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①社会人から医学部受験へ
社会人として順調に歩んでいたはずの私が、
ある日突然、すべてを賭けて医学部受験を目指した。
それが、どれほどの試練を伴うかも知らずに。
幼い頃から、私はどこか人と違うと感じていました。
幼稚園生の頃から不登校気味で、友達と深い関係を築くのが苦手。
周りとうまく溶け込めない日々が続きました。
成績も決して良くはなく、特に数学は30台という散々な結果ばかりでした。
それでも、生き物や科学には純粋に興味を持っていて、それだけが自分を支えていました。
理系の大学を卒業し、私が選んだのは、医療系の研究職でした。人と接する機会が少なく、静かに好きなことに向き合える仕事がいいと思ったからです。
人と接するのが苦手な私には、この道が一番だと思いました。
実際に働き始めると、研究そのものがとても面白く、深く学べば学ぶほど「もっと知りたい」と思うようになりました。
研究対象の一つ一つが人間の体や病気の仕組みとつながっていることが分かり、自分が扱っているデータや成果がどのように医療現場で活かされるのかを知るたびに、興奮を覚えました。
職場では患者さんと話す機会もありました。
最初は緊張しながらのやり取りでしたが、患者さんは私の話にじっと耳を傾けてくれて、「ありがとう」と言ってくれることが増えました。
ある患者さんから「あなたと話せて良かった」と言われたとき、心の中に変化が生まれました。
「私にも、人の力になれることがあるんだ」と初めて実感したのです。
そして、研究内容への興味と患者さんとの交流が重なるうちに、私は「もっと直接的に患者さんの力になりたい」という気持ちを強く抱くようになりました。
ただ研究を深めるだけではなく、現場で患者さんと向き合い、治療に直接携わりたい。その思いが、私を医師への道へと突き動かしたのです…
働いた数年間で貯めたお金をすべて使い、親にも頭を下げて、医学部専門予備校に通う決意をしました。
そこに入れば、すべてうまくいくと思っていました。しかし、現実はそう甘くはなかったのです。
(私自身の実話です。これから少しずつ書き綴っていきたいと思います。どうぞお付き合いください。)
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