連載2 第一集 1~3月編 『おかあさん 木が あかくなってきたよ』あきとまさきのおはなしのアルバム '87
【写真・第1集の表紙】
〔写真説明 表紙の色は明るい黄緑色です。題名は縦文字ですが、4行がまっすぐから斜めになっています。「おかあさん」は真下。「なってきたよ」は時計表示で9時から6時で斜めになっています。黒のクレヨンで神山の手書き〕
1・2・3月
あき 2才2か月~4か月
まさき 5か月~7か月
#1 クリスマス歌集
あき「こんな ところに まさきが いるよ」
私「これはマリヤ様がイエス様をだっこしている絵よ」
あき「ちがうよ。マリヤさまが まさきを だっこしてるンだ。これは まさきだよ」
#2 あき流カルタ遊び
あき「おじいちゃん、こっち みて」
ゴツーン!ズヅキ
おじいちゃん「アイタタター」
あき「ユダーン タイテキー!カルタに え かいて あったでしょ」
#3 イタイノ トンデケー
私「おかあさん、目にゴミが入っちゃった。オー 痛い」
あき「おかあさん、だいじょうぶ?あき、おメメ なでなでして あげる」
#4 雪の朝
あき「あき、あかちゃん いっぱーい ほしいよ」
私「赤ちゃんいっぱいだと、おかあさん忙しくなっちゃうね」
あき「あき、おてつだいして あげる」
私「ありがとう。それじゃあ、いっぱいつくろうかナ」
あき「つくろう つくろう。あき、おてつだいして あげる」
私「エッ?! それはちょっと無理ね」
あき「できるよ。あき、ゆきで ヨーイショ ヨーイショって いっぱい あかちゃん つくるんだ」
#5 雪解け
あき「ゆき なくなっちゃったね」
私「おひさまが雪を雲の中へ片づけちゃったのよ」
あき、泣きそうな声で
あき「おひさまが ゆきを かたづけちゃったの?あきが かたづけないから?…」
#6 雛祭り
あき「おばあちゃん、あき おかあさんと おひなさま さわったよ」
おばあちゃん「そりゃ、良かったねえ。きれいだったかい?」
あき「ウン、くろーい おっきーな つの ついてたよ」
#7 春よ こーい
あき「おかあさん、おはよう。きょう なんの ひ?」
私「今日は、どこかへ行くような特別の日じゃないのよ」
あき「ねえ、なんの ひ?あき いくよ。いく」
私「困ったわ… そうそう、今日は啓蟄《けいちつ》っていってね。蛇や虫たちがモゾモゾ起きてくる日だと思うわ」
あき「ワァ、スゴーイ!ワーイ、あき みに いくよ」
私「困っちゃったナァ。今年はまだ寒いから、みんなお寝坊してるわ、きっと」
あき「あき、おこして あげる。はやく おきなさーいって おこして あげる。いこう いこう。はやく はやくー」
#8 おかあさん、木が赤くなってきたよ
あき、ケモモの木を見て「おかあさん、きが あかく なって きたよ」
私「木が赤くなるのかしら…」
あき「あかく なって きたんだよ」
私「ソッカー、蕾が膨らんできたのね」
あき「いこう。あかい き さわりに いこうよ」
#9 洗面所は実験室
あき、コップの中を覗いている様子
あき「この おみず、おさかな いないね」
私「そうね。こんなちょっとのお水じゃ、お魚泳げないしね」
それからしばらくして
私「ワー!どうしたの?洗面所が水びたし」
あき「おさかな いないね。おみず いっぱいなのに…」
#10 かよちゃんちの玄関で
知人宅で帰りにみかんをいただいた日の翌日
あき「おかあさん、わすれものだよ。あき とって きて あげる」
私「ありがとう。でも何だったかしら…」
あき、ドタドタドタ…
あき「おばちゃーん、ふくろ ちょうだーい!」
あき「ハーハーハー… おかあさん、みかん もって きたよ。こんどは わすれないでね」
私「まぁ、これおばちゃんのうちのみかんよ」
(連載3へ続く)