の処置の流れとかまったくわからない。
見てるはずなのに。だって自分がなると思ってなかったから。当事者意識がなかったから。
検索してもそんなことは自分に関係ない、不安になるだけだから読まないでおこうと目を背けていたから。
衣服を直して診察室の椅子に座る。
今後の処置の説明、手術を受ける必要があること、採血を今日して帰ってほしいとのこと。
息子の定期受診の時間が迫る。こんな時でも息子の生活もまわしていかないといけないのが母親なんだ。
私「このあと息子の定期受診の予約してまして、遅れそうなので電話してきていいですか?そのあと採血と手術日の決定します。すぐ終わると思って近い時間で予約しちゃってて...」
看護師さん「そうだよね、電話してきてください。戻ったら受付に声かけて待合室で待っていてくださいね。」
小児科に電話をして予約時間を少しずらしてもらい、待合室に戻る。
検索したいけど涙が出るのが怖い。周りの妊婦さんを見るのが怖い。
視線は行くあてもなくただただ公式アカウントからの通知をスクロールするだけ。
夫に言わないとと「後で電話できる?」とメッセージを打つ。
すぐ電話がかかってくる。病院内なので通話拒否を押して
私「今まだ病院」
夫「あかんやつ?」
私「そう」
既読だけがついたトーク画面を確認する。
再度診察室に呼ばれ、採血と手術日を決める。
三連休前の金曜日に受診したため、最短でも火曜日になる。
その週の木曜日友人家族とキャンプの予定で既に有休申請をしていた。
あー友達にも連絡しないとだめだな。と思いながら
木曜日の有休を火曜日に変えることにして最短の火曜日に手術を受けることに決めた。
翌日と1週間後に経過観察のため受診が必要とのこと。
看護師さんは絶対に受診が必要な日は教えてくれたけど、その間仕事休んだほうがいいよとか他の人はこうしてるよとかは特にアドバイスしてくれなかった。
他の人がどうしているのか、術後の体調や精神面はどうなるのか想像できなくて怖かった。
ちなみに自然に赤ちゃんが出てきてくれるのを待つという選択肢もありますが、私は息子と2人の時に急にその時が来てしまって息子にも悲しい思いをさせてしまうのがいやで手術を選択しました。
会計待ちの間に木曜日約束していた友人に連絡をして会計を済ませて、ダッシュで小児科へ向かう。
待ち人数3組だったのでその間に夫に電話をかける。
初めは淡々と手術のことやこれからの段取りを伝える。声は震えてただろうけど。
「仕方ないことやとわかってるけど自分はならへんと思ってたから…」
って言った瞬間涙が出てくる。
電話を切って待合室に戻り涙を拭いてると息子が顔を覗き込んで心配してくれる。
「帰るわ」
夫からメッセージが届く。
息子の受診が終わり保育園に息子を預けに行く。
先生たちにバレないようになんとか普通を装ったけど何話したか上手く話せてたか記憶が曖昧。
帰りながら夫に「なんか食べに行こ!」とメッセージを打つ。
自分をたっぷり甘やかしたくて大好物のお寿司を食べに行く。
行きの車、お寿司屋さんでも泣かずに明るく話す。
沈黙があったら考えてしまうからマシンガントーク。
お通じのお薬を処方してもらってたので調剤薬局に寄る。
待合室でドラマが流れててちょうど赤ちゃんが産まれて幸せそうな父と母の顔が写り祖父が嬉しそうに命名書を書いて飾るシーンだった。
涙が流れた。夫は気づいていただろうけど見られたくなくて背を向けて涙を拭く。
職場に連絡をする。直属の上司も部長も男性だ。
でも急にお休みをもらったり、術後もなってみないと出勤できる状態かわからない。
ごまかさずにちゃんと本当のことを伝えないと変に怪しまれるのはいやだ。
私は明るく、できるだけ暗くならないように状況を説明し、術後1週間は在宅勤務で対応することとなった。
息子の保育園お迎えまでなんかぱーっと気分転換で遊びに行こう!となり夫とクレーンゲームをしに。
全然取れなくて(2人とも下手すぎw)おもしろくなくてなんだか疲れて帰ってきた。
普段だったらクレーンゲーム家族で行くとめっちゃ盛り上がるのにな〜
一緒に過ごす夫は普段より少し優しく感じる。
彼も傷ついているはずなのに優しく穏やかに寄り添ってくれる。
帰ってきて息子の迎えに行くまで昼寝しようと2人それぞれソファの上、ヨギボーの上で少し離れた場所でゴロゴロ。
夫はきっと気疲れしたのかすぐ寝息を立てた。
私はやっと検索エンジンで「稽留流産 術後」「稽留流産 手術 レポ」などで検索し始める。
術後の心身の状態が全く読めなかったのでどんなふうになるのか、仕事に行ける状態なのか、みんな休んでるのか知りたかった。
流産体験記を書いている方は少なくて、3名ほど辿り着いて読んだ。
そりゃ、こんなに悲しい気持ちを人に言うのも躊躇するし暗くなるしましてや発信なんてしないよなと思いながら探し、見つけては長い記事を読む。
術後メンタルの不調から2週間ほど休んだ方もいたし、翌日から仕事に行った方もいた。
横になりながらだらだらとページをスクロールする。一つの文が目に留まる。
"今思うと100%納得のタイミングじゃなかったから赤ちゃんに見抜かれてたのかな?"
淡々と冷静に手術がどんなものなのか調べていたはずの手が止まり、気づけばスマホの画面を消して毛布にうずくまり、泣いていた。
夫が近くで寝ているので起こさないように声を押し殺すも、どんどん嗚咽がひどくなる。
泣き虫の私が今日1日我慢して数滴しか涙を流していなかった。その分溢れ出すようにいつぶりだろうってくらいたくさん涙が出た。
私は今回の妊娠が100%望んだタイミングだったし春には赤ちゃんを抱いて息子と手を繋いで歩いている予定だったから。
なんで私の赤ちゃんはいなくなっちゃったの?
タイミングは完璧だったのに...
納得できない。なにがだめだったの?悔しい。
泣き声に気づいて寄り添ってくれる夫。
何も言わない。ピタッと横にくっついてるだけ。
ランチしながら
"励ますつもりでも何気なく言った言葉で傷つけてしまうかもしれへんし..."
って言ってたもんなあ。かける言葉わかんないよね。私もなんて言われたら救われるのかわかんない。
でもその無言の優しさが胸に沁みた。
4.5人に一人の妊婦がこの悲しみを経験しているということはそれと同じ人数の夫がこの悲しみを経験してる。
わざわざ人に言うことでもないし私は知らないだけでこの悲しみを背負って生きてる人ってきっと近くにもいっぱいいるんだよな...
夫も傷ついてるはずなのに優しく寄り添ってくれて本当にありがとう。
一通り泣いて一旦落ち着いたけど保育園への迎えは行ってもらうことにした。
久しぶりに湯船にお湯を張って息子とゆっくりお風呂に浸かった。
晩御飯はつくれません宣言したら夫が使ってくれた。
息子の寝かしつけ後、改めて手術の同意書にサインしてもらいながらこんな流れだよと夫に伝える。
緊急連絡先に書くために母親にも報告。
エコー写真を見る。9w2dとある。きっと心拍が止まってしまった日。
便秘でトイレに篭ってた日の推定週数とピッタリ一致する。
もしかして赤ちゃん苦しかったのかな…
ごめんね。今原因が分かったってそれが原因じゃなくたってどうにもしてあげられないんだ。
私はどうしたら納得できるのか。
頭では納得してる。仕方ないことだって分かってる。
これでもし原因がその日のことだと言われたら納得できるのか?
母体のせいじゃないって確定診断が出たら納得できるのか?
理解はしてるけどどうしても納得できない。
赤ちゃんはなにを私に伝えようとしてくれてるの?
最近は23時には夫婦揃って布団に入る日々だったけど久しぶりに1時過ぎまでただただおしゃべりをした。
というか私がたぶん喋っていないと怖くて、無言になると考えてしまうのが怖くてずっと喋ってた。いろんなことを。
普段より少し優しい夫がどんな話も聞いてくれて、普段なら喧嘩に発展しそうな話でも穏やかに聞いてくれて、いっぱいお話しした。
声も枯れて眠くもなってきたから布団に入る。
寝られない。でも考えたくない。
何も考えないようにただ脳内の映像が真っ暗からくだらない夢に変わる瞬間を待った。
■流産発覚~手術前日
9/21 三連休初日/手術3日前
毎日6:30に起きるけどその日は寝たり起きたりお布団の中で繰り返し、8時まで布団にいた。
息子も夫もすでに布団から出ていた。
この日は職場の人たちとランチに行く約束をしていた。
正直いくかめっちゃ悩んだけど家にいても考えて暗くなるくらいならでかけよう!
と息子を連れてでかけた。
火曜日の手術までの3日間いつ腹痛、出血があるかわからない。
そこだけは毎日ドキドキしてた。
万が一、お腹の中の赤ちゃんが出てきてしまった時用に
カバンにはジッパー付き袋、タオル2枚、夜用ナプキンを入れて、
生理用の吸水ショーツを身につけてでかけた。
ランチ中に腹痛や出血が起こることもなく無事楽しく過ごすことができた。帰宅して息子を昼寝させたりダラダラと過ごした。とにかくやる気が湧かない。晩御飯は私が作れない状態と察したのか夫が気を遣って「ピザ頼もう!」と言ってくれてピザをデリバリーした。
9/22 三連休2日目/手術2日前
息子とお菓子作りしたりゆったりおうちで過ごした。
息子と一緒に21時ごろに寝たけど23時ごろ目が覚めてしまってしばらく寝る努力をしたけど4時ごろまで起きてた。
もうある程度気持ちも落ち着いてたつもりでいたし、覚悟もできていたつもりなのに夜風にあたると涙がぼろぼろ出てきた。
9/23 三連休最終日/手術前日
祝日だったけど出勤日で、会社に行く。
出血があってもいいようにタオルもろもろの用意と、血液がついていもいいように洋服は全身真っ黒で。
上司から部長には連絡済みで、部長から「無理しないで」と声をかけてもらう。
私への態度が優しいんだけど腫れ物に触るみたいで嫌だった。
顔に「なんて声かけたらいいんだろう」って書いてあるっちゅーねん。
体調は悪くなかったし、出血や体調の変化が起こることなく1日終えた。
夜は夫が作ってくれたご飯を食べて息子と一緒に21時ごろ就寝。朝までぐっすり眠れた。
手術当日まできちんとお腹の中にいてくれてありがとう。
お母さんに痛い思いさせないようにと気を使ってくれてありがとう。
もっと長く一緒にいたかったしもっとなでてあげたかったよ。
息子はせっかちではやく出てきたがったけど赤ちゃんはきっとマイペースで完璧なタイミングで来たと思ったのに忘れものしちゃって取りに帰っちゃったのかな?
忘れ物取りに帰ったらまたお母さんのところにもどってきてね。
と赤ちゃんに伝わるように何度も何度もお腹を撫でながら眠った。
■手術当日の流れ
9/24 手術当日
朝、息子と夫を送り出し9時に産院に着くように予約していたタクシーに乗り込む。
当日は
・朝ごはん×
・運転×
・コンタクト×
・ネイル×
・指輪×
でした。
おおまかな流れは以下のとおり。
・手術自体は11:30-12:30の間の15分ほど。全身麻酔で行うため痛くない。
・手術前に子宮口を2時間ほどかけてゆっくり拡げる処置と点滴を行う。
・麻酔が覚めて歩けるようになったら帰宅可能。14時には帰宅できる予定。
9:00頃 1回目の処置
内診台にあがり最後のエコー。赤ちゃんの姿が見える。バイバイ。またね。
お股にラミナリア(海藻でできた棒状のもので子宮口を拡げるために挿入する)を入れる。「チクっとするよ」と何度も先生が言うので恐怖で震えた。
個人的な意見ですが私はほとんど痛みを感じませんでした。
9:30頃 点滴開始
部屋に案内され、手術着に着替える。
出産後の患者さんも同じ階に入院している様子。私がナースステーションの前を通る時は赤ちゃんが見られるガラス窓はしっかりカーテンが閉められ、お部屋は誰にも会わなさそうな一番奥。
徹底した配慮で素晴らしいんだけどなんだかこの”腫物に触る感じ”がつらい。
点滴の針を入れ、水分補給の点滴30分、抗生剤の点滴1時間だそう。
点滴の交換時のみ看護師さんを呼び、あとは部屋でゆっくり過ごす。
ラミナリアを入れたことで腹痛や違和感があるのかと思ったがそこも特になし。点滴の針だけが痛い。
イヤホンを持ってきていなかったのでスピーカーにしてAudibleで本を聞く。
ちなみに聞いていたのは「成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈」
ふふっと笑えて元気が出ました。点滴中に悲しくなって涙が出ることがなかったのは成瀬のおかげかも。ありがとう。
点滴の交換時に看護師さんから「11:45から手術開始します。11:30に迎えにくるのでトイレを済ませておいてくださいね。」と伝えられる。
手術開始時間が決定したことを夫に伝える。
「こわがらんでも大丈夫やから落ち着いてな」
普段こんなこと言わないのに言ってくれて一気に不安がなくなる。
朝から何も食べたらだめで帰宅も14時ごろになるということで目覚めたときに軽くお腹に入れられるよう、おにぎりも持たせてくれて
「帰ってきてお腹空いてたらuberでもなんでも頼んでいいからな」
って言ってくれて普段は喧嘩も多いけど暖かい言葉に何度も救われた。
11:30 手術室に移動
分娩台と同じかな?手術台に乗る。
足を固定されたり、下着を外されて緊張と恐怖で身体が硬くなるのを感じる。
私の開けられたお股の前で看護師さんたちが他の仕事の連絡をし出して、私からしたらお股丸見えで恥ずかしいのに看護師さんたち慣れすぎてなんとも思ってないやん~
主治医と担当の看護師が入ってきて看護師さんが
「目が覚めたら全部終わってるからね、目が覚めて部屋に帰れそうだったらナースコールを押してね」といった後、点滴で麻酔を入れる。
「私の後に数を数えてくださいね」と言われ、初めての全身麻酔でドキドキする。
14まで数えたら視界がドラマや映画のように歪む。
看護師さんが15を数えるのは聞こえたけど、自分が15と数えることはなく意識を失う。
術中、うっすら掃除機のような音が聞こえた気がする…
赤ちゃんが吸引された音かな。
12:10頃 目が覚める
目が覚めると急激な腹痛(生理痛を強くした感じ)と吐き気に襲われ、ナースコールを探す。
この腹痛は息子を出産した時の後陣痛そのものでした。
子宮から赤ちゃんがいなくなって急激に子宮が収縮している痛さ。
急激な腹痛と恐怖からくる本能的な「帰りたい」気持ちでパニックになり、とにかくナースコールを押す。
意識がまだ朦朧とする中「目、覚めたんですけどどうしたらいいんでしたっけ」と意味の分からないことを看護師さんに言う。
看護師さんは落ち着いていて「まだ歩けなさそうだし、もう少しここで休んでからお部屋に戻りましょうね」と去っていく。
痛すぎて寝られない…とりあえず今何時?と時計を探し頭上に壁掛け時計を見つけて確認できた時間は12時過ぎだった。
痛みに耐えながらなんとか20分睡眠が2回ほどできた。
12:50頃 部屋に戻る
腹痛もかなり収まり、2名の看護師さん付き添いの元、部屋に戻らせてもらう。
「帰れそうになったらナースコール押してください。お会計しますね。」とのこと。
意識ははっきりはしているけどまだ少しぼーっとして目が回る感じ。
夫に連絡だけして少し寝てから帰ろうとスマホを取り出し無事手術を終えたことを報告。
少し寝ようとしたけど、眠れず横になりながら1時間ほどスマホを眺めていたらかなり回復したので、ナースコールを押し看護師さんに来てもらう。
お会計をすまし、タクシーを待つ間に夫の作ったおにぎりを食べて帰宅。
14:00頃 産院を出る
予定通り14時に産院を出ることができた。お腹の痛みやめまいなどは特になく体は思ったより元気だったが、出血はしっかりめにあり、恐怖やストレスを感じたことによる、精神的疲労はかなりあったので夫と息子が帰宅するまでだらだらゴロゴロ過ごした。
■術後1週間健診までの体の様子
9/25 手術翌日
術後健診で産院へ。エコーで子宮の様子を見て終了。特に異常なし。
お薬について
産院から4種類の薬が処方され毎食後に服用する。(1週間分)
・子宮の収縮を促す薬
・抗生物質
・胃薬
・痛み止め
子宮収縮の薬を飲んで30分ほどすると急激な腹痛(生理痛を強くしたような感じ)に襲われる。
1週間のみましたが朝と夜に激しく痛くなることがあり、何度か痛み止めを飲みました。
出血について
軽めの生理くらいの出血が1週間続きました。
初めは少し多いですがだんだんと落ち着いてきます。
期間も1週間ほどなので普段の生理のようでした。
1週間を過ぎた後もまれに茶色のおりものはありました。
普段の生活について
・1週間後の術後健診までは湯舟はNG
・それ以外の普段の生活はしてOK
・スポーツOK
・性交渉は術後10日ほど経って出血がなければOK
・激しい腹痛や血の塊が出るなどの症状があれば産院へ
・手術から約4週間後に次の生理がきたら妊活OK
お仕事について
私の場合は事務仕事(派遣OL)なので在宅勤務で対応することができました。
お薬の影響で何度か腹痛があったので出社していたらつらかったかなと思います。
かといって1週間お休みをいただいていたらふとした時に考えてしまったりなかなか立ち直れなかったかもしれないので、お仕事自体はしていてよかったです。
今回1週間在宅勤務していたことで同僚には体調不良ということにしていましたが、何名か気にかけて様子を聞いてくださる方がいたので「婦人系のあれで…あんまり皆さんに言いたくなくて…」と言ったり「婦人系の疾患で日帰りの手術を受けた」ということはやんわり伝えていました。
10/2 術後1週間健診
術後健診で産院へ。エコーで子宮の様子をみて終了。特に異常なし。
最後に主治医が優しく丁寧に今後の妊娠や生活について改めてご説明してくださり、聞きたいことがないか確認してくださり、
「あなたが悪いわけじゃないからね。またよかったら、次の妊娠でここで会おうね。」
と言ってくださり、涙が出そうになりました。
術後経過まとめ
無事術後健診も終え、湯船も解禁されたので完全に元通りの生活になりました。
お薬を飲んでいる間は腹痛があるたび思い出して悲しくなって涙を流すこともありました。
子宮が痛い=流産した という事実を突きつけられてつらかったです。
腹痛があることでなかなか思い通りの生活を過ごすことができないこともあり、いつ体が元通りになるのか、もう一生痛いんじゃないかと不安とつらさで涙することもありました。(痛み自体は少し強い生理痛くらいなんですが…精神的に参っていたんだと思います。)
薬を飲み終え1週間経つと体はほとんど元通り、少し茶色のおりものはありますが、とっても元気です。
点滴のあとが結構がっつり内出血して1週間は痛みもあり、その後はだんだんどす黒くなるので同僚に「どうしたんそれ!!?」と聞かれることもありました。
キレイになるまで3週間以上はかかったと思います。
当たり前ですが、赤ちゃんがいなくなったら「つわり」はなくなります。
私の場合つわりと言っていいかわからないほどのとっても軽いつわりですが、食べ物の好みや嗅覚が元に戻ると、確かに存在していたんだなと改めて感じさせられました。
心はたまに思い出して悲しくなりますが、赤ちゃんを見ても涙が流れたりすることはなくなりました。
改めて息子が生まれてきてくれたこと、夫がそばにいてくれることに感謝できるようになりました。
帰りにブーケを買って帰りました。秋らしい色のダリアとカーネーション。
次会える時はどのお花の季節かな?
いつでもいいよ。どのタイミングでもうれしいよ。どんな子でもうれしいよ。
また会える日を楽しみにしていますね。
〇妊娠発覚から術後1週間健診までの総費用
妊娠発覚後初診 ¥5,930
妊婦健診(流産発覚) ¥4,470
薬代 ¥610
流産手術(日帰り) ¥28,900
手術日交通費(往復タクシー) ¥4,600
術後健診(翌日) ¥2,900
術後健診(1週間後) ¥2,900
診断書作成料 ¥3,300
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合計 ¥53,610
母子手帳が交付されたあとであれば、妊婦健診の補助が出ますが私は母子手帳交付前の流産だったため2回の健診どちらも補助なしです。
産院は自宅から車で15分ほどの隣市でした。
手術日のみ麻酔を使用するため運転禁止だったのでタクシーで移動しました。
お住まいの自治体や受診される病院によって費用は異なります。
〇医療保険からの給付金
はなさく生命の「はなさく医療」に加入しており、
10/2 診断書をマイページにアップロードし、給付金申請
10/9 給付金入金
と、1週間で給付金が降りて、申請もスマホから簡単にできました。
日帰りの流産手術で給付金の内容は以下のとおり
医療終身保険 日額 ¥3,000
手術給付金(日額×10倍) ¥30,000
入院一時給付(特約) ¥100,000
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合計 ¥133,000
健診や手術費用を差し引いても +¥79,390 となりました!
約3年分の月の支払がチャラになりました(笑)
最近は手術も日帰りが増えているので日額を最低限にして月々の支払いを抑えて、日帰りでも給付が出るように入院特約をつけています。
切迫早産や、帝王切開でも給付金が降りるので、妊娠前に加入してよかったなと思います。
お金が入ると心にも余裕ができますし、やっぱりちょっと嬉しいです(笑)
おわりに
1万字を超えるロングレポートでした。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
そしてお疲れ様でした。
少しでも誰かのお役に立てていれば私はもちろん、赤ちゃんもきっとうれしいはずです。
辛かったらこのnoteのコメント欄にでも気持ちを吐き出してね。
おわり