もう一度譲渡会へ…諦めたらそこで試合終了ですよ
前回♯3、とある譲渡会でペットショップから猫を迎えたことを猛烈に批判されたあとのお話。
✔️トラウマの譲渡会‥でも諦めたくなかった
譲渡会から帰宅後、スタッフさんの怒りっぷりを思い返すと
「保護猫を飼うのはものすごーく大変なことなんじゃないか」
「里親への審査基準が厳しくそもそも自分たちは無理なんじゃないか」
と考えました。
ネットで検索すればするほど、保護猫を迎えた人の経緯は様々で、
それこそ自分で保護した猫をそのまま飼っている人もいれば、
ネット上のやりとりだけで比較的安易な個人間の譲渡や、逆に家庭訪問必須・収入の証明書などの提出も求める団体もあり基準が統一されたものではないということが分かってきました。
でも譲渡会が若干トラウマの私は
2匹目を迎えることに消極的になっていました。
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そんな折、ロバ🐴好きの私がよく行く近隣市の動物園に隣接した公園でも
譲渡会が行われていることを知りました。
また怒られて断られるのかなぁ、ダメ元で動物園帰りに寄ってみようか…
2019年、年の瀬も迫る12月のことでした。
公園の一角にテントが張られ、ケージに入った猫たちがお出迎え。
前回行った譲渡会と違う点は、会場は交通の便が悪く、通りがかるのは散歩中の方が大半…という場所でひっそりと開催されていたこと。
↑実際の公園での譲渡会。
屋外なので防寒や暑さ対策をして一年中開催されています。
✔️考え方や活動方針は団体ごとに様々
夫婦で離れた場所からこっそり猫を見ていました。
あまりに長時間いたからか、スタッフの方が声をかけてくれました。
そこで意を決してオハナの話をしました。
「ペットショップから迎えたラグドールを飼っています…。
この場合は保護猫の里親は無理ですか?」と。
すると「無理ではないですよ!トライアルがあるから大丈夫です。ラグドールって可愛いですよね!性格も穏やかって聞きます。どんな子なんですか?」
と、前回とは180度違った返答。
また怒られて終わりかなぁと思っていた私はびっくりʕʘ‿ʘʔ
他の譲渡会でペットショップの猫を飼っていると全否定された話をすると、笑い飛ばしてくれて、オハナの為に一緒に怒って、悲しんでくれました。
例え社交辞令でも…嬉しかったです。
・自分たち保護団体は立場上、ペットショップのあり方に賛同はしない。基本、生体販売には反対。
・だが、ショップから迎えたからという理由だけで大切に育てている人にも心ない言葉をかけるのはおかしい。
・ショップの猫たちも一定期間売れなければ、値下げされ、最後は命のお別れや引取屋…不幸な運命を辿る。飼い主を否定するのはお門違いではないか?
・ショップから猫を迎える人はダメ、保護猫を飼う人だけが愛護精神のある人、というような考え方はおかしい。
スタッフの方は勉強になる話を交えつつ、私の中のモヤモヤした気持ちを振り払ってくれました。
そしてそういった考え方は愛護をはき違えた愛「誤」に近いのではないだろうかということも…。
保護・ボランティア団体といっても本当に千差万別で、考え方や活動内容は団体毎に違っているんだ、と知りました。
そして当然ながら、譲渡の条件や里親の基準も団体によって違いが生まれるのです。
私は直感的にこの団体さんから猫を迎えられたらいいな、と思いました。
今思えばこれがご縁だったのかもしれません。
「気になっている猫がいるのですが…」と切り出しました。
✔️初めて知った毛色「サビ猫」‥私たちが猫を選ぶのではなく猫に「選ばれている」
当時私が知っている毛色は単色の白や黒や茶、有名な三毛猫程度でサバトラとキジトラの見分けもつかないくらいでした。(^-^;
そんな中で気になったのはサビ猫という毛色のデイジー(当時は梅子)でした。
この団体さんはシェルターを持たずに活動していて譲渡会へ参加している猫たちはスタッフが自ら保護している猫か、預かりボランティアさんや保護主が各自持ち込んでいる猫。デイジーは後者で保護主の方の庭先で母猫と一緒に保護された子でした。
↑実際のデイジーの紹介文。会場でひときわ目を引くポスターでした✨
元は3匹きょうだいだったというデイジー。
きょうだいたちに里親さんが決まり、1匹には少し広く感じる小ケージの中で
隠れもせず、といって元気に動き回ったりもせず、ただじっと佇んでいました。
女の子だからおとなしいのかな、とも思いつつ目が合うと、じっと見つめてきました。
「ここから‥出たいんじゃないかな?」ー ふとそう思いました。
3秒以上は喧嘩を売ってるサインだと何かで読んだ私は慌てて目を逸らしたものの、その目ヂカラに惹かれ、夫に相談。
今思えば、猫を選びに行っていたつもりでしたが、きっと私たちが選ばれていたんでしょうね…。
すると、夫もデイジーが気になっていました😮
ただ「超美人だよね。あと賢いと思うよ~しっぽもまっすぐ長いしすばしっこそう。」と、私とは全く別次元で観察していました(笑)さすが猫上級者!
スタッフさんにデイジー希望の旨を伝えると、細かいお話とアンケートへの記入という流れでした。
こうなると、猫2匹との暮らしスタートか…!と胸躍りますが、まだまだ先は長いのです。
まず同じ猫に複数の希望者がいた場合は、先着順ではなく、希望者側の飼育環境などを鑑みて、その猫にとって最善と思える里親さんへ譲渡するとのこと。
また我が家の場合はもしトライアルまで進んでも、先住猫オハナとの相性の問題がある訳です。
後ほど結果を連絡します、とのことでこの日は帰宅。
初めて知ったサビ猫という柄。とてもとてもきれいな毛色でした。
どの毛色でもそうなのですが、
サビ猫の黒と茶色の美しいマーブル模様は本当に唯一無二。
我が家にご縁があればいいな、と期待しつつ早速サビ猫をインターネットで検索しまくる私なのでした。
✔️いざトライアル(お試し期間)開始!
その日の夕方、トライアルはいつから希望ですか?と連絡が。
そう、デイジーが我が家にやって来る!
2つ目のケージやトイレ、保護主さん宅で食べているご飯など用意しお迎え準備。
そして2019年の年末、デイジーのトライアルが始まったのです。
↑トライアル数日でこれ。オハナのフレンドリーがすごかった!
✔️夫とオハナのおおらかさに救われた私とデイジー
結論から言うと、オハナとデイジーの相性は問題なく
約3週間(私が心配性で少し延長してもらった)のトライアルを経て
正式に我が家へ𖠿 .゜
デイジーは推定2019年の春生まれ。
なので実はオハナが若干歳下なのですが、大型種のラグドールは大きいので
デイジーはグイグイ来るオハナに最初はビビりまくり。
対して、オハナは初日からデイジーに興味津々で仲良くしたげ。
デイジーがシャーシャー💢それを見る私はオロオロ😰
オハナは怒りもせず、かと言ってめげたり拗ねたりもせずデイジーにマイペースに接し続けていました。
それを見守る夫も「大丈夫大丈夫。猫同士ってこういう感じだよ。オハナが特別フレンドリーなだけで心配なし!本当にガチの喧嘩で無理そうなら俺が引き離すから」と。
私はどっしり構えた夫に、デイジーはフレンドリーでおおらかなオハナに救われた形となりました。
トライアル中は団体さんに何度か経過報告をするのですが、きめ細かいアドバイスを頂きました。
やりとりを通して猫ファースト且つ里親に寄り添った団体さんだなと実感しました。
↑仲良くニャルソック
✔️保護猫の里親になりたいと考えている方へ
私が経験した一つ目の団体さんのような「ペットショップを否定する余り、そこで生まれた命も、迎えた飼い主も否定する」考え方は極端なケースかも知れません。
今でこそ「あの時はご縁がなかった」と笑い話にも出来ますが当時は保護猫を迎えることを諦め気味にもなりました。
同じように保護猫の里親になりたいけれど、条件が厳しい・ハードルが高くて諦めたことがある人は沢山いるんじゃないかと思います。
その反面、ペットショップはお金さえ払えば、命を簡単に買えてしまいます。悲しいことですが、彼らは「商品」ですから…。
例えば譲渡条件でよく見かけるのは独身独居男性NG・高齢者NG・幼児のいる家庭NGというようなもの。
一つでも当てはまると里親を希望しても、応募すら出来ない場合もあります。
でも私がお世話になっている団体さんは一概にNGではありません。
・男性の1人暮らしでも本当に猫が好きな人もいる。まずは面談して人柄をみる。
・高齢者には看取りを視野にいれたシニア猫や猫エイズキャリアの猫などの「終生預かり」という形で勧めてみる。
・幼児がいることより、親御さんがしっかり子供も猫も見られる余裕があるかどうかを重要視する
どちらかが妥協したり、無理やり擦り合わせていても譲渡後によい関係は築けません。今は沢山のボランティア団体・譲渡会がありますよね。
わがままでもいいじゃないですか、だって20年近く一緒に暮らすかもしれないパートナーを迎えるんですから😊
どうか猫の幸せを考えながらも、自分たち里親の立場にも寄り添ってくれるところと出会えるまで探してみてください。
「里親さんは、1匹の保護猫の命のリレーのアンカーのような存在」
幸せにしたい、という想いを引き継いでその猫を迎えるのですから、
譲渡する側もされる側も対等な関係のはずです。
里親さんの存在がなければ、保護譲渡活動は続かないし、成立しないのです。
これは今、自分が保護活動をする立場になって、しみじみと感じることです。
一回で同じ気持ち・考え方の団体や保護主には出会えないかも知れません。
でもどうか他の譲渡会や別の方法を試してみて欲しいです。
私は諦めなくて良かったなと思っています。きっとご縁がありますよ。
「安西先生、保護猫を迎えたいです……T^T」
✔️小さな一歩‥また少し前進
デイジーは団体ではなく個人が保護して譲渡会へ参加していた猫でした。
そして今回が初めての保護活動だったというのを聞いて
ペットショップの店員さんのように、いち個人の初心者でもボランティア団体の協力のもとで保護活動をすることができるということが分かりました。
私の中で保護猫や保護活動をまた一歩身近に感じるきっかけにもなりました。
↑体格差をものともせず、プロレスごっこ(笑)
こうして夫婦2人と猫2匹の暮らしが始まりました。
ところがご縁って本当に分からないものですね。
この後どうしても気になる成猫さんとの出会いが私を待っていたのです。
それはまた次回に♪