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鳥インフルを思い返す
香川で鳥インフルエンザ
写真は以前に香川を訪れる途中に瀬戸大橋を撮ったものです。
今香川県では鳥インフルエンザが流行中。
ニュースなどで「処分」という文字を目にすると思いますが、これはどういうことが行われているのでしょうか。
私も専門家ではないのですが、経験したことを書き留めておこうと思います。
※処分自体に賛否あると思います。
感想を述べるものでなく、当時を振り返るものです。
表現には注意しますが苦手な方は、私の食レポでもあるInstagramをご覧ください。
誰が処分するの?
処分するのは、養鶏場の方だけではなく、自衛隊や自治体職員です。
72時間以内に処分するというルールがあったような気がします・・・ということで24時間体制で行われます。
「今から行ける人いますか?その次の便で誰が行けますか?」といった調子でメンバー表が作られていきます。
特定の持病があったり、家で家畜を飼っている人は対象外です。
同じ人が24時間働きっぱなしということはありませんが、専門職種や医師、保健師、何より養鶏場の人は寝る暇もなさそうです。
現地での流れ
まずは検温などを済ませて、医師の問診を受けます。
体調や病歴から出動可能かチェックされて、現地のテントへ向かいます。
そこで防護服を着て、キャップ、ゴーグル、マスクのすごいやつを装着して、外の世界と自分を遮断します。
ここで人の見分けがつかなくなるので、マジックで背中に大きく名前を書かれます。
ここからの作業は長くても3時間程度です。
時系列としては、卵の廃棄、処分ケースの運搬、捕獲、封入、運搬、焼却の順に進められていきます。
(作業内容は行くタイミングによって異なります。)
封入後の運搬は、重量の関係で男性のお仕事になり、現地ではなく焼却場へ行きますが、その焼却場が明かされることはありませんでした。
そして、作業が終了したら保健師の指導の下、安全に装備を外して、もう一度問診を受けて、検温、予防のためのタミフルを服用します。
(時間帯によってはこの後食事が配布されますが、私は初回にチキン南蛮弁当が配られて衝撃を受けました。)
実際にどのような作業をしたのか
初回は受け取ってケースに入れる作業をしました。
(なるべくシンプルに書いたつもりです。)
途中でリタイヤする人ももちろんいます。
私はイヌやネコでさえ触れないような人なので、脳内でイラストで処理するしかなかったです。
しかし2回目は全く違いました。
防護服があまりにもスムーズに装着できて、先頭に並んでいると「前から2人こちらに来てください」と言われ、鶏舎と全然違う場所へ連れて行かれました。
車の消毒です。
こんなにラッキーなことはありません。
車が敷地から出入りする際に、消毒液をタイヤに噴霧する作業でした。
これは感染予防にはとても大事ですが、他の作業に比べてあまりにも楽をしているのではないかという罪悪感もありました。
このようなラッキーな場合もあれば、体調の関係でひたすら人の背中に名前を書く係りの人や用具を用意する人、フォークリフトの免許を持っていたおかげで鶏舎に入らない作業ができた人など様々ですが、どれも必要な役割には違いないです。
2回目の作業から戻ると、数日後に焼却場の担当に名前が入っていたので、力のありそうな男性に替わってもらいました。
(私が腰痛持ちなのはプロフィール参照)
被害が拡大して大丈夫なのか?
大丈夫なわけはないのですが、コロナで忙しい時期に被害が拡大して、本当に疲弊していることと思います。
他県からの応援もあると思いますが、制限時間内にノウハウを伝えて適切に処理することはすごく難しいです。
このようにして自治体同士で困ったときに助け合うことはよくあります。
いろいろな危機を乗り越える
鳥インフルエンザに限らず、地震をはじめとした自然災害のときには、様々な団体や地域が協力して乗り越えなければならないことがあります。
想像しやすいところでは、避難所の運営などがあります。
私は建築を専門としているので、建物に関する被害や復旧には協力していかなくてはならないという意識が特にあります。
でも、まずは自分の身を守ること。
大事な家族を守ること。
その次に、何ができるか考えていきたいと思います。