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見えないものが見えるようになるには。見えないのは自分で目を耳を塞いでいるから!

こんにちは、大橋しんです。アレクサンダーテクニーク教師そして理学療法士として人の体と心をふんわりさせる仕事をしています。

今日はアレクサンダーテクニーク教師養成校の生徒さんらと書店へ行き、出版に関するフィールドワークをしてきました。

出版の、というか自己表現のためのキーワードを見つけるために…。

どうして僕らは、一人だと発想にすぐ限界が来るのか…果たしてそれは打ち破れるのか?

キーワードを探す…大量の本を前にその情報量の多さに圧倒されますが、それも最初だけで自分の興味のあるものにはすぐに目が行きます。

圧倒された情報量はどこへ行ったか?

脳がストレスを避けるために、情報を遮断したのです。

遮断したうえで、自分の興味のフィルターをくぐり抜けた言葉から見えてくる。

そんな言葉は自分が「好き」だったり「近しい」感じがします。

これはカクテルパーティー効果というもの。ザワザワしたパーティ会場であっても、好きな人とのお喋りは聴こえてしまう。

さてそうなると見たいものだけを見ることになります。これはローマ帝国のカエサルも下のような言葉を残してますね。

「私たちは見たいものだけしか見ていないし、見たくないものを見ようとしない」

そうすると新しい学びを求めて買った本も相変わらず似たようなものだったりするのです。

自己表現のキーワードだって同じようなものしか浮かび上がってこない。

自分の発想を超えた、フレッシュな出会いはどうしたらできるのか?

知らないうちに塞いだ目や耳から手を離してやる…どうやって?

僕はまず生徒さんに20分で、興味のあるキーワードが入っている本を10冊選ぶという課題を出しました。

その次に、その中で最も多かった本棚を特定しました。

その前で40分間その本棚を眺め、そのうち目に付くキーワードを30個メモするようにさらに課題を出しました。

さて、結果は…拾ったキーワードは全然違う!

この二つの課題の違いは…

前者は興味で見たのに対し、後者は興味が尽きても見続けたから、他のものが見えてきたのです。

分かりますか?前者は他人と共有しにくい自分の価値から、後者は他人と共有しやすい無難な共通価値から選んでいるのです。

つまり自分の価値基準で選んだ言葉は好きなのに伝わりにくいのです!

逆に、自分は興味がないのにやたら刺激してくる言葉は好きでもないのに伝わりやすい…!


伝わりやすい言葉は、好きでないがため、興味が湧かないがために見えなかったのです。

ヘンでしょ?万人にとって伝わりやすいものが見えなかったっていうのが。

実は目に入っていても最初から無視していた、差別していたのです。


僕はこの脳の情報遮断システムに、私たちの隠れた差別意識が関わっていることに気付きました。

そんな大袈裟な、と思うかもしれませんが、その働きが私たちの日常の心地よさ、心地酔いやすさを補償してくれているのです。

本当に。こういう事は海外に住んで差別される側になった経験があるから何とか気付けたのだと思います。

そしてその潜在意識が自己表現を無難なものに抑制している。

自分は替えの利かない存在である…それを証明・表明するためには、そこを越える必要があるな、と思います。

出版して本がちゃんと売れるって、そういう事だと思います(金を注ぎ込んだ不自然なキャンペーンなしに)。

また、無難な自己表現を越える必要がなかったらそのままでいいとも思います。

僕はそう思わなかったから、自分の差別意識を無視するのをやめて共通価値と自己価値のハイブリッドで随分ややこしい表現をしながら、ボーダーライン上でバランスを取っている…そうしているつもりです。

今回は重くなっちゃったかな…。今度は軽いお話をします!








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