The Hate U Give
この映画を見てほしい。
『ヘイト・ユー・ギブ』
2PACという伝説のラッパーが、
THUG LIFEという言葉を残した。
The hate you give little infants fucks everybody.
ー 子供たちに与える憎しみが全てをむしばむ。
この頭文字をとって、THUG LIFE。
近頃のムーブメントの経緯を見ていて、この映画を思い出さずにはいられなかった。
この文章を書きながら、黒人という表記しかできないことにモヤッとする。(肌の色で区別している感じが嫌だ)
ヘイトユーギブ予告YouTube
この映画の最初のシーンはかなり印象に残っている。
父が子どもたちに警察に取り締まられた時の注意を教えるんだけど、
「自分たちが他人(特に白人)からどういう見られ方をするか」知っているか知っていないかでは運命が分かれると言っても過言ではない。警察は黒人に対してマイナスでかつネガティブなイメージを持ってから行動をスタートさせている。
「黒人として誇りを持て」と、主人公スターの父は言う。けれど、高校生のスターは肌の色や住む地域や黒人文化をすごく気にしている。(目の前で幼なじみが殺された過去を持つからしょうがない気もする) 友人とイザコザも起きるが、ボーイフレンドのおかげでスターのコンプレックスは小さくなり、誇りに変わったように見える。
どんな愛を受けて、どういう人と触れ合って育つか、周りの環境は大事だ。
黒人の人たちがHateを感じることなく、豊かに生きてほしい。
少しずつでもいいからフラットな社会になることを願う。
かなり余談なのだけど、この映画を観ている間息が詰まるシーンが何度もある。胸を締めつけられていると、スターの母が「Starr, breath.」と言う。その度、息をするのを忘れていたとハッとした。
この感覚はヤン・イクチュンの『息もできない』を観ているとき味わった苦しさに似ている。家族のカタチとか話の内容は違うのだけど、「憎しみが悪の連鎖を生む」ということは共通してるかな。