急に旅に出ることになった
目的地はマラケシュ、今月14日にあるフルムーンパーティ。
予定も組まないまま飛行機に飛び乗り、現地ではかつての仲間や懐かしい顔が有給を取って集合していて、みんなでバスを借りて交代で運転しながらマラケシュを目指す。
寝床はカミさんと二人で合わせて一畳、最高の旅になるね。
近況報告をしながら悪路の珍道中。現地の日雇いで日銭を稼ぎながら目指すは日没する国のアトラス山脈の麓にある「神の国」。
いよいよ目的地が見えてきたところで猫に起こされ、そこはハンモックの上。夢かーい。
なるほど、餌が空っぽだ。
月齢を確認したら、たしかに今月14日は満月だ。
なんの暗示かわからないから、せめて書き残しておく。
バックパックを下ろして、もう17年か。
17年で、やりたいことを仕事にできた。そのかわり、他のやりたいことを犠牲にもしてきた。
あてもない旅に出るには、肉がつきすぎた。
一握りの不安と、一握りの希望を両手に隠して歩いた、あの頃のような旅はもうできない。
今なら、大きな責任と重い義務を背中にくくりつけ、髀肉を嘆きながら歩く旅になるだろう。
あ、それじゃ今と変わらないか。
あてもない旅に出るには、肉がつきすぎた。
それでも、次の旅はスーツケースじゃなくて、埃を被ったバックパックを背負ってみよう。
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