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著書一作目のテーマが姿勢になった理由

どうもこんにちは、大橋しんです。アレクサンダーテクニーク教師そして理学療法士として、人の体と心をふんわりさせる仕事をしています。

今日は著作のテーマについて書いてみます。

僕の処女作「魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本」のテーマは、一目見てわかるように「姿勢」です。

このテーマは実は自分の意思ではなく、担当編集者さんが決めた事なのです。

そう、著者が決めていないのです。養老孟司さんも「バカの壁」なんて自分で言っていないと仰っていました。

きっと出版っていずれもそんな感じだと思いますが、経緯はというと…。

僕が出版社に送った企画書のテーマは「呼吸」でした。

呼吸で体が整うといった内容だったのですが、担当編集者さんが手に取って、僕の事を調べてから連絡して来られました。

声をかけられた時に「もしですが、呼吸でなく姿勢がテーマでも書けますか?」と言われたのです。

因みに最初のコンタクトは電話でした。他の出版社からも声をかけられた事がありますがそれも電話でした。電話で問い合わせてくるって本気度が高いんでしょうね。

本題に戻ります。姿勢と言われて一瞬躊躇しました。

アレクサンダーテクニーク教師は「よい姿勢」を意識して人は体を固める事をよく知っているので、業界ではタブー視されているのです。

しかし、「本の最初の方で姿勢を再定義しておけばいい」と瞬時に思い直し、できると答えました。

そしてその話は順調に進み、一年後に無事出版にされた、というわけです。

さて、担当編集者さんはなぜ呼吸ではなく姿勢をテーマにしたかったのでしょうか?

答えは簡単。売りやすいからです。

呼吸より姿勢に問題意識がある人が圧倒的に多いからですが、ここを掘り進めると商業出版についてもう少しクリアになるので書いておきます。

姿勢に問題意識がある、という文には何にも違和感を抱きませんが、呼吸に問題意識がある、と言われるとちょっと違和感を感じませんか?

違和感というか疑問が。文章は成立しているのですが、前提ありきな感じですね。

一方、姿勢は「困っている」のを理由なしに察知できてしまいます。

実は、呼吸と姿勢はニーズとして同列で扱えないワードなのです。呼吸をテーマにするときは、苦しいから困る・切れるから楽にしたい・喘息があるからなどの前提が必要なので、主題にいきなり持ってくるには苦しいのです。

本は商品であり費用に見合った受益が必要なので、呼吸だと「誰が何を得られるか」がぼやけてしまう可能性が高くなる、という事です。

1億人の集団の中で姿勢に問題意識がある人は例えば1000万人だとすると、呼吸に問題意識がある人は1万人くらいのイメージでしょうか。マーケットが小さい呼吸では最初から不利なんですね。

というわけで姿勢をテーマに、と提案されましたし、僕はそれの自分の中で条件付けをして、受諾したというわけです。

重要な時に意地は張らない方がいいですね!

ところで、結果的に僕の呼吸の企画書を担当編集者さんが拾い上げましたが、その理由を聞いた事があります。

そうです。テーマより重要なところがあるのですよ!その理由を次回書いてみますね!

ではまた。

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