ソアリンファンタスティックフライト
2019/7/23にTDSのメディテレーニアンハーバーにオープンした「ソアリン ファンタスティックフライト」。このアトラクションですが、久しぶりに非常にBGSが深いアトラクションになっています!そこで自分用のメモも含めてソアリンのBGSをまとめたいと思います。
ソアリン概要
まずはソアリン自体のアトラクションについて。TDRの公式サイトより引用です。
・ファストパス対象アトラクション
・タイプ:ライド/シアター型アトラクション
・身長制限:102cm以上
・提供:新菱冷熱工業株式会社
・所要時間:5分
・定員:87名/シアター×2シアター
まず、ソアリンという意味、英語で書くとsoaring(海外アトラクションだと省略形のsoarin')、soarという動詞のing形になります。soarとは「上昇する、舞い上がる、滑空する」という意味。そのため、このアトラクションではその「soar」という感覚が味わえると思います。
アトラクションとしては、180度半球体(球体の半分)スクリーンのシアター型アトラクション。似たようなアトラクションとしては富士急ハイランドの富士飛行社、そしてUSJのハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー™でも同じような体験ができます。ハリーポッターに関しては、アトラクションの途中で映像の場面が出てくると思うんですが、ほぼ同じに近いです。(ハリーポッターのほうは完全なライド型なのでもう少し違う構造なんですが…。これも記事で書きたいですね。)
ざっくりなイメージとしては以下の構造です。
次に提供の新菱冷熱工業株式会社、この会社は大型冷暖房設備に関する会社で、地域冷暖房(地域全体に対する冷暖房装置)の国内シェアNo.1らしいです。
最後に待ち時間に関して、初日は5時間越えと話題になりましたが、原因として人気、話題性だけでなく、回転率の悪さがあげられますね。
上記を見ると、所要時間5分で捌ける人数は87名/シアター×2シアター=174名、そして所要時間5分とは言っているものの、入れ替えの時間も考慮すると、10分程度はかかると考えられます。
これを1分あたりに換算すると、17.4名程度。1日換算すると、大体オープン時間は8:00~22:00なので、14時間程度。すると、17.5名/分×60分/時間×14時間=14616名。これは全稼働時において、空き座席がなかった場合、すなわち1日あたりにソアリンを体験できる人数の最大値になります。このアトラクションは1名や2名の空きがあった場合にそこを埋めるためのシングルライダー制度はないため、実際に体験できる人数は10000人程度だと考えられます。
もちろんこれより回転率が低いアトラクション(ダンボとかダンボとかダンボとか)ありますが、これがどれくらい少ないか1日の来場者から考えます。2018年のTDR全体の来客数は1年間(365日)で32,558,000名と発表されております。すなわち1日当たり平均8万人程度。TDSは海があるため、TDLのほうが少し広いということも考えると、日にはよりますが、大体TDSの平均は3万人程度(少しすくなく見込んで大体で計算しているので、多分もう少しいます)と推測できます。これはすなわち、来場者の1/3程度しか体験できないということになります。(回転率だけをまとめた記事作りたいな…)
長くなりましたが、すなわち人気かどうかは別として、アトラクションの特性上待ち列(キューライン)は長くなりやすいということです。
海外のソアリン
ソアリンは2005年カリフォルニアでオープンし、当時の名前はSoarin' Over California。BGSというものも特にはないんですが、カリフォルニアの航空産業に敬意を払う目的で作成されたアトラクション。キューラインでは航空に関する偉人などが展示されており、アトラクションでは飛行機の倉庫からハンググライダーでカリフォルニア上空に飛び立つというストーリー(だと思う)。現在はSoarin' Around the Worldに名前を変更し、カリフォルニアだけでなく世界旅行をするという映像になっています。
同時期にフロリダの方でもエプコットにオープンしており、こちらは、空港をイメージした建物から、カリフォルニアに飛び立つイメージらしいですが、映像はほぼ同じ。カリフォルニアのリニューアルと同時にこちらもリニューアルしました。
次のオープンは上海。こちらは上海ディズニーランドオープンと同時の2016年にSoaring Over the Horizonという名でオープン。こちらは前者らよりも少し凝っていて、場所はアボリ族の天文台という設定らしい。そこでコンドルとかいろんな動物に変身できるおばさんに出会い、様々なところに連れて行ってくれるって設定らしいです。
ソアリンのBGS
長くなりましたが、ここからが本題。海外のソアリンの違いは2つ。(乗ってないので聞く話によると)コンテンツに東京やTDSが含まれる部分と、BGSが全く違うものになっているところ。すなわち、TDSのソアリンの肝はこのBGSなんです!ということで、ソアリンのBGSについて長々と紹介したいと思います。
S.E.A.(Society of Explorers and Adventurers)
ソアリンの話をしたいんですが、その前にフォートレスエクスプロレーションあたりのお話をしないと実は話が進まないというのも面白いんですね
多分ここら辺ガチで細かく書くと長くなりそうなので、端的に。(と言っても長くなると思います。)
S.E.A. (Society of Explorers and Adventurers)とは、冒険家、探検家らによる組織で、新たな発見、知識、芸術を広めるためにできた組織。まぁ、冒険家、探検家の学会です。
発足は1538年8月12日。当時の会員としては、芸術家レオナルドダビンチや探検家マルコポーロやコロンブス、天動説のプトレマイオスなど。その後19世紀に再度活動が見られますが、その話は出てこないので割愛します。
S.E.A.の理念
重きを置いているのは以下の4つ。
・冒険
・ロマンス
・発見
・発明
これらは紋章にも以下のように対応付けられてます。(下図はTDS公式サイトより)
・ガリオン船(右上)→冒険
・アーミラリー天球(左上)→ロマンス
・羅針盤(右下)→発見
・絵筆や彫刻道具(左下)→発明
フォートレスエクスプロレーション
プロメテウス火山の前にそびえる金色のドームが特徴の要塞。あれをフォートレスエクスプロレーションといいます。フォートレスエクスプロレーションは、簡潔に言うとイベリア半島に置かれたS.E.A.の拠点。メディテレーニアンハーバー一帯の土地を所有するザンビーニブラザーズからS.E.A.の将来性を鑑みて譲渡され、スペイン国王カルロス1世によって建設されたものです。そこでは様々な展示物があり、当時の技術や研究などを見ることができます。
その中でもソアリンと関係ある言えば、フライングマシーン。これはレオナルドダヴィンチが1490年に設計したオーニソプター(羽ばたき式飛行機)を再現したもの。これは実際に鳥の翼の構造を研究し、それをもとに設計したものらしいです。ちなみにこれはソアリンのキューラインにもこれを描いた絵画があるらしいので。
ファンタスティック・フライト・ミュージアム
本アトラクションの舞台は「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」。ここで現在行われているのが、初の女性S.E.A.会員カメリア・ファルコ(後述)の生誕100周年を記念して、カメリア・ファルコの生涯を振り返る特別展が行われています。そこにゲストに参加するわけですが…。ってストーリーです。
博物館の概要
次に博物館の歴史について。この博物館は、アトラクションの主人公であるカメリア・ファルコの父親であり、航空学に精通していた「チェリーノ・ファルコ」が1815年に創設した博物館です。
チェリーノ・ファルコがこの博物館開設した目的は、自身の飛行に関するコレクションを展示することにより、人類の飛行へのチャレンジ精神とインスピレーションを讃え、その研究成果を共有することにあります。
そしてその2代目館長として「カメリア・ファルコ」が抜擢され、その後前述の通りS.E.A.初の女性会員になります。
そして今回、生誕100周年を記念してカメリア・ファルコの特別展が開かれています。
カメリア・ファルコ
カメリア・ファルコは1801年に誕生しました。カメリアは小さい頃から父の航空学に対する情熱を間近に見ており、この博物館は14歳の頃にオープンしました。ちなみにこの博物館、カメリア生誕100周年ということは、時代は1901年ということですね。ちなみにこのアトラクションがあるメディテレーニアンハーバーの時代設定は20世紀初頭の地中海の港というテーマ、場所はわかりませんが、年代としてはマッチしています。
そしてカメリアの親友のように大切な存在であったはやぶさである「アレッタ」。アレッタはカメリアがどこに行くにも一緒だった存在で、入口付近にある鳥の像のモデルにもなっています。
そしてその後2代目館長を務め、S.E.A.初の女性会員となりました。
そしてカメリアは仲間とともに空飛ぶ乗り物、ドリーム・フライヤーを開発しました。このドリームフライヤーはカメリアの「イマジネーションや夢みる力があれば時空を超え、どこへでも行くことができる」という思いが込められた乗り物です。
建物の壁面
それでは実際に博物館の具体的な説明を。
まず、建物正面にはイリス、イカロス、ダイダロスやペガサス等、「空を飛ぶ」ことに関係あるギリシャ神話に登場する神や人物等が描かれています。(ちなみに、イカロスとその父ダイダロスに関して、ギリシャ神話では、高い塔に幽閉された2人は羽をろうで飛んで逃げたが、高くまで飛んだ結果、太陽で溶けて海に落ちたという話があり、それをもとにしています。)
中庭
そして階段降りたところにある中庭ではレオナルド・ダ・ヴィンチやアリストテレスなどのような「空を飛ぶ」ことに関する偉人の壁画があります。ちなみにレオナルド・ダ・ヴィンチはオープソニター(はばたき機)を設計しました。壁画にはそれが描かれており、実際オープソニターはフォートレスエクスプロレーションにも展示されています。
ロビー
建物内に入るとまずはロビー。ロビーでは、前述した博物館やカメリアの歴史を表す壁画や世界各国(ハワイ、インド、アラビア、ロシア、日本)からのゲストの壁画が飾られています。また、オープンセレモニーでのテープカットで使われたテープとはさみが展示されています。
そしてレセプションにはファルコ家の紋章やS.E.A.の紋章などが飾られています。
常設展示
ロビーを過ぎると円形の広間があり、そこでは常設展示が行われています。
広間の中心にはオベリスク(古代エジプトの記念碑)があり、そこにはS.E.A.の理念ともいう冒険・発見・発明・ロマンスに関するモチーフが彫られています。
実際に常設展示では、「歴史に関する展示」、「生物学に関する展示」、「考古学に関する展示」、「テクノロジーに関する展示」の4つが展示されています。(ちなみにキューラインでは入れませんが、ロビーの入って左側の扉からは、鳥類学の展示が見られるようです。(ロビー内の地図より))
そして上部には世界中の人々の「空を飛ぶ」に対する夢や空想、イマジネーションが描かれています。
特別展
ここではカメリアの生誕100周年を記念して、誕生時や幼少期のカメリアの壁画や冒険先でのスケッチ、研究成果の展示物があります。そしてここでの最も目玉な展示は前述した「ドリーム・フライヤー」なのですが…。
まとめ
以上がソアリンのBGSです。ちなみに、細かいツッコミとして、1901年の設定なのにレインボーブリッジ…(ry。
ちなみに僕はカリフォルニアのバージョンには2回ほど乗ったことある(around the world, over the california両方)のですが、日本のバージョンにはまだ乗ったことないので乗って気づいたことがあればここに追記できればと思っています。
参考文献
[1] ディズニーシー公式サイト
[2] 広報官・空田飛造が徹底解説!東京ディズニーシー「ソアリン:ファンタスティック・フライト」ガイドツアー
[3] Wikipedia
[4]ソアリン・オーバー・ザ・ホライズン | 上海ディズニーランドのクチコミ・感想