書籍紹介|『ストーリーとしての競争戦略』から学ぶ!なぜ「非合理」な選択が最強の戦略なのか?
『ストーリーとしての競争戦略』から学ぶ!なぜ「非合理」な選択が最強の戦略なのか?
おはようございます!
税理士の大橋弘明です。
今日はこれから起業を考えている方に、
ビジネスの参考になる1冊を紹介します。
30万部を超える大ベストセラー、
一橋大学ビジネススクールの
楠木建教授が書かれた
『ストーリーとしての競争戦略』です。
戦略って、実は「語りたくなる物語」なんです
「え?戦略の本?難しそう」
「どうやって他店と差別化すればいいの」
「競合が多すぎて、価格競争になりそう」
そんな悩みを持っている方も
多いのではないでしょうか?
でも、大丈夫です!
実は、成功する戦略づくりって
意外とシンプルなんです。
本書で楠木先生は、
戦略の本質は、
「誰かに話したくなるような
面白い物語を作ること」
と説明されています。
「普通じゃない」ほうが強い
でも、ただの普通の物語じゃダメなんです。
楠木先生は、こう言います。
「面白いという意味は『その手があったか!』と
思わず口に出したくなるような
仕掛けになっていること。
一見セオリーから外れていても、
全体を見ると『なるほど!』と納得できる」
具体例で考えてみよう
今日は、この本の考え方を、
スターバックスの例を使いながら、
できるだけ分かりやすく
お伝えしていきます!
普通のカフェの経営者だったら、
こう考えてもおかしくないですよね。
お客さんは早めに回転して欲しい(回転率重視)
メニューは豊富な方がいい(売上機会の最大化)
価格は他店より安くしよう(集客重視)
でも、スターバックスの戦略では、
その逆を行っています。
長居できる空間づくり
(「第三の場所」というコンセプト)こだわりのコーヒーに絞る
(品質へのこだわり)プレミアムな価格設定
(付加価値をプラスした対価)
一見すると「そんなやり方で大丈夫?」
と思えるような選択ですが、
これこそが強い戦略の特徴なんです。
「普通じゃない」選択が強みになる理由
では、なぜ「普通じゃない選択」が
強みになるのでしょうか?
スターバックスの例で考えてみましょう。
1. 競合が真似できない
「長居させるなんて回転率が下がる」と競合が真似しない
本格的な取り組みには大きな投資が必要
快適な空間作りの設備投資
品質管理が厳しい高級豆の仕入れ
バリスタの長期的な教育
中途半端な真似では逆効果になる
2. お客様の心に刺さる
「ただのカフェじゃない!」と印象に残る
「家でも職場でもない、特別な場所」として認識される
「コーヒーを超えた価値」を感じてもらえる
3. 話したくなる物語になる
なぜ長居OKなのか?
→「第三の場所」という考え方なぜメニューが厳選されているのか?
→品質へのこだわりなぜ価格が高いのか?
→提供価値への満足感
すべての選択に
「なるほど!」と納得できる理由が
あるんです。
本書では、
このような戦略の要素を
より専門的な言葉で説明しています。
少し難しい言葉になりますが、
とても大切な考え方なので、
ご紹介しますね!
「クリティカル・コア」を決める!
これは、ビジネスの
「核となる価値」のことです。
スターバックスで例えると、
「第三の場所」という考え方です。
この核となる価値があるからこそ、
すべての「非合理」な選択に
説得力が生まれるんです。
「キラーパス」を組み込む!
楠木先生は、こう説明します。
「賢者の盲点を突くような一見すると
非合理的だけれども蓋を開けてみると
実は合理的に考え抜かれた打ち手のこと」
スターバックスの例でいえば、
「長居OK」という選択
メニューの厳選
プレミアムな価格設定
これらは一見すると
非合理的に見えますが、
緻密に計算された戦略となっています。
では、実際にどう活かせばいいの?
「なるほど、でも自分のビジネスでは
どう活かせばいいんだろう?」
そんな方のために、
具体的な3つのステップ
をご紹介します。
実践!3つのステップで考えよう
STEP1:本質的な価値を見つける
(クリティカルコア)
スターバックスの例ですと、
「第三の場所」という価値です。
お客様が求めているのは?
→ただのコーヒーじゃないどんな体験を提供したい?
→心地よい時間と空間なぜそれが価値がある?
→忙しい現代人の癒しになる
あなたのビジネスでも、
こんな質問を投げかけてみましょう。
お客様が本当に困っていることは?
どんな体験を提供したいの?
なぜそれが価値があるの?
STEP2:業界の常識を疑ってみる
スターバックスの発想を
参考にしてみましょう。
「回転率を上げるべき」
→逆に長居できる空間に「メニューは多い方がいい」
→厳選された品質重視に「価格は競争的に」
→価値に見合った価格設定に
あなたのビジネスでも考えてみましょう。
「これって本当に必要かな?」
「これはやらない方がいいかも?」
「業界の常識を覆すとどうなる?」
STEP3:全体をつなげる(キラーパス)
スターバックスの例では、
価値:「第三の場所」
空間づくり:ゆったりとした雰囲気
商品:厳選された高品質
価格:価値に見合った設定
と、すべての要素が
「第三の場所」という価値
につながっているのです。
おわりに
なぜ「非合理」な選択が
「最強の戦略」なのか?
本書から学んだその答えは、
実にシンプルでした。
1. 誰も真似できないから
「そんな投資は無理」と競合が避ける
中途半端な真似では逆効果
だから、独自のポジションが作れる
2. お客様の心にグッと刺さるから
「他のお店と違う」と印象に残る
本当に価値が分かる人が、熱烈なファンになる
高い価格でも「この価値なら」と支持される
3. 面白い物語になるから
なぜその選択をしたのか、ちゃんと説明できる
全ての要素が大切な価値につながっている
だから、「誰かに話したくなる」
つまり、
「みんなに好かれる普通の戦略」より、
「特定のお客様に強く支持される非合理な戦略」の方が、
結果として、
お客様に選ばれることになるのです!
本書は500ページの大作ですが、
その本質はとてもシンプルです。
それは、
「人に話したくなるような
面白いストーリーを作ること」。
そして、そのストーリーに、
『えっ、それで大丈夫?』と思われるような
「非合理」な選択を組み込むこと。
ただし、その「非合理」には、
必ず『なるほど!』と
「納得できる理由」が必要です。
ぜひ皆さんも、
スターバックスの例を参考に、
自分のビジネスで考えてみてください。
「普通はこうするけど、
私はあえてこうする!」
というあなただけの選択を。
そして、その選択に
「納得できる理由」があれば、
きっと誰かに話したくなるような
ストーリーが生まれ、
誰も真似できない「最強の戦略」が
出来上がるはずです。
それでは、また!
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