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仮説思考 内田和成さん著 読書レポート

⓪選書理由

顧客への尊敬を忘れず、一社一社にできるだけいいサポートを、と考えそれを積み上げてきた結果、担当する顧客から一定の信頼を得られることが比較的多い。一方でなぜうまくいっているのか?と問われると言語化できない時期もあり、再現性に乏しかったしうまくいかなくなったときになにを改善すればいいかわからないこともあった。顧客との関係性を築くことはおそらく意識せずともできる、だったらもっと精度の高い提案をするには?自分の行動を言語化し再現性を持たせるには?と考えているときに出会った本。同じようなことを考えたことがある方には考え方や具体的な方法論もたくさん書いてあるのでお勧めです。

①仮説とは

仮説=仮のゴール。目標が見えていたほうが船は早く、正しく進む。結果、仕事の速度と質があがる。仮説思考とはゴールから物事を考えること。

仮説とは積み上げではなく、全体をとらえる(想像する)考え方。枝葉ではなく、幹が描ける人になるには必要

大した情報がない中、答えを出すことになるので最初は気持ち悪い。が、やらないと仮説思考は伸びていかない。たくさん情報を集めたり分析したりしているほうが仕事してる感覚も持てるがそれをやってるいううちは身につかない。最初は下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、で十分。

時間をかけて調べて準備して、それが間違っているより早い段階で仮説をぶつけて間違いに気づき修正したほうがゴールへ到達するのは早い。

日本人の国民性として与えられた問題を一生懸命解くのは得意だが、問題をつくる(=課題を発見する)のが苦手。これまではそれでもよかったが、ビジネスにおいてスピードが求められるこれからの時代は、課題がなにか?を見つけられるビジネスパーソンにならないといけない。

②仮説の立て方 

仮説を思いつくのはディスカッションや顧客の話を通じて、というケースや一人でじっくり考えているときに閃く、などコンサル業界の中でも定石はない模様。自分にはまれば何でもよいみたい。下記はお題に対する仮説の具体的な立て方例

①問題を具体的に変換する(例:「売上をあげる必要がある」→「既存顧客のリピート率が下がっているという問題が発生している」など、できるだけ具体的に掘り下げられた仮説のほうが結果的にスジの良い解決策を考えることができる)

②問題の要因を想像する(例:サポート体制が不十分で運用に不満、競合製品のほうがコストメリットがある、リピート提案が体系化されていない、など)

③分解した問題の確からしさを調べる(例:顧客接点数、競合情報の入手、リピート提案への同席)←この段で初めて、情報を収集する

④打ち手を考える(例:サポート頻度をあげる・上司同席を増やす、新商品を開発、自社商品の優位性を言語化しアピールする、提案ロープレを行う、など)

⑤ ④の中で(現時点で)一番スジがよさそうなものを実行する※

※一発でうまくいくに越したことはないが、そううまくいかないことも多い。失敗したらしたで打ち手変えればいい。この繰り返しが仮説思考のトレーニングになる(ゆえに失敗も悪くない。失敗したらその理由を考えているうちによりスジのいい仮説が思いついたりする)この実験が多ければ多いほど仮説は進化する。

③仮説を立てる頭の使い方

反対側から見る

①顧客視点②現場視点③競合視点

デスクにしがみついていても出てこない時は、顧客が何を求めているのか、実際現場でどんな声が上がっているか、競合の社員は自社をどう捉えているのか考えてみることで閃きが起こったりする

極端に考えてみる

例えば、売り上げを上げたいときに「売上を下げるにはどうしたらいいか」と考えてみる。よくないことをつらつら考えてみる(アポイントを全然取らないようにする、顧客への電話をやめる、事前準備をせずに行き当たりばったりで商談をする)など。これらをやめれば(改善すれば)売り上げのあげ方に気づけるかも。

④まとめ

積み上げ式も決して悪いことではなく、むしろ継続は美しいと思っている。でも残念ながらそれだけでは通用しない時代になってきたと思う。目の前の仕事に一生懸命になることも大切だが、スピードがないと事業が立ち行かない・AIが問題解決はしてくれる世界にこれからさらになっていくと考えると問題を見つけられるビジネスパーソンは市場価値が高まっていくんだろうな。

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