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イギリス日記 #83 2025/1/18 ゴッホ展”Poets and Lovers”に行ってきた

職場の近くでチャイニーズマーケットが開かれていたらしく、
いつもよりアジア系のお客様が多くて店内は一日中人でごった返していた。

とっても疲れたけれど、
この日は夜にナショナルギャラリーのゴッホ展に行く予定があったので、
それを楽しみに頑張れた!

19時に仕事が終わって、
21:30のチケットを予約していたので、
それまで夜ご飯をどこかで食べようと思いぶらぶら。

勇気を出して開拓してみるか、
安心感のあるところにするか迷った挙げ句、
結局安定のNando’sに。

カジュアルだから1人でも入りやすいし、
他のレストランだと1皿12ポンド以上するところ
1/4チキンフィレ?+サイド2つ(11ポンドちょっと)で十分おなか一杯になるし、
3品も楽しめるなんてお得なのです!

そして過去にロンドン4店舗ぐらい・ブリストル1店舗・ウェールズ1店舗行ってるけれど、
どのお店でも毎回店員さんが優しいところも安心材料の一つ。
この日も優しかったです。感謝。

前日の食生活がよろしくなかったので、
いつも頼んでいるポテトは控えたほうがいいかなと思って、
初めてNando’sでサイドにライスを選んでみた!
辛いけどおいしかった!

お手頃だけどお腹いっぱいになる!

21時前にNando’sを出て、ナショナルギャラリーへ。
まだ時間があったのでトラファルガースクエアをプラプラ。
カップルに写真を頼まれて撮ってあげたり、
ネルソン像が夜だとより大きく感じるな~と見上げてみたり、、

昼間とは違う雰囲気を感じる。
この噴水が地味に好き。

10分前ぐらいになったのでもう入れるかなと思って入口に行ってみたら、
チケットを見せてすんなり入れた。
昼間の正面玄関とは違う、たぶんいつも出口になっているところから入ると、
ゴッホ展仕様になっていて一気にテンションが上がった。

入口。
展示室の前。

展示室に入る手前でガイドをもらえて、
だいたい全部の作品の説明や背景が書かれていたのでありがたかった。
私はこれをしっかり読みながら回って1時間半ぐらいかかった。

有料のオーディオガイドしかないと思っていたからありがたい。

今回の展示は、ゴッホが南フランスのアルルとサンレミで過ごした2年間に描いた作品が中心で、
詩的な想像や恋人たちからインスピレーションを受けたものが多いそう。

この頃にかの有名な、自分で自分の耳を切ってしまう事件があったそうで、
精神病院で療養しているときに描いた病室からの景色とかも多かった。
だから苦しみを感じられる作品もあるけれど、
精神が安定しているときもあったのか穏やかな作品も多いように感じた。

穏やかさを感じる。
病院のお庭の絵。

下の写真のような感じで、
ゴッホが友人や弟に送った手紙からの言葉とか一緒に展示されているので、
ゴッホがどういう心情だったかが絵とともによく伝わる。

正直私はアートから感情を読み取ったりするのが得意ではないので、
文字があるとありがたい。
この絵とかも一見元気そうなエネルギーを感じるけれど、
実際は精神病院にいる時の不安な気持ちが映し出されているらしい。

記憶にも残りやすい。

そして、今回1番心奪われたのはこちら。
「ローヌ川の星降る夜」。
予約した時にこの絵があることを知ってはいたのだけれど、
なぜか展示されていることをすっかり忘れていたので笑、
すごくフラットな気持ちで見たにも関わらず一瞬で吸い込まれた。

とにかくすごく綺麗であたたかさを感じて、
初めて絵を見て涙が出そうになった。
絶対にこの絵を家に飾ろうと心に決めた。

写真では伝わらない。
夜景の綺麗さ、星の美しさ、カップルのあたたかさ、全てがいい。
結婚したカップルの愛を表現しているらしい。

その他にもゴッホが住んでいた黄色いお家の絵や寝室の絵もあって、
一つの美術館だといつも1点とかしかないけれど、
こうやってたくさんの絵が贅沢に集結していることによって、
彼が過ごしていた世界をより感じられるなあと思った。
なんか、本当に生きていらっしゃったんだよなあっていうのが、不思議な感じ。

ゴッホが住んでいた黄色いお家。
寝室。自分の絵を飾っていたらしい。
色がかわいい。
絵の色合いを見ていると、精神的な不安定さは私には感じられないけれど、
この自画像を見るとたしかに、、となる。
痩せて弱っている感じをあえて青とのコントラストで表現しているらしい。

あとゴッホさんは日本画にかなり影響を受けていた方で、
木版画などの技法を使った、と説明に書いてあるものもいくつかあり、
日本人としてそういったつながりがあることを嬉しく感じた。

北斎を思い出した景色だったらしい。

そして今回、
いつもナショナルギャラリーにある黄色いひまわりだけでなく、
フィラデルフィアから青いひまわりもやってきていた!

いつものひまわり。
青いひまわり。
個人的にはこっちのほうがよりお気に入り。
ゴッホも真ん中の女性の絵と三つ並べることを意図していたらしい。

そのほかの好きな作品たち。
なんか本当にほぼ全部好きだったけれど、特に印象に残ったもの。

夾竹桃。友達でもあり作家のゾラさんの本が置いてある。
オリーブの木を描いた作品がたくさんあって、色使いがそれぞれ違った。
これは青。
これは暖色。この太陽が好き。
苦しみとは対照的に春の喜びや希望を表現したかったのかもとのこと。
本当にそんな感じがする。
これも色が素敵。
この作品展の最後の絵で、ちょうちょが描かれている。
いかにゴッホがこの地に魅了されているのかが表れているとのこと。
これもいつもナショナルギャラリーにあるらしいけれど覚えてなかった。
今回の作品展だったからこそこの絵から感じるものがあったのだと思う。

そして最後に、
お家に飾ろうと心に決めた「ローヌ川の星降る夜」のミニプリントと、
2種類のひまわりのポストカードを購入し、大満足。

この日感じたことを思い出せそう。

正直アートには全く詳しくないし、ただのミーハーだけれど、
ゴッホ(とフェルメール)には何か惹かれるものがあり、
留学時代にオランダのゴッホ美術館に行ったことがあったのだけれど、
こんなに色々考えさせられたり感じたりしなかった。
故にあまりしっかり覚えていない。涙(また行きたいな)

経験や知識を重ねたことで物事の捉え方が変わることを改めて感じた。
大人になるってこういうことなのですね。。

ナショナルギャラリーを出たのは11時過ぎ。
すっかり遅くなってしまったけれど、
心満たされまくり、余韻にひたりまくりの帰り道でした。

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