「人間中心設計専門家」 認定試験のオススメ準備方法
こんにちは。デザイナーのohsです。
年末に受験していたHCD-Net認定HCD専門家・スペシャリストの試験の合格者が先日発表され、この度人間中心設計専門家に認定されました🎉
実は試験を受けるまでは、「HCDの資格があるからって何か変わるかな?」と、認定試験を受けるか受けないか悩んでいました。
しかし、試験を受けてみて「よかった〜」と思えたので、同じようにHCD認定試験を受験するか悩んでる・興味がある人へ、認定試験を受けるまでの私的オススメの準備方法と受けてよかった事を紹介したいと思います。
※あくまで個人の感想です。
※この記事はある程度、人間中心設計に関することやHCD専門家やスペシャリスト試験について知っている方を対象に書いています。
人間中心設計(HCD)専門家 資格認定制度とは
人間中心設計(HCD)専門家の試験は、あなたが過去にとりくんできた人間中心設計やユーザビリティの活動を申請書に書いていただき、その申請書によって審査されます。
人間中心設計推進機構によると上記のように書かれています。年々アップデートされてるようなので、詳しくはこちらを参照ください。
受けてよかった3つの事
1. 今までの活動をコンピタンスに沿って客観的に振り返れる
2. HCDプロセスの中で知識が曖昧だったり自分が実施していないフェーズが分かる
3.振り返ったり本を読み返す事で理解が深まる
-----------------------------------------------------------------------------※コンピタンスとは
ユーザビリティ、人間中心設計(HCD)、UXデザイン、サービスデザインの実践に必要な能力・技能・知識のこと。
HCD専門資格コンピタンスマップ(2018年度版)より
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私は、Xデザイン学校のβ版と第一期に通い、そこでの講義などを通じてHCDプロセスや「モノではなくコト視点で新たなサービスを生み出す事」を学びました。
そこでインプットした知識を業務でアウトプットしてみたわけですが、「自分が行ったHCDプロセスに対して、コンピタンスに示されている能力を満たすような事を本当にできているのか?」HCDやってるつもりになってないかなど自信がありませんでした。
しかし、プロジェクトで行った調査や設計、評価などの内容と各コンピタンスを照らし合わせる事で、「このコンピタンスは満たせているが、こっちのコンピタンスは能力を証明できるほどの活動はできてなかったな」と客観的に答え合わせ的な事ができ、更に合格できた事は大きな収穫です。
レポート提出までのオススメ準備手順
1. HCD専門家・スペシャリストの試験を受ける目的を決めてみよう
2. 前年度の受験概要から試験の大枠を把握しよう
3. HCD専門資格コンピタンスマップを熟読しよう
4. 自分の取り組んできた活動を洗い出し、どのコンピタンスを満たせそうか整理してみよう
5. 説明会に参加しよう
6. 審査書類を、なんとなく埋めてみよう
7. ひたすら審査書類を埋めていこう8.審査書類を提出しよう
全部完璧にやらなくても、本年度の応募募集前から長期的にゆるゆるやってみるのがオススメです。
1. 試験を受ける目的を決めてみよう
なぜ・何のためにHCD専門家・スペシャリストの試験を受けようと思いましたか?
私は、前年度に試験を受けた同僚から試験を受けた感想を聞くことができ、新たな発見がありました。
元々私が思っていた事は、HCD専門家やスペシャリストの認定は転職時に活用するとかフリーランスの場合に肩書きが出来て信頼感が増すなど、ツールの1つで、今の私には必要ない。と思っていました。
しかし、同僚の話を聞いたことで「別に、認定試験に合格する・資格を取るという事をゴールにしなくてもいいんだ」「まずはレポートを書いて出すことや、書くまでのプロセスが大事なんだな」と気づかせてもらえました。
という事で、私の目標はもちろん合格する事ですが、「いままでやってきた事をコンピタンスに沿って振り返ろう・確かめよう」と決めました。
目的は転職のためでも信頼度を高めるためでも、なんでもいいけど、目的があると最後の方辛くなっても頑張れると思います。(終盤辛くなってきます😇)
2. 前年度の受験概要から試験の大枠を把握しよう
2019年4月8日現在、認定制度のページ のこの辺りに募集概要や説明会の資料がまとまっています。
※前年度の募集概要のため、ページが閉じられている可能性があります。
※ここから先の説明は、↑から試験概要資料を参照しながら読むと理解しやすいかと思います。
自分はスペシャリスト・専門家どちらの応募資格があるのか確認し、概要や応募開始から合格発表までの流れを本年度の応募開始前から把握すると、実際に受ける時に説明会の内容が理解しやすいです。
※あくまで、前年度の内容のため、翌年には情報がアップデートされ内容が変更される可能性があります。
3. HCD専門資格コンピタンスマップを熟読しよう
自分が行ってきたことは、どのコンピタンスに当てはまるか判断する上で、コンピタンスの内容を正しく理解しておく必要があります。
試験を受けなくとも、このコンピタンスマップは、HCDプロセスや各コンピタンスの内容が把握できて、興味あるぐらいの人が読んでも価値があると思います。
4. 自分の取り組んできた活動を洗い出し、どのコンピタンスを満たせそうか整理してみよう
コンピタンスマップの資料から、各コンピタンスを洗い出し、自分の行ったプロジェクトでは、どのコンピタンスを実施できたか●をつけていきます。
●が何項目埋まるか確認し、専門家、スペシャリストそれぞれの要件を満たせるか確認してみてください。
この時に過去の自分の活動の中から、①どのプロジェクトを選ぶか決めておく事と②書けそうなプロジェクトが3つ以上あるか確認してみましょう。
※プロジェクトは3つ以上必須、5つ以内書く必要があります。
※2018年度から審査書類の中にプロジェクト整理シートが足され、整理しやすくなってました。
5. 説明会に参加しよう
例年11月頃に、HCD専門家・スペシャリスト試験の説明会が実施されるので現地に行って説明を聞く事をおすすめします。
6. 審査書類を、なんとなく埋めてみよう
受験申し込みをすると審査書類が共有されます。
なるべく早い段階で、どんな審査書類なのか把握し、コンピタンスごとの活動が書けそうか・証明できそうか試してみるのが、おすすめです。
まずは1プロジェクト分書いてみましょう。
この段階では文字数などは気にせずざっくり書いてみるのが、おすすめです。
これは、周りにHCD認定試験を受けた知人がいる人限定ですが、本年度募集前に、前年度の審査書類を参考に見せてもらうとイメージ付きやすいかと思います。
※あくまで、前年度の内容のため、翌年には情報がアップデートされ内容が変更される可能性がありますので、ご自身の責任でお願いします。
7. ひたすら審査書類を埋めていこう
応募資格として、人間中心設計専門家としてのコンピタンスを実証するための実践事例(プロジェクト)が3つ以上あること。
が必要です。※2018年度の資料より
最低3プロジェクト書く必要があります。
各コンピタンスごと(横)より、プロジェクト(縦)ごとに、埋めていく方がプロセスの流れに沿っていて書きやすいかと思います。
各コンピタンスは、HCDプロセスの順番でまとまっているので、上から順番に自分が埋められる項目を埋めていきましょう。
1プロジェクト書き終えた辺りで息切れしてきますが、長期的に時間をとって少しづつ埋めていくのがおすすめです。
8. 審査書類を提出しよう
最後、全体の見直しをして提出。
もうこの辺になると、早く書き終えて提出しちゃいたい気持ちになります。
私は力尽きて、勢いで提出してしまいましたが、提出したあとになってここ修正したい!みたいな気持ちになったので、提出期限まで余裕があれば少し時間をおいてから見返してみることをおすすめします。
最後に
私は、前年度のHCD認定試験に合格した同僚がHCD認定試験の共有会を開いてくれた事で、今までの固定概念を捨てられ、背中を押され受けてみようと思いました。
同じように、この記事を読んで、興味がある人の背中を押せるような情報になっていれば幸いです。
HCD専門家試験に合格した事で、HCDの専門性を高めて行くためのスタートラインに立っただけですが、今後は勉強会などを通じて理解を深める機会が増えるとよいな〜と思っています。
おわり。