[今日の珍物件ちゃん] あまりにも周回遅れな「日本製AV悪影響論」が話題に
[今日の珍物件ちゃん]とは
長々と批判するまでもない珍物件を、あっさりさっくり切って捨てる(当noteにしては)シンプルな記事です。
日本製AVの悪影響論???
いやあ、あまりにも懐かしい論調で、憤りや怒り以前に、思わずほっこりしてしまった自分がいる。
なんの話かというと、編集者・エッセイストである藤井セイラ氏のこんなポストが「負の方向に」話題になったのだ。
という訳で、手短に言うならばいわゆる「出羽守系」のAV叩きである。何でも日本製AVの影響で、アメリカで日本人だと知られると、卑猥な言葉を投げかけられるなど、セクハラをされるのだそうだ。
アメリカだけではなく、アジアの他の国の男性からもAVの影響で「日本人はヤリマン」だと思われているらしい。
ほう、そりゃ大変だあ(棒読み)
ではこの言動がいかにピントはずれなものかを指摘していく。
そもそも誰が悪いのよ?
この手の性犯罪を理由としたコンテンツ叩きが起こる際に、必ずといっていいほど持ち上がるのが「殺人事件が起きたら金物屋や鍛冶屋を罰するのか」論である。
ようは「その事件で誰を罰するべきなのか、何が要因と見做すべきなのか」なのだが、上に挙げた藤井氏の場合は完全に「包丁を使った殺人事件が起きたら作った鍛冶屋や売った金物屋が悪い」と言っているも同然である。
だが私はそうは思わない。
あまりにバカバカしい話だったが、黙っていられず、このようなポストをしてしまった。
日本人女性と見るやセクハラをしてくる人間がいた場合、誰が悪いのかと言ったらそりゃセクハラをするような頭の悪い人間が悪い。それ以外の答えなどないはず。相手が何人だろうと、そいつがどんな言い訳をしようと、この部分をブレさせてはいけない。
ところが、そこにAVだとかオタクだとか萌えといった「一部の女性に忌み嫌われるコンテンツ」が関わって来ると、こんな当たり前の話が通用しなくなってしまう。
仮に日本国内で「AVを見て女はみんな簡単にヤラせてくれるんだ」と思ったバカ男がセクハラ発言をしたら、おそらく今のご時世タダでは済まないはず。たとえば会社の上司なんて立場だった場合、録音されて証拠を残されたら失職まったなしに追い込まれる。
日本製のAVが最も流通しているのは日本なのだから、藤井氏やその意見に賛同する人々のロジックを元にするなら、AVが理由のセクハラ・モラハラ、もしくは性被害が最も多いのは日本でなければおかしい。
だが実際にはそうではない。
たとえばアメリカなど差別問題で国がグチャグチャになっている始末だし、それと混ざり合ってアジア人女性がひどい目に遭っているなんて話はしょっちゅう聞かされる。
また宗教上の理由で女性にそもそも人権がないような、セクハラだのモラハラだの言ってる場合じゃない国だっていくつもある。
日本製AVが世界で最も流通している日本と比較して、より女性が悲惨な状況にある国など掃いて捨てるほどあるのだが、その時点で話がおかしいとは思わないだろうか。
と、こうした意見が正論なのかなと思うのだが、元AV屋としてはさらに余計な事を言って差し上げたい。
なんで外国人が日本製AVを見られるんだよ
セクハラうんぬんだとか、アジア人差別がどうのといった話よりも何段階も前の話になるんだけどいいかな。つらいと思うけどよく聞いてね。
日本のAVは原則として海外には売ってねえよ。海外で日本製AVが見られるとしたら、それは国境を越えて違法アップロードしている不届き者がいるせいであって、日本のAVメーカーはむしろ被害者だバカタレ
外国人に日本製AVの影響を与えたくないならばさ、違法アップロードや違法ダウンロード、海賊版の流通について批判してくれないかな。そもそもそれは日本の国外に出る事を想定して作られてはいないのよ。
わかる?
AVメーカーは外国人の泥棒に商品を盗まれた上にネットにばら撒かれている、純然たる被害者の立場なの。藤井氏やその同調者達は、なぜ被害者である日本のAV業界を、まるで加害者かのように触れ回るのか。
これじゃまるで「泥棒したのはそこに魅力的な金目の物を置いてあったからだ」とか言ってるも同然だろうが。
この話には色々な面で問題があって、たとえば今やっと問題視されるようになった「個々のカード会社のコンプライアンス」が巻き起こす表現規制などと真正面からぶつかってしまう。
国が変わると宗教などの問題によって、許される表現・許されない表現が激変するのだが、それを回避するために、原則として日本のAVメーカーは海外への輸出は行っていない。
もし海外で商売をする場合は、海外に拠点(法人)を立てて、そこでモデルの募集から撮影・編集・アップロードなど一通りの作業を行い、日本国内と外国とを行き来するような形は避けている。
これには日本の国内法も絡んで来るのでついでに言っておくが、例えばアメリカでポルノ作品を配信する場合はノーモザイクが当たり前となる。よって日本のAVメーカーがアメリカ用に商品を作ったとしたら、それはモザイク編集をしない形で(なおかつ内容をアメリカの州法などに適した形にして)アップロードする事になると思うが、それをやると警察にとっ捕まる可能性があるのだ。
「無修正のエロ映像を日本国内で弄る」には大きなリスクが伴うので、今では海外配信用の素材は最初から海外で作業をするようにしている(はず)(少なくとも私が知っている健全にやってる人達はそうしてる)。
例外はFC2などを使った商売だが、それについては何年も前から逮捕者が後を絶たないので、私のこの主張にウソがない証明だと言えるだろう。
という訳で、仮に藤井氏が言うようにアメリカでAVを理由に日本人女性がセクハラ被害に遭ったとしたら、恨むべきは、そして裁かれるべきはセクハラ野郎本人である。
そしてそいつは本来アメリカでは見られないはずの日本製AVを、何らかの違法手段で閲覧したクソ野郎でもある。なんでそんなヤツを庇ってまで日本のAVを悪者に仕立て上げる必要があるのか、私には全く理解できない。
「男だからわからないんだ」なんて意味不明な逃げを打っているけれども、この問題については男女関係ないと思うのだけれども。
まさか日本のAVを叩きたいだけで、セクハラ被害なんか本当はどうでもいいとか思ってないよね?
思ってないよねえ?
もしそう考えているのだとしたら辻褄があってしまうんだけど、オレは藤井さんを信じているからね!
※ 本文は以上です
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