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G検定 2-2 4 知識表現とエキスパートシステム
シラバス 4. 知識表現とエキスパートシステムについてまとめます。
目標
・知識表現とは何か説明できる
・エキスパートシステムとは何か説明できる
・知識表現に係る代表的な研究や手法について理解する
・エキスパートシステムに係る代表的な研究や手法について理解する
キーワード
Cyc プロジェクト, DENDRAL, is-a の関係・has-a の関係・part-of の関係, Question-Answering, 意味ネットワーク, イライザ (ELIZA), インタビューシステム, ウェブマイニング, オントロジー,セマンティック Web, データマイニング, 東ロボくん, マイシン (MYCIN), ワトソン
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基本概念:
エキスパートシステムは、高度な専門知識をコンピュータ上で模倣し、特定の専門分野の問題を解決するためのシステムです。
知識ベースと推論エンジンの2つの主要なコンポーネントから構成されます。
知識ベース:
人間の専門家から得た知識を形式化して保存します。
規則(ルール)、事実、またはその他の形式(フレーム、オントロジーなど)で表現される。
推論エンジン:
知識ベースにあるルールや事実を使って推論を行い、問題を解決します。
前向き推論(順方向連鎖)や後向き推論(逆方向連鎖)が一般的な手法。
3. 知識表現の代表的な研究や手法
Cycプロジェクト:日常の一般知識を大規模に収集したプロジェクト。たとえば、「犬は動物である」という常識的知識をデータベース化。
意味ネットワーク (semantic network): 概念をラベルの付いたノードで表現。概念間の意味的な関係を示すグラフ構造で、知識表現に用いられる。is-aの関係、part-ofの関係などあり、知識検索が容易に。
is-a関係:「犬は哺乳類である」
has-a関係:「車はエンジンを持っている」
part-of関係:「心臓は人体の一部」
オントロジー:知識を階層化・体系化(例:セマンティックWebでの活用)。
ヘビーウエイトオントロジー: 詳細かつリッチな概念と属性が含まれるオントロジーで、応用範囲が広い。が、人間が関与し、時間、コストがかかる。
ライトウエイトオントロジー: シンプルな関係性を定義するオントロジーで、特定用途向けに利用。完全に正しいものでなくとも使えるものは使う考え。Webデータを解析して知識を取り出すウェブマイニング。ビッグデータを解析して知識を取り出すデータマイニング。
データマイニング:膨大なデータからルールや知識を発見。
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4. エキスパートシステムの代表的な研究や手法
DENDRAL:最初期のエキスパートシステムで、化学分子の構造を推定。
MYCIN:医療診断分野でのエキスパートシステム。
Watson: IBMが開発した自然言語処理を用いるAIシステム。2011年にクイズ番組「Jeopardy!」で勝利した。ライトウエイトオントロジーを生成して、それを解答に使う。
東ロボくん: 東大合格を目指していたAIプロジェクト。特定科目での既存の知識を活用した解答を試みた。2011-2016年でプロジェクト終了。
5. 関連する手法やプロジェクト
Question-Answering(質問応答):自然言語の質問に答える(WatsonやChatGPTに似た技術)。
ウェブマイニング:インターネット上の情報を解析して知識を発見。
セマンティックWeb:Web上の情報に意味を付与し、人と機械の両方が解釈できるようにした技術。
知識のボトルネック: エキスパートシステムの知識ベース構築における専門家、ドキュメント、事例などから知識獲得。ただ知識獲得の遅れや困難を指す。
インタビューシステム:専門家は暗黙的であるため、知識獲得のためインタビューシステムの研究が進められた。
イライザ (ELIZA)
1960年代の対話システム
心理カウンセラーを模倣
人工無能
あらかじめ用意されたパターンを回答
知識ベースがなく、これはエキスパートシステムではない
人工無脳: チャットボット、おしゃべりボット。知識ベースを持たない対話型プログラム。言葉や反復を利用した簡易な会話が可能。
6. まとめ
知識表現とエキスパートシステムは、コンピュータが知識を「意味として」理解し、問題解決や推論をする技術の基盤です。これらの研究は現在のAIの基礎となっており、Googleの検索エンジン、診断AI、質問応答システムなど、さまざまな場面で活用されています。