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アジア文化の大家を下町酒場の沼にハメてみた 前編

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中国・アジア文化を専門とする山谷剛史氏(@YamayaT)というライターがいる。https://twitter.com/yamayat
amazonの著書リストなどを見れば、どういう知識を持った人物なのか理解が早いだろう。

彼は板橋区にある北園高校の出身で、某ひろゆきの同級生。生粋の板橋っ子である私とは、【同年代+同エリアに生息+インターネッツ20年選手+どう足掻いてもタモリ倶楽部枠から抜け出せない】など共通点があまりに多い人物だ。

そんな彼とは何年か前から「飲みましょう、食べましょう」と誘い合う仲だったのだが、コロナ禍に突入してみたり、山谷氏がしょっちゅう国外逃亡してしまったりとタイミングが合わず、先日やっとのことで久々に会うことが出来たのである。

前回はお互いの思い出の地である板橋(大山)に行ったので、じゃあ今回は小岩・新小岩の方を攻めてみようかという話に。

新小岩駅に着くなり、明らかに立ち入ってはいけない空気を醸し出す裏路地に引きずり込まれる。

板橋もそうだけど、小岩エリアとか亀戸エリアとか、こういう空間が生き残ってる街って落ち着くよねえ。

この本を書いた時に、東京23区中の商店街の殆どを歩いて(周辺住宅街との動線も含めて)調べ回ったのだけど、こういう "昭和の飲食路地" が辛うじて生き残っている町には、地域色や独自文化が根付いていて面白い。

それにしても、こんな路地のどんつきにある店なんて恐ろしくて入ろうとは思わないと思うが、さすがは山谷といったところか。きっと彼が行き慣れている中国の村に比べたら、日本のどこの町もハードルなんて無いに等しいのだろう。


山谷氏の後ろにくっ付いて入店してみると、エスニック食材の売店が。なるほど、大久保界隈でよく見かける、食材店+インネパ系カレーの店って感じかな。


だがこの飾り付けのセンスは大久保にも中々ない気がするんだ。普通インネパ系の店ってヒマラヤのタペストリーが飾ってあったりとか、いわゆる「これ!」っていうお約束があるじゃん……。

だが、きっとこれが新小岩時空なんだろう。
まずは全てを受け入れよう。


メニューを眺めてみると、やっぱり絵に描いたようなネパール系。価格は3~600円の間で100円刻みとかなり雑でよろしい。


ここは山谷氏のチョイスに任せようと酒もツマミも全て丸投げすると、彼は迷うことなく「この辺のセットをツマミとして食べましょうよ」と、ダルバートメニューの中からチキンタスセットを選んでくれた。

そして酒はククリラムのお湯割り。

酒が届くなり、スマホでお互いを撮影し合う気持ち悪いオジさん達の図(当然山谷氏のスマホには同じ構図のオレが写っているはず)。


山谷氏はハシゴに期待しているようで、ここではダルバートひとつしか頼まないようだったので、慌ててアルコアチャルを追加。

すまん、私の流儀として初めて行くネパール料理屋では、必ずアルコアチャルの味を確かめるのだ。店によってセンスの差が大きくて、とても面白いのよ。

この店のは白ごま系で、まったりと優しい味。ジャガイモとキュウリの良さがしっかりと引き出されていた。


出て来たダルバートを見て驚いた。なんと主食のチウラがいわゆる干し飯ではなく揚げてあるのだ。慌ててメニューを確認したら「チウラフライ」と書いてあった。見ての通り、いわゆるポン菓子である。

この大量のポン菓子に、漬物(ムラコアチャル)やバトマスサデコ(たぶん)などを混ぜて食べると。ちなみにチウラフライの上に乗っているのはカリっと揚げ焼きにされたチキン。スパイスでしっかり味がついているので、非常に悪い味(褒めてる)がする。

いやこれは初めて食べるけど美味しいし満足度も高い。まさかポン菓子を主食にする日が来るとは思わなかった。

チウラって食べ慣れてないと食べ難いと感じるはずなんだけど、こうやってポン菓子状になっていると、ツマミ感覚で軽く食べられてしまう。

[店名] マリカ
[所在地] 東京都葛飾区新小岩2-7-4
[TEL] 03-3655-4093
[営業時間] 11:00~20:00(15:00~17:00中休み)
[定休日] 無休

この日はハシゴ前提だったので今回はこれだけで我慢したけれども、正直この店のメニューは深掘りしたい物だらけだった。次はしっかり腰を据えて飲みに来ないといけないなあ。

一軒目に素晴らしい店を紹介していただいたので、「じゃあお返しに」と、私が知っている新小岩の飲食店の中で、エスニック以外で最もハードルが高いと思っている難物件にご案内することに。

山谷氏に聞いてみたところ「その店は入ったことないです」とのことだったので、罠としては最高である。

くくく、あいつ絶対に喰らわされるぜ……。

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