10/8
昨日の今日で、気持ちが切り替わるはずもなく。
亡くなった猫を箱に入れて保冷材で冷やしていたら、夜中、もう一匹が一緒に箱に入って横になっていた。一番寂しいのはこの子だろうと思う。一緒に生まれて一緒に生きてきたのだから。死が分かっているのか、分からず寝ていると思っているのか、こちらには知りようがないけど好きなようにさせてあげたいと思って。体が大きいから踏みつぶしそうでちょっと心配したよ。
昨日は仕事を休んで一緒にいてあげられて本当に良かった。私と父が帰ってきたらもう冷たくなっていて…なんてことになったら私はひどく後悔しただろうし、そばにいて少しでもひとりじゃないと、私のか細い生命エネルギーでも分け与えられていたらと切実に願います。
私の寿命いくらでもあげる。6月にもそう言ったし、昨日も言った。十分使ってくれたかな。丈夫に生まれてきた甲斐があるというものです。
6月に奇跡的な復活を遂げた時も、毎日昼休憩中に家に帰って様子を見て、毎晩隣で眠って、とにかくずっとそばにいた。家族みんながよく頑張ったと労ってくれたけど私自身が後悔したくなかったのだ。昨日も同じようにそばにいてあげられて、悔いはないとちゃんと思えてよかった。
6月、7月、8月、9月…4か月間も。こんなにも時間をくれた。おかげで私は今一度猫との時間を大事にすることができたし、何度も何度も言葉や行動で気持ちを伝えることができた。美味しいご飯もいっぱい食べてもらえた。きっと家族全員同じ気持ちだったと思う。
猫の名前は、私が拾ってきたときに付けた。
白い毛にハートのような形の柄が、まるで空に雲が浮かんでいるようだから空(くう)ちゃん。小学生が捻りだしたにしては何とも素晴らしい名前。
最初に頭に浮かんだ曲は小鳥さんの「空」だった。
この曲を聴くといつも胸がいっぱいになって、ときどき泣いてしまう。小鳥さんの優しい歌声がすべてを包んでくれるようで。
明るくて朗らかで、涙さえも掬ってくれる。不安な心を勇気づけて未来に向かう背中を優しく押してくれる。自分をもっと信じるの、と。
一日一日を繋いで、巡り巡って、すべてがその営みの中にある。アイドルマスターはいつもそう言ってくれる。特別な瞬間も何気ない日常も、笑顔の日も涙の日も、朝も夜も、春も夏も秋も冬も、みんなみんなそう。そして、そんな円環の中にいることの幸せを教えてくれる。
猫も私もそう。近くにいても遠くにいても、これまでもこれからも、変わらず一日ずつ一歩ずつ続いていく。繋いでいく。いつまでもこどものように軽やかで無邪気で、本当に空に浮かぶ雲のような子だった。この歌が頭に浮かぶような、そんな子だった。私も自分にちゃんと素直に、自分をもっと信じて、今日も明日も明後日もがんばるね、くうちゃん。
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