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亀さん
動物園に行った。
そこでは、様々な亀さんが、各々に合った気温、湿度、明るさが提供された質の高いお部屋で過ごしていた。
リクガメ科は大きいものから小さいものまであり、一つのお部屋に沢山のリクガメが寄り添いあって生活していた。部屋から外に出ることも可能で、外にも気持ちよさそうに寝ている亀さんが沢山いた。
しかし、部屋から外につながる出口は一つしかない。だから外に出たい亀さんたちの長い列ができる。そんな中、1匹の亀さんが外への出口の近くで甲羅に入り寝てしまっていた。
列に並ぶ亀さんたちはその亀さんを登って乗り越えないといけない。
自然界では亀さんが亀さんを登ることなどそうないのだろう。そもそも、亀さんを乗り越えることを想定した体はしていない。
これは、動物園のルールが課せられた生活から起こる問題の一つだと思った。
この問題は飼育員さんが解決してくれるわけでもない、寝ている亀さんを起こすこともできない。
そうなると、乗り越えるしかない。
亀さんは個体差もあり明らかに乗り越えられそうな亀さんも並んでいる。
だが、やってみること、挑戦してみること、外に出たいという思いや欲求に素直になることが亀さんを突き動かしていると感じた。
私も、人間という社会的動物が故の理不尽なルールや自分の欲求への障害になるものに対して乗り越えようという思いを持ちたいと思った。
誰かのせいにして、「あいつのせいで成功して なかった」と諦めるではなく「自分はできるかもしれない」「やってみたい」と周りの固執した考えに囚われず自分のしたいことを自由にしたい。
動物は自然界、飼育下というように外と内という分け方があって、それぞれの苦悩があり、感じる問題も異なる。しかし、自分の置かれた環境を恨まず、今の自分への障害を乗り越えることは、全ての亀さんに共通している。
私が思うように、亀さんは諦めない心をわざわざ持って挑んではないかもしれない。だからこそ、そのまっすぐな欲求に対して、障害にぶち当たりながら乗り越え、達成することを少しも疑っていない様子が私は羨ましく思う。