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良い生地は
昔、どういう伝かわからないけど、生地を買ってスーツやスカートなどを仕立ててもらったことがあります。
既製服があまりなくて、仕立てる時代なら当たり前にしていたことだけど、今考えると、とても贅沢なことですね。
何で生地を買ったりしていたのかはよくわからないですけど…
スーツなどに使われる上質な生地が格安で手に入る機会があったのだと思います。生地だけあっても、仕立ててくれるところがないと形にできませんけどね。自宅で個人で縫製をしてくれるところを見つけて、仮縫いから仕立てまでしてもらっていたのです。
スーツ用の生地って、やはり質が良いものが多く、生地の耳に「made in
England」とか「Italy」とかの文字を見ては、「はぁ…」とため息をついたものです。仕立てをする方も「良い生地は本当に縫いやすいわねぇ…」と、言っていたけど、当時の私は、そんな知識がなく「ふーん」って感じでした。
確かに触り心地も良いし、ミシンをかける時も程よい滑りでスイスイ縫えることが今の私なら多少はわかります。年代モノの家庭用ミシンでさえそうなのだから、工業用のミシンやロックミシンをかけたらさぞ、気持ち良いだろうなぁ。
ミシンかけてる時って糸と生地の相性や針の太さなども関係してくるけど、ダダダ〜ッと気持ちよく、長い距離が縫えると、とても楽しい。(長い距離っていうのも案外、ポイント)すごくリズムに乗っている感じで、何と言っていいかなかなか難しいけど…
お裁縫、チクチク、刺繍もチクチク…とか、呑気なものではないのです。しゃなりしゃなりと針と糸と布と戯れる……って感じではなく。
お裁縫にハマり出して少しして、私にもスーツ生地を縫製する機会が巡ってきました。
知人に分けてもらったもので小さい小さいお子様用のズボンを縫いました。結論は、やっぱり、「上質な生地はとても縫いやすい」ものでした。