【思い出】幼馴染のアタイちゃん

突然ですが、幼少期に自分の事を何と呼んでいたか覚えていますか?
ぼく、わたし、おれ、○○ちゃん(自分の名前)は最もポピュラーな一人称かと思います。

各言う私は、恥ずかしながら一人称がワガハイだった時がありました。
※当時、スーパーマリオRPGというゲームにハマっていて、それに登場するクッパの一人称がワガハイだったのが格好良くて真似していた。

とは言っても、ワガハイがワガハイだったのは小学校に入学するまでの間で、それ以降は僕に矯正した覚えがあります。


さてさて、表題のアタイちゃんについてですが、そのまんま一人称が「アタイ」である女の子でした。
私とは家が近く、同い年の幼馴染ということで、小学生の時はよく遊んでいました。
性格はとても活発、かつ、男勝りで、なよなよしていた私はよく引っかきまわされていました。そのため、まるで女海賊みたいな「アタイ」という一人称はよく似合っていたと思います。
 しかし、当時の私は幼いながらに「アタイ呼びのままでは、その内大変なことになる!!」などと(ワガハイ呼びのくせに)考えていました。

小学生になった「僕」は、アタイちゃんと遊ぶ機会が多くなったため《アタイちゃん矯正計画》を虎視眈々と狙うようになりました。
しかし、気の弱い私は「なんでアタイちゃんなの?」「あたしじゃなく?」など、彼女にストレートに要件を伝えることができず、その度に「アタイだよ!!」と突っ撥ねられる日々が続きました。


そんな彼女にある日突然、転機が訪れました。


それは1年生の3学期終盤。
クラスのみんなで学芸会の催し物について、ディスカッションをしていた時の出来事です。

担任の先生がファシリテーターとなり、挙手した児童達の意見を聞いていきました。
学芸会で何をやりたいか?誰が何の役をするか?などなど。
様々な意見が挙がる中で、とうとうアタイちゃんが挙手して意見を言い始めました。

アタイちゃん「アタイは!」

担任の先生「アタイじゃなくて、わ・た・し♡」(胸に手を当てながら)

アタイちゃん「あ、あ、あ…わたしは…!」

私は幼いながらも、この会話の瞬間に「よくぞ言ってくれた!」と心の中で思いました。(今となっては、可哀想だと感じるのですが…)

アタイちゃんはこの日以降、二度と自分のことを「アタイ」とは呼ばなくなってしまいました。

 かくして、私が約1年間(も)思い悩んでいた《アタイちゃん矯正計画》は、担任の先生による電撃戦によって幕を閉じたのです…


なぜ、担任の先生は約1年間も「アタイ」のまま泳がせたのだろうか…






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