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[ネトウヨ論] 7年以上前に書いた勉強会用のレジュメを晒してみる #1 『ネトウヨブーム前夜』

PCのデータ整理をしていたところ、2011年に講師として参加した勉強会用のレジュメとして書いた「ネトウヨ論」的な文章が発掘された。
それを読み直してみたところ、色々と思うところがあったので、いまの私が注釈を入れる形で公開してみようと思う。

ただし、あまりにも強引なこじつけはしないつもりなので、あくまでも 『今現在の状況と照らし合わせながら各々が勝手に考える』 が基本線だとお考えいただきたい。

はじめに ~ ネットウヨクってなに?

昨今「ネットユーザーの右傾化」を問題視する声が大きくなっており、フジテレビへの抗議デモや、朝鮮学校や県教組への行き過ぎた抗議活動の事件化、さらにそれによって参加者が有罪判決を受ける等、悪い意味での話題に事欠きません。

こうした問題を起こす人々は「ネットウヨク・ネトウヨ」等と呼ばれておりますが、では「ネットウヨク」とは具体的にどういった人間を指す言葉なのでしょうか?

ここでは「ネットウヨク」という呼称と、それが指す人々について、その成り立ちや実態を説明し、勉強会本編では解決案まで話を広げようと思います。

という訳で、レジュメの趣旨はこんな感じ。あくまでこの文章は「ネトウヨ及びネトウヨ団体とは何か」を解説するためのものだった。

(1) ネットウヨクという単語の意味と誕生
単語自体がいつ発生したのか定かではないが、少なくともパソコン通信からインターネットへ切り替わった時期(90年代後半)には、すでに意味の通る言葉として使用されていた。当時はネットウヨク以外にネットサヨクという単語も存在しており、「ネットで右翼(左翼)的発言をしてる人」という意味で使われ、今よりも思想信条の左右に近い意味合いだった。
また語源を探るならば、おそらく「内弁慶」の派生型である「ネット弁慶」という単語が始祖で、その蔑称的な意味と政治思想を組み合わせて使われ出したのであろう。

次にネットウヨクという単語の変化について考えてみる。当時は小林よしのりのゴー宣に代表される「右傾メディア」の影響もあり、世間が左傾化の揺り戻しで右傾化し出していた時期である。そのため迂闊に左翼活動家のような言動をするとあちこちから「プロ市民・ブサヨ・バカサヨ」といった侮蔑の言葉が飛んで来る状況だった。
しかしその反面で、サヨクの側からウヨクに対して言い返す(レッテル貼りする)お手軽な単語がなかったため「ネットウヨク」に注目が集まり、FIFAワールドカップ日韓大会(2002年)の辺りから、中国・朝鮮・韓国等を悪く言う人間全般を指す言葉として使われ出した。

現在ではさらに、在特会のような現実社会で暴れまわって逮捕者を出すような団体のイメージが付加され、「ネットを拠点とするテロ集団」「差別的発言を行うレイシスト」「デマを鵜呑みにして暴れるマヌケ」「ニート・引き篭もり」といった意味も加味されており、すでに思想信条としての右翼や保守といった概念とは全く無関係になっている。

この部分は「ネトウヨ」という単語の誕生と、その意味の変化について書いたのだが、言葉の意味がその時々の都合で変わって行ってしまうのは「レイシズム・レイシスト」「ヘイトスピーチ」「フェミ」なども同様である。

例えば、レイシストという単語はしばき隊一味のあまりに低レベルなレッテル貼り(いわゆる認定)のお陰で、もはやどういう意味なのか分からなくされてしまっている。
フェミにしても、エセフェミの身勝手過ぎる暴論によって、単なる男性嫌悪や差別思想を指す単語かのようになっている。

今後も言葉の意味が通じなくて議論が破綻したり、意味不明なケンカになってしまったりといった事があちこちで頻発すると思われる。
そこで、何かあった場合には、まず「相手がどういう意味でその単語を使っているか」を確認するところから始めるようにしたい。

ちなみに、私も過去に何度もそれで失敗をしている事を付け加えておく。「だってまさかあの単語をそんな意味で使ってくるとは予想できる訳ないじゃん!」と言い訳したい黒歴史がいっぱい……。

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